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「SASEを再定義する」バージョンアップ、機密情報保護など4つの顧客課題に対応

ゼロトラストのさらに先へ、パロアルト“Prisma SASE 3.0”の新たな狙いとは

2024年07月01日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 「2020年から始まった新型コロナウイルス(のパンデミック)以後、お客様の側ではどんどん『課題』が変わっている。今回は“Prisma SASE 3.0”を掲げ、機能の拡充によって4つの顧客課題を解決していく」(パロアルトネットワークス 藤生昌也氏)

 パロアルトネットワークスは2024年6月26日、同社の「Prisma SASE」最新版についての記者説明会を開催した。「これまでのSASEを再定義する」ものとして、セキュアな新ブラウザ(エンタープライズブラウザ)の提供、生成AIサービスの安全な活用を支援する機能など、“Prisma SASE 3.0”という新たな段階への進化というメッセージを打ち出している。

Prisma SASE 3.0の全体像。新たにエンタープライズブラウザも提供する

パロアルトネットワークス SASE事業本部 シニアディレクターの藤生昌也氏、同事業本部 Business Principalの和田一寿氏

Prisma SASE 1.0/2.0から「3.0」への進化のポイントは?

 同社 SASE事業本部 シニアディレクターの藤生氏は、国内市場においてSASEが注目ようになったきっかけは、2020年初頭からのコロナ禍だったと説明する。

 それまでも長年「働き方改革」は叫ばれていたものの、大きな動きとはならなかった。しかしコロナ禍で、なかば強制的にテレワークをせざるを得ない状況となったことで、企業は「事業継続性」を強く意識し始めた。オフィス以外の場所からでも快適かつセキュアに仕事ができる環境が求められるようになり、その解となったのがSASEだった。

SASE市場の成長背景。ほかにも「クラウドファースト」「人材不足への対応」「TCO削減」「デジタル化」といった要因から需要が高まった

 パロアルトでは、2019年にリリースしたPrisma SASE 1.0において、SaaS型のスケーラブルなリモートアクセスVPNサービス「Prisma Access」をリリースした。さらに2021年の2.0では、拠点単位でSASEへの接続を可能にする「Prisma SD-WAN」も追加している。この2.0への進化により、PCやスマートフォンだけでなく、たとえば工場に設置されたIoTデバイスのトラフィックなども保護できるようになった。

1.0(2019年)、2.0(2021年)を経て、今回は「Prisma SASE 3.0」への進化をうたう

Prisma SASE 1.0/2.0では、「Prisma Access」「Prisma SD-WAN」によりリモートデバイスや拠点のトラフィックを保護

 それでは、今回の「3.0」ではどう進化したのか。藤生氏は、顧客企業が直面する4つの課題を挙げ、それらを解決するための機能強化を図ったと説明する。その4つの課題とは「ユーザーのリテラシー不足」「情報漏洩抑止(データセキュリティ)」「低速なSaaSアプリ」「セキュリティ人材不足」であり、今回はそれぞれで機能強化を発表している。

Prisma SASE 3.0で新たに解決を図った「4つの課題」

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