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モーダル小嶋の「これを食べたくなったので」 第26回

セブン-イレブンの「カオマンガイ」「ガパオライス」がよくできている! せっかくだし全国展開しましょうよ

2024年08月24日 12時00分更新

文● モーダル小嶋(アスキーグルメ) 編集●ASCII

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セブン-イレブンのタイ料理弁当です

 東南アジア料理は、令和の日本ではすっかり当たり前に食べられるものになりました。それはコンビニでも同じ。しかし、そのクオリティーとなると千差万別でしょう。それでは、お弁当に定評があるセブン-イレブンはどうでしょうか。

 セブン-イレブンは、「カオマンガイ」「ガパオライス」を8月20日から順次販売しています。埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の地域限定商品となります。

主役はカオマンガイなんだけど
ヤムウンセンにびっくりした

カオマンガイ

こちらはカオマンガイ

 カオマンガイは、(ざっくり言えば)鶏スープで炊いたごはんにゆでた鶏肉をのせ、タレをかけて食べるタイ料理です。

 茹でた鶏と、その茹で汁で調理した米を同時に盛り付けた料理は東南アジア周辺の地域ではおなじみ。タイではカオマンガイ、シンガポールでは“海南鶏飯”などと呼ばれるものですね。

カオマンガイ

原材料はこんな感じ。「こぶみかん風味油」ってあまり見ないな……

 セブン-イレブンでは、ジャスミン米、鶏肉、ヤムウンセン、カオマンガイ用ソースを組み合わせた、プレート仕立てのお弁当となっています。

カオマンガイ

こういう感じ。「コンビニ弁当のカオマンガイです」としか言いようのない風情

 見ての通り、かなりカオマンガイです。コンビニ弁当っぽい。少なくとも、外見としては問題ないでしょう。まあ、外見に問題のあるカオマンガイは見たことがないですけど……。

カオマンガイ

なんとなく鶏肉を手前に置きたいですよね

 肝心の鶏肉は、そのまま食べてもいいのですが、せっかくなのですからソースをかけたいところですよね。

カオマンガイ

鶏肉のサイズ感は悪くない

 ソースの味ですが、確かにタイ料理のような香りがありますし、味もそれっぽい。ただ、ナンプラーが効きまくっているとか、レモングラスの香りがすごいとか、そこまでではありません。あくまで、コンビニの弁当という範囲。「控えめ」という感じかなあ。

カオマンガイ

ソース入れがコンビニ弁当っぽいですよね

 とはいえ、ソースは全部かけたほうがいいです。そのほうが、より我々の知る「カオマンガイの味」になりますので。

カオマンガイ

ソースはすべてかけちゃってOKだと思います

 ソースの味も香りも、控えめとはいえタイ料理の雰囲気をしっかり持っていますので、その点に関しては満足感はあります。

 ジャスミンライスを使用している点も本格的というか、カオマンガイを食べているという実感をもたらしてくれます。コンビニ弁当でこれなら、合格点を与えてもよいでしょう。

カオマンガイ

ジャスミンライス。これがあるとないとでは大違い

 ただ、びっくりしたのがヤムウンセンなんです。ヤムウンセンは(ざっくり言えば)タイの春雨サラダなんですけど、これがちゃんと辛くて、ちゃんとエビの味もする。めちゃくちゃしっかりしてるんです。度肝を抜かれました。ここに関しては、コンビニ弁当のクオリティーを超えています。

カオマンガイ

ヤムウンセンは干しエビが入っているし、ちゃんと辛い

 タイ本場の味と比べてどう……というものではないかもしれませんが、コンビニでこれなら、それなりではないかと思わせるクオリティーはあります。もうちょっと量があってもいい気がしますが、減点するほどのことではない。

 とにかく、ヤムウンセンが手抜きではないのがえらい。具材こそ他のお弁当からの流用かもしれませんが、味付けも辛味もタイ料理のそれです。なぜそれほどこだわったのかわかりませんが、「神は細部に宿る」という話なのかもしれません……。

ガパオライスもなかなか本格的
量はちょっと賛否あるかも

ガパオライス

ガパオライスです

 ホーリーバジルの香り、唐辛子の辛みが効いているというガパオライス。こちらもジャスミン米を使用し、本格的な商品に仕上げたそう。

ガパオライス

原材料はこんな感じ。ホーリーバジルじゃなくて「バジル」と表記してる点は気になるけど

 ちなみにタイ語で「ガパオ」として知られているのは、ホーリーバジル(和名:カミメボウキ)の葉で、シソ科の植物。タイホーリーバジル、クラッパオなどとも呼ばれます。ちなみに「タイバジル」はいわゆる「バジル」(和名:メボウキ)の品種であり、カミメボウキとは異なるとか。

ガパオライス

できあがりです。カオマンガイと同じ向きで撮ればよかった……

 タイには肉とホーリーバジルを炒めた「パットガパオ(パッガパオとも)」という料理がありますが、日本では、パットガパオをごはんとあわせた「ガパオライス」として有名です。ガパオライスと称しているのにバイマックルー(こぶミカンの葉)やスイートバジルを使っているお店もありますね。

 ちなみにセブン-イレブンのガパオライスですが、原材料には「バジルオイル」「バジルペースト」「バジル」などが入っています。でも商品紹介だと「ホーリーバジルの香り」と書いてあるな……。

ガパオライス

見た目はかなりそれっぽい

 見た目のそれっぽさはなかなかのものですが、惜しむらくは量でしょうか。カオマンガイよりも具材のサイズ感に乏しいため、ごはん(ジャスミンライス)部分と比べると、ちょっと少ないかなという気はします。

ガパオライス

パットガパオの部分。味はいいが、ちょっと「足りない」気がするかも

 とはいえ、味はなかなか本格的。バジル(ホーリーバジル?)の香りがしっかりありますし、辛すぎないまでも、香辛料の味わいをしっかり入れているのはさすが。タイ料理の雰囲気を出しているという点では、やることをやっていると思います。

 当然、ジャスミンライスとの相性はいいです。やっぱりジャスミンライスを使うだけで、一気にそれっぽくなる。当たり前といえば当たり前ですが、このお米を採用したのは英断でしょう。

ガパオライス

ジャスミンライスでよかった〜

 玉子は半熟〜完熟の間くらいで、もうちょっと「揚げた」感じがあればよかったと思うのですが、これもぜいたくかな。

ガパオライス

玉子をいつ崩すか……もタノシイ悩みどころ

 本筋とはあまり関係ないのですが、こういうコンビニ弁当の半熟玉子って、「これがある程度は日持ちするんだから、技術力ってすごいよなあ」という気分になりますよね。そうでもないですか?

ガパオライス

ナンプラーバジルソース

 添えられているナンプラーバジルソースはまさに名前のままで、ナンプラーとバジルの香りをしっかり付けてくれます。

 ただ、カオマンガイのソースと違い、人によっては香りと味が過剰になってしまうこともあるかもしれないので、一気にすべて使わず、すこしずつ足していくのがよいかと思われます。

ガパオライス

こうやってかけるのもいいかも

 カオマンガイも、ガパオライスも、コンビニ弁当としての範囲でいうなら、かなり高いレベルでまとまっていると感じました。

 タイ料理としてなら、もっとこうすれば……とか、ここが足りない……というところもありましょうが、この価格でコンビニで売られているという店を評価したい。

 ただ、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の地域限定商品(8月24日現在)なのが惜しい。セブン-イレブンさん、全国展開してみてはいかがでしょうか。もう予定に入っているかしら。その際は、もうちょっと量も増やしていただけると……。

モーダル小嶋

モーダル小嶋

1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願いします。

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