頻発するクラウドの障害
社会を支えるクラウド・IT基盤ですが、何らかの障害・トラブルにより、サービスが停止することがあります。毎月のようにクラウド・IT基盤で障害が起きており、そのたびに利用者は仕事やサービスがストップしています。次の表に、最近起きた大規模な障害とその影響をまとめました。
総合クラウドでの障害でもっとも日本国内で大きな影響が出たのは、表の①、2019年8月に発生したAmazon Web Services(AWS)東京での障害でしょう。サーバーの冷却トラブルにより障害は9時間続き、日本国内の大手サービスが多数止まりました。
たとえばスマホ決済の「PayPay」や「ファミペイ」、暗号資産交換所の「Zaif」や「GMOコイン」、ECではユニクロや「ストアーズ JP」、ゲームでは「パズル&ドラゴンズ」や「メイプルストーリー」など多数、その他にも大手の公式サイトなどが一斉に止まる深刻な状態でした。
同様の障害は表の⑤、2021年4月のAWS東京でも起きています。一部のサーバーが止まった影響で気象庁のウェブサイト、大手スマホゲーム、暗号資産の「コインチェック」などのサービスが停止しています。また④、2021年2月に発生したマイクロソフトのAzureのトラブルではJR東日本のアプリなどが停止しています。
これらは総合クラウドの障害であり、総合クラウドを利用している多数のサービスに広範な影響が出ています。特定の企業やサービスではなく、ネットサービス全般がストップしてしまうため影響が大きくなっています。