障害を許容しバックアップ準備を
今後も、クラウドやIT基盤の障害は起きるでしょう。クラウドやIT基盤は、多数の企業・サイト・ネットサービスが利用しているだけに、一度障害が起きると社会活動がストップするような大事件になるかもしれません。特にIoTなどの普及により、スマートホーム、自動運転車などが一般的になれば、社会全体がストップする事態も考えられます。
しかしながら一企業や自治体が自ら設備を持つオンプレミスより、クラウドやIT基盤を利用するほうがずっとリスクが低く、復旧も早くできる可能性が高く、コストも抑えられます。そのためクラウド利用は今後も増えるでしょう。
つまり私たち個人や企業・自治体は「クラウドやIT基盤がストップすること」を許容、もしくは覚悟して使う必要があるのです。障害によって、一定時間使えなくなることを予期して準備する必要があります。
もしどうしても止められない業務があるのなら、クラウドが止まっても別の手段に切り替えて運用できる体制を準備しなくてはなりません。大きなコストがかかりますが、銀行や政府のガバメントクラウドなどは対応する必要がありそうです。
個人や企業であれば一定時間止まることは覚悟した上で、最悪の事態である「データが消失する」ことに備える必要があります。つまりバックアップが重要です。クラウドやIT基盤とは関係のないバックアップ、たとえば切り離しできる記憶媒体などにバックアップを定期的に取っておきましょう。サイバー攻撃のランサムウェア対策としても重要ですから、バックアップを取ることが至上命令と言えます。
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