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高精細な3D画像で肺の立体構造への理解を促進、「MR Anatomy」

CT撮影した肺の3D構造をMR(複合現実)で観察 ― キヤノンら医療研修システム開発

2024年07月04日 15時45分更新

文● ASCII

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 日本メドトロニック、キヤノン、キヤノンITソリューションズ、ザイオソフトの4社は、2024年7月3日、CT(コンピューター断層撮影装置)で撮影した肺の構造を、複合現実(MR)で観察できる医療従事者向けトレーニングシステム「MR Anatomy」を、2024年7月上旬より提供することを発表した。

MR Anatomyの視点イメージ

外科医による利用イメージ、複数人でも観察できる

 近年、肺がん手術では、より小さく腫瘍を取り除く「区域切除」と呼ばれる手技が増加しており、医療従事者には精緻な肺の構造への理解が求められているという。

 同システムでは、ザイオソフトの医用画像処理システムで3Dデータ化した肺のCT画像を、キヤノンのMRシステムを使って現実空間上に実寸大で表示する。2D画像では把握できない、症例ごとに異なる病変の位置や血管の走行、臓器の大きさなどの、肺の解剖学的構造への理解を深めることができる。

 セットアップは、3Dデータ化した肺のCT画像を専用アプリケーションでドラッグ&ドロップするだけで完了する。表示された肺の3D画像は、体験者の手で回転させるなど直感的にあつかえる。

回転や拡大・縮小も自由自在

 同システムの使用料は、月額25万円(税抜)。専用アプリケーションにCT画像を基にした3D画像を取り込み、キヤノンのMR用ヘッドマウントディスプレイ「MREAL X1」を通じて、3D画像の肺のモデルを観察する。2024年中に、4施設の呼吸器外科への導入を予定しており、3年以内に30施設への導入を目標としている。

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