みなさんこんにちは。新横浜ラーメン博物館30周年企画の一環として今年2月より、ラーメン職人の隠れた潜在能力や新たな才能を発掘するラーメンコンテスト「佐野実メモリアル ラーメン登龍門2024」を展開してまいりました。2024年6月2日(日)に最終選考(決勝戦)が開催され、上位3店舗がラー博に出店致します。
前回の記事はこちら:新横浜ラーメン博物館のウラ話 ラー博にまつわるエトセトラ Vol.42 ラーメン登龍門【第3位】手打ち麺 あお井 とら食堂直伝の“限定手打ち麺”
過去の連載記事はこちら:新横浜ラーメン博物館のウラ話
佐野実メモリアル ラーメン登龍門2024の概要につきましてはこちらをご参照ください。
第3位の手打ち麺 あお井に続き、7月18日(木)からは準優勝となった「らーめん愉悦処 鏡花 八王子想庵」さんの出店です!
【出店情報】
店舗名:らーめん愉悦処 鏡花 八王子想庵
出店期間:2024年7月18日(木)~28日(日)
場所:新横浜ラーメン博物館 地下1階(手打ち麺 あお井跡地)
今回準優勝を勝ち取った町田将一さん。実はお父様が25年前の第1回大会に出場されております。
当時お父様はラーメン店ではない中、3次審査の10名まで残られました。そして、この大会を機に会社を辞められ、ラーメン店を始められております。2000年に創業されましたので、来年で25周年を迎えられます。今では鏡花と言えば、ラーメン通の人で知らない人はいないほど有名なお店となりました。
その父が果たせなかった夢を23歳の息子さんが勝ち取りました。
町田将一さんの経歴を紹介します。2000年東京都生まれ。高校卒業後、約1年間、銀座の日本料理店にて修業。その後、父が創業したラーメン店「鏡花(きょうか)本店」へ勤務。2022年6月、東京都八王子市に「らーめん愉悦処 鏡花 八王子想庵」を開業。
今回のラーメン登龍門にエントリーした経緯を町田将一さんに伺いました。
「父が25年前出場し、惜しくも準決勝で敗退し、夢はかないませんでしたが、あの時父が出場していなければ、もしかしたら自分もラーメンをやっていなかったのではないかと考えるようになりました。まだまだ未熟ものではありますが、父の果たせなかった夢を叶えたいという想いがあり、開催を知りすぐに出場することを決めました。今回の大会から~佐野実メモリアル~という副題がつきましたが、父が佐野実さんから学んだことをよく聞いておりましたので、ピッタリだとも思いました。佐野実さんから父へ、父から自分へ伝えられている大切な考えや価値観にもリスペクトを持ち、父が参戦したこのステージで25年経った今、最高の一杯を作りました」とのことです。
そんな将一さんが今大会で発表したラーメンが「山椒味噌変化」。
将一さんからどのような経緯で開発したのかを伺いました。
「出場を決めてから最初の1ヵ月は“伊勢うどん”をイメージし、あやひかり100%のもっちり極太のやわらかい麺で試作していましたが、相性やラーメンらしさがイメージとは違いましたので、最終的には「ゆめちから」のコシと「春よ恋」、「南部きらり」のモチモチ感が同居する麺に辿り着きました。味噌の旨味に負けない国産小麦の良さを最大限に生かした中太ストレート麺です。
スープは味噌の旨味にも負けない・逃げない、それでいて国産小麦の風味と旨味が生きるような鶏清湯をコンセプトに考えました。
使用する鶏は“佐野実メモリアル”ということもあり、山水地鶏や名古屋コーチンを主体に使用し、ブレンド重層式の考えを大切に旨味の強いスープに仕上げました。
中央に位置する “味噌玉”は風味豊かな麦味噌とコクのある米味噌、上品な西京味噌をブレンド。溶かしながら味わいの変化が楽しめます。
具材は香り高い和歌山県産ぶどう山椒と和山椒香油がアクセントとなり、西京味噌で漬け込んだ吊るし焼きのチャーシューは絶品です。“味噌玉”の中には戻した椎茸をみじん切りにしたものと挽肉が入っているため、溶けだしたときに途中から具材へと変化します。」
そしてラー博出店期間中、お父様も厨房に立たれるとのことで、私たちとしても本当に嬉しい限りです。
息子さんは今大会のラーメンに関して「あえて父からの助言を遮り、自分の力で勝負したい」と言われておりましたが、こうしてお父様のために舞台を用意できるというのが素晴らしいです。11日間という限られた期間ではありますが、親子の競演を是非見て・味わっていただければと思います。
【出店情報】
店舗名:らーめん愉悦処 鏡花 八王子想庵
出店期間:2024年7月18日(木)~28日(日)
場所:新横浜ラーメン博物館 地下1階(手打ち麺 あお井跡地)
次回は優勝に選ばれた「博多文福」をご紹介いたします。
お愉しみに!
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