今年は「白い灼熱〜禁断のチーズ油そば〜」「灼熱背徳MAX油そば」が登場:
三田製麺所「灼熱つけ麺」、辛い!! チーズ大量の「白い灼熱」も辛い!! ガッツリ系の「灼熱背徳MAX」も辛い!! 辛っ……か、辛い! 辛いって!!
2024年07月11日 18時00分更新
日本の夏、激辛の夏、灼熱の夏
夏ですね。暑い夏に食べたいものはなんでしょうか。「辛いもの」を挙げる人がいますよね。しかし、辛いものといっても人それぞれ。なので、思いきってめちゃくちゃ辛いものを食べてみませんか。
つけ麺専門店の三田製麺所から、「灼熱つけ麺」が7月16日から登場します。2011年に初登場した、三田製麺所の季節商品第1号にして、現在も支持されているという夏の看板商品です。
今年は定番の灼熱つけ麺に加え、見て楽しい、食べておいしい2つの新商品を同時発売。その名も「白い灼熱〜禁断のチーズ油そば〜」と「灼熱背徳MAX油そば」です。三田製麺所の全店舗で販売されます。
■「白い灼熱〜禁断のチーズ油そば〜」(1380円)
■「灼熱背徳MAX油そば」(1380円)
■「灼熱つけ麺」(1090円)
チーズのまろやかさと激辛油そばの
コントラストがおもしろい「白い灼熱」
まず紹介するのは、白い灼熱〜禁断のチーズ油そば〜。激辛な油そばに、チーズをたくさん振りかけて、卵を落としたというシンプルな構成です。チーズの量がものすごく、上からは麺がほぼ見えません。
激辛ながら、肉の旨味とチーズのコクがマッチし、まるでボロネーゼやアラビアータのようなパスタ感覚とのこと。そう、チーズだけではなく細かくした肉も入っており、そういう意味ではボロネーゼ感もあるかなと。
これ、不思議な味わいだなと思いました。というのは、チーズがかなり多めにかかっているので、まろやかを通り越して「チーズを食べてる〜!」という第一印象になるのです。チーズがとろけて伸びまくるわけではなくて、大量の粉チーズをワシワシ食べる感じ。
ところが、その下にある油そばは、激辛です。かなり舌にくる。ここがおもしろくて、口の中にチーズが入って「お、チーズ……」と思った瞬間に「うわっ、辛い! か……辛い!!」となり、それでも「いや、チーズ……」という後味が残る。卵が入っているのもその印象に寄与しているのでしょう。
「普通はかけない量のチーズ(+卵)」と「普通は食べない辛さの油そば」のコントラストで、今までにこんなものを食べたことがあるかしら……という気分になれます。
もちろん、油そばとしては激辛なんです。「これは辛くないよ」と言う人は、まずいないだろうなという刺激。ところがチーズも大量にあるので、そのミルキーさで激辛なわりには食べ進めやすくなっている。このあたりのバランスはかなり絶妙。
ただ、油断すると、「チーズの食感とコク→いきなり超激辛の麺」という順番で味覚が揺さぶられるため、そのギャップのすごさにむせそうになります。さらに、その後の辛さで再度むせそうになります。気をつけてください。自分はむせた。チーズの匂いしみついてむせる。
既存の料理で似ているものは……あるかなあ。卵とチーズでカルボナーラっぽくもあり、肉部分がボロネーゼっぽくもあり、でも麺の太さと強烈な辛さは油そばのそれで……。とにかく、食べごたえがユニークです。激辛ではありますが。
ちなみに、〆のライスが付いているので、食べ終わった後にはチーズ・肉・タレをごはんの上にのせて「灼熱チーズのっけ飯」もできます。これはこれでおもしろいですし、卓上調味料での味変もオススメ。
チーズをたっぷり使いつつ、油そばとしては激辛。ありそうといえばありそうですが(チーズがトッピングできる油そばはめずらしくない)、とにかく両極端に振り切っているので、これにしかない魅力があります。チーズの優しさと油そばの刺激の温度差がすごい。これを食べたあと外気浴をしたらととのうんじゃないかな。
シンプルなガッツリ系! 見た目で選んでOK!
