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石川温のPCスマホニュース解説 第208回

通信品質の低下が指摘されるドコモ、大規模イベントで驚きの対策

2024年08月29日 07時30分更新

文● 石川温

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5万人規模のロックフェス「モンバス」移動基地局車を投入

 香川県・国営讃岐まんのう公園で開催される「MONSTER baSH(愛称モンバス)」は2000年より開催され、今年で25回目を迎えた。1日2万5000人、2日間で5万人が参加する大規模なロックフェスだ。

 公園は全体的に起伏があり、大きな樹木が生えているなど、電波をまんべんなく吹くには若干、難易度の高い場所と言える。

 今回、NTTドコモでは移動基地局車を2台投入した。まず、1台目はステージを前に客席あたりを中心的にカバーするように配置された。4Gのみのアンテナだが、マルチビームに対応しているのが最大の特徴だ。


ステージ前の観客エリアをカバーする移動基地局車。マルチビームアンテナにより安定した通信が期待できる

 通常、基地局で利用されているアンテナは3や6セクタとなっており、1セクタあたり60〜120度という広い範囲でカバーしている。今回、投入されたマルチビームアンテナは1セクタあたり10〜15度ほどと狭く、電波を発射するようになっている。このため、1セクタあたりのユーザーを少なくしてトラフィックを分散することで安定した通信環境を提供できるという。

 ちなみに移動基地局車が使っている周波数帯は2GHz、1.5GHz、800MHzの3つだが、マルチビームアンテナとなっているのは2GHzの5セクタと1.5GHzの3セクタとなっている。

 このシステムはすでに四国内で開催された数十万人が参加するような花火大会でも効果を発揮しているとのこと(取材日がモンバス開催前日のため、当時の効果は確認できず)。


昨年は1台のみだったが、今年は2台の移動基地局車を投入したことで、広いエリアをカバーした

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