導力という未知のエネルギーによって繁栄するゼムリア大陸を舞台に、さまざまな国で若者たちが英雄へと成長していく軌跡を濃密な物語で描く日本ファルコムのストーリーRPG「軌跡」シリーズ。
その世界の“カルバード共和国”を舞台にした「黎の軌跡」の第2幕『英雄伝説 黎の軌跡II for Nintendo Switch』がいよいよ発売される。ここでは、日本ファルコムから提供を受けたソフトをもとに、本作のレビューをしていこう。
ゲームの発売日は2024年7月25日、価格はパッケージ版/ダウンロード版ともに5280円だ。
「英雄伝説 黎の軌跡II for Nintendo Switch」ショートPV
主人公のヴァン以外の視点でも展開する物語
本作の主人公は、グレーな依頼もこなす《裏解決屋(スプリガン)》であるヴァン・アークライド。彼を中心に物語は進むのだが、本作ではチャプター方式を新たに採用している。
ストーリーは複数の“部”で構成されており、各部でヴァンの視点で進むチャプターと、別の協力者の視点で進むチャンプターを選ぶことに。チャプターごとに主要メンバーが異なるので、より広い視点で物語を楽しめる。
また、本作では特定のタイミングでルート選択が発生することも。パッと見ると分岐のあるアドベンチャーゲームのように見えるが、本作では基本的にストーリーイベントの流れで発生するので、事前に選択肢で~~を選ばないといけないといったややこしい手順はないのでご安心を。
本作にはメインの物語のほか、サブクエスト的な街の住人からの依頼(4spg)、細かく変化するNPCの会話、仲間キャラクターとの絆を深めるコネクトイベントなど、ストーリーに関わる要素は多数用意されている。
メインストーリーだけ楽しみたい人はもちろん、町の人との会話までじっくり堪能したい、好きなキャラクターと仲良くしたいなど、いろいろな需要に応えられる作りになっている。
よりサクサク進めるシステムを追加したバトル
戦闘は、フィールドで直接敵と戦うフィールドアタックと、コマンド選択式の2つの方式をリアルタイムで選べる。
フィールドアタックでは魔法が使えるようになり、遠距離から攻撃可能に。また、敵の攻撃をジャスト回避するとほかのキャラクターと連携して相手を攻められる。
ちなみに、上記2つは筆者のプレイではほとんど使わなかった。なぜなら、魔法を使うとEP(エネルギーポイント)が減ってしまうのでもったいなく思えたり、クロスチャージに至ってはアイコンが出ても反応できなくてXボタンが押せなかったりしたからだ。
使えばフィールドアタックを有利に展開できるけれども、使わなくてもどうにかなるという、アクションが苦手だったり、反応速度が遅い筆者のような人にも優しい作りになっている点は非常にグッド。
フィールドで敵が近くにいる状態でYボタンを押すと、コマンドバトルに入れる。「軌跡」シリーズでは、フィールドアタックで敵を気絶(スタン)させてから戦闘に入ると先制攻撃ができるなど、有利に戦いを展開できる。
本作ではコマンドバトル時に、味方同士がスクラムを組んだ状態(一定の範囲で隣接した状態)でシャードブーストをかけて、スタンしている敵に通常攻撃、もしくはクラフトを出すと“EXチェイン”が発動。対象の敵とその周囲にいる敵も巻き込んで大ダメージを与えられる。
本シリーズにはCP(クラフトポイント)を100ポイント以上消費することで行動順関係なしに敵に大ダメージを与えられるSブレイクという攻撃がある。敵が固まって配置されている必要があるという条件はあるものの、EXチェインを使えばSブレイクに頼らずとも敵をまとめて倒せるので、非常に便利だ。
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