Sony Marketing Creative Solution Showcase 2024
98インチのオフィス向けディスプレーや最新Crystal LEDなど! ソニーの最新映像製品を見てきた
2024年07月04日 08時00分更新
文● ASCII
企業向けディスプレーはより大画面に
映像×空間の取り組みではサイネージや企業向けのディスプレーがある。ここでは98インチの「FW-98BZ53L」を最近発売したほか、サイネージソリューションを強化するためクラウドベースの「CMS/RMS」で遠隔監視や遠隔制御ができるようにしたり、AI解析としてエッジAIセンシングプラットフォームの「AITRIOS」を8月にリリースする予定。センサーで捉えた映像を解析し、顧客の属性情報や滞留時間を知り、予測分析につなげられる。
さらにコト軸提案として、Kアリーナ横浜の音響/照明設備の提供、HIROSHIMA SOCCER MUSEUMではプロジェクションシステムやコンセプト映像の制作などを実施。東京ドームでもソニー・ミュージックソリューションズと連携した大型映像ソリューションとコンテンツ提供の融合を果たしたとする。
以下、具体的な展示をいくつか紹介しよう。
バーチャルプロダクションの撮影風景。進化ポイントとして複数カメラでの撮影に対応した点が挙げられる。デモは2カメラでの撮影で、背景の青い枠は現在選択しているカメラに収まっている背景領域となる。映画撮影とは異なり、バラエティ番組などでは複数の演者、画角での収録が多いが、そういった撮影にも対応できる。
実際に合成された映像
なお、ソニーのバーチャルプロダクションシステムでは、カメラ位置に合わせて背景の画角も変わっていくのが特徴。ただし、その背景はスイッチャーで選択したカメラに合ったもののみとなってしまう。これでは別のカメラを担当しているカメラマンが画角を合わせにくい。そこで、バックグラウンドの処理で各カメラに最適な画像をUnreal Engineで並列に作成しておき、クロマキー合成で返しの映像を送る仕組みも取り入れている。中段がその合成の過程。背景は1コマおきにCG(CAM1)とグリーン(CAM1 FG)が切り替わっている。その横にあるのがカメラ1用にUnreal Engineがリアルタイムに生成している背景(CAM1 BG)、右端がカメラマンがライブビューできる映像(CAM1 VF)だ。
新しいシネマカメラである「BURANO」は、VENICEの兄弟機だが、8K対応で取り回しに優れたものになっている。
最近発売されたマスターモニターの新機種も展示。左が「BVM-HX3110」でピーク輝度4000nitを誇る。4K HDR対応でサイズは31型。
バーチャルプロダクションやサイネージなど、幅広い分野で応用が期待されているCrystal Displayの展示は専用のデモルームでも展開
コントラストの高さを重視したCHシリーズ。黒が深い、光沢パネルを採用している。
輝度の高さを重視したBHシリーズ。こちらはハーフグレアタイプ。価格はCHシリーズとBHシリーズで差がなく、110インチ/1.5mmピッチで構成した場合、2000万円弱になるという。
BHシリーズのキャビネット。これを敷き詰めることで、フレキシブルなサイズの大画面を手に入れられる。なお、バーチャルプロダクション向けには、VERONAという高画質タイプも展開している。
左が98インチの法人向けブラビア「FW-98BZ53L」。ディープブラック&低反射コーティングを使用し、画質と映り込みの少なさを両立。
法人領域での大画面訴求として、ウェブ会議を紹介。写真で画面が写っている範囲が一般的な65型テレビの領域。Zoomなどでは参加者の顔なども表示されるため、資料の表示領域はさらに狭くなる。
クレストロンのソリューションを用いた75型2画面の提案。エグゼクティブルームでは会議室の一体感を高めるため、二画面、三画面の需要が高まりつつあるという。
こちらは超単焦点プロジェクターを活用し、21:10の画角で投影するデモ。オフィスにおける大画面の選択肢は広がりつつある。
ディスプレー活用ではサイネージにも力を入れている。パネルやディスプレーだけでなく、配信や管理などのソフトも重要だ。写真はマルチ画面を構築したところ。
設定画面。複数の画面でどの部分を表示させるかや、ベゼル部分で切れるのを加味して、表示領域の微調整もできる。
ソニーが現在力を入れているのが、オートフレーミングカメラ。来年1月には「BRC-AM7」という4K60p、4K HDR対応の製品の発売が予定されている。光学20倍ズームを備え、静粛かつスムーズにカメラが動くの印象的。
カメラ自体の性能はもちろんだが、追尾性能の高さについてもアピールしていた。写真は中心にとらえていた人物の目の前を別の人が横切ったシチュエーション。カメラによっては別の人を追尾してしまうが、デモでは収めるべき人をしっかり追尾し続けていた。
また、複数名の顔認識や人物特定なども可能。写真では二人の人物が離れたり、近づいたりしても適切な範囲で両者を画面内に収める動作をしていた。
カメラ内蔵のエッジAIを活用し、サイネージの利用状況や効果測定をする「AITRIOS」をローンチ予定。
エッジAIカメラを持つことで、さまざまな分析が可能。
デジタル一眼の撮影補助線をカスタマイズできる、カスタムグリッドラインライセンスの紹介。人型の枠などに合わせて撮影するだけで証明写真などが簡単に撮れる。教育分野での要望も高い機能だという。
カスタムグリッドラインライセンスの対応機種
Crystal Displayに振動する床を組み合わせて迫力ある映像を楽しめるソリューション。床の部分には物理的な振動を出す、スピーカーユニットに近い装置が埋め込まれている。位置によって振動のパターンや大きさを細かく変化させられるため、左右に物体が動くような表現や、川や波の流れなどの体感にも応用できるとのこと。