ニンニクの香りもものすごい「灼熱背徳MAX」
続いては、灼熱背徳MAX油そば。背脂の甘味、ニラの風味、ほぐしチャーシューの旨味、ニンニクの刺激と灼熱パウダーが絶妙にマッチしているとうたいます。
これはもう、シンプル。ガッツリ系の油そば、激辛バージョンという風情です。見た目ですべてが説明できるので、編集者としてはちょっとつらいところ。ニンニクがおよそ40gも使われているのでその香りもすごいですが、いざ丼が運ばれてくると、むしろニラの香りが食欲をそそる感じですね。
野菜トッピングがレギュラーで用意されている三田製麺所だけに、ボリュームもなかなかのものがあります。野菜の量はおよそ300g。写真だとわかりにくいのですが、ほぐしチャーシューの量もそれなりなので、その食感もうれしいところ。
実際に食べてみると……白い灼熱〜禁断のチーズ油そば〜と比較すると、こちらは辛さがダイレクトに突き抜けてくる。舌を辛味が突き刺す感じ。なぜかというと、チーズや卵のような“まろやかさ”をプラスする具材がないからです。
そのため、とにかくシンプルに「うわっ、辛い! か……辛い!!」というインパクトを味わえます。野菜部分をガシガシと崩しながら、辛さと戦うように麺をすするのが楽しい。ニンニクの刺激もありますしね。
ほぐしチャーシューや背脂などの食感も確かにあるのですが、とにかく容赦なく辛いので、「辛い!! あ、チャーシュ……か、辛いっ! 背脂も……から、辛い!!」というふうになります。
辛さとしては、バッキバキに辛いです。普通に“激辛”の範疇。なので、「ニンニクや野菜がのった油そばは好き、辛ければ辛いほど好き」という人なら見た目で選んでOK。
太めの麺、多くの野菜を、とにかく激辛なタレと混ぜ合わせながら食べる。むずかしいことは何も考えずに、汗だくになれる刺激的な油そば。食べる前は「これを食べるとスタミナが付きそうだな」などとノンキに考えていましたが、実際はこれを食べることにスタミナを相当使いそうです。
用意された生卵も、ガッツリ系のお店ではよくあるトッピング。よく溶いてすき焼き風に麺を絡めて食するのも、アクセントになります。自分好みのタイミングで味変しましょう。ただ、卵を入れてもさほど辛さが軽減する感じはなかったですが……。
量といい、見た目といい、非常にわかりやすい油そばです。ガッツリと激辛を味わいたいなら、ためらわずに注文してよいでしょう。ただ、ニンニクの量は相当なので、辛さだけではなくこちらにも気をつけてください。特に食後は……ね。
定番の灼熱つけ麺も食べました
「極限」に挑んだけど、悪い やっぱ辛えわ
定番の灼熱つけ麺も食べました。。2011年の初登場から13年経った今もなお、根強い人気をほこる一杯です。辛さのレベルは「1辛」「2辛」「3辛」「極限」の4段階から好みに合わせて選べます。
厳選した唐辛子(天鷹・ハバネロ・パプリカ)を独自配合した激辛の「灼熱スパイス」と、辛さの中にフライドガーリックの旨味が染み出た「灼熱ラー油」が、濃厚豚骨魚介スープと相性バツグンとうたいます。
実は筆者、「極限」を注文したことがなかったんです。これもいいきっかけだなと思って、前述の油そば2杯のあとに食べてみました。もう辛さにも舌が慣れただろうし、いけるかなと思って……。
まあ、注文してからちょっとビビったというか、「あ、極限って、灼熱スパイスをそんなに入れるの?」とは思いました。スパイスが自身の重みでスープにゆっくり沈みながら溶けていく様子は、映画「ターミネーター2」のラストシーンぐらいの怖さがありましたし……。
そんな人生初の灼熱つけ麺・極限でしたが、結論としては辛いです。
辛い。辛い。辛い。辛い。辛い。もう編集という立場を放棄して「辛いです。終わり」と書きたいぐらい。「うわっ、辛い! か……辛い!!」とずっと言ってました。
グルメ担当なので、「辛さの中にも旨味が……」「スープのコクが感じられ……」とか書きたいんですよ。でも「辛さの中にも旨味が……かっ、辛い!!」「スープのコクが感じられ……かっ、辛い!!」となってしまう。
食べ終わったあとは、舌だけではなく唇もヒリヒリしていました。味覚とは、味覚受容体細胞にとって適刺激(感覚器がそれぞれ特異的に感知する刺激)である苦味、酸味、甘味、塩味、旨味の5種を指すそうです。すなわち辛味は当てはまらず、舌・口腔で感じる痛覚がその正体だといいます。そのことがよくわかりました。
それでも、さすがに三田製麺所の夏の定番、ダテではない。辛いは辛いのですが、豚骨魚介のコクは確かに感じますし、つけ麺としてのバランスはギリギリで破綻していません。このあたりは、ブラッシュアップを繰り返してきた定番の風格でしょう。
まあ、それでも辛いのですが……この記事で「辛い」を何回使ったかな? デスクが原稿に赤を入れてくるかもしれませんが、「本当にそうなんだからしょうがないじゃないですか!」と言って立ち向かうしかありません。どんなに赤が入っても、灼熱つけ麺のスープよりは赤くないだろうし。
というわけで、三田製麺所の2024年の灼熱シリーズを味わってきました。チーズのまろやかさと相反する辛さで食べる側の度肝を抜く白い灼熱、量も具材もわかりやすいガッツリ系激辛の背徳MAX、いずれも食べごたえがあります。
まあ、強いて言うのであれば、「禁断の〜」「背徳〜」といった表現を安易に使っているような気もしなくはないですが……。チーズをかけたからといって、ニンニクの量が多いからといって、“禁断”“背徳”といった印象は薄いような気がします。だって、それ以前の問題として、めちゃくちゃ辛いんだもん。ネーミングに関しては、すこし安易だなと感じてしまいました。
ともかく、「激辛な麺が食べたい」というニーズに対して、つけ麺のみならず個性的な油そばを2種用意したところに三田製麺所の開発力を感じました。もちろん、定番の灼熱つけ麺自体も完成度が高く、愛される理由がわかります。全部、ちゃんと激辛だし。
「辛っ……か、辛い! 辛いって!!」と叫びながら食べましたが、どれも、とにかくしっかり辛い。それでいて、出来もよい。辛いものが好きな人にはオススメです。そうでない人には絶対にオススメしません。マジで。本当に、マジで。
モーダル小嶋
1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願いします。