電車もバスもUberもクセが強かった
灼熱の貨物車両にすし詰め状態! カオスで不思議な国、バングラデシュを旅する【前編】
2024年06月19日 07時30分更新
電車以外の移動手段は?
メトロもまだ6号線の1本しか開業していないので、市民の足となっているのが路線バス。ですが、これは旅行者が使うのはかなり厳しい。バスに行き先が書いてあるようですが、ベンガル語で読めません。
ちなみにバスは、ぶつかりまくっているのか外装はボコボコ。案内係が箱乗りで乗り込み、ドアから行き先を大声で叫んでいるようです。当然ながら筆者はベンガル語が分からないのでどこ行きのバスなのかサッパリわからず。結局、滞在中にバスの乗車はできずじまいでした。いずれチャレンジしてみたい!
そして、人口密度が高いため、どこに行くにも渋滞だらけ。そのため市民の足としては、圧縮天然ガスを燃料とした「CNG(圧縮天然ガス)リキシャ」や、「人力の自転車リキシャ」を使います。とにかく大量に走っていたり客待ちで止まっています。
ひとクセもふたクセもあるUber移動
旅行者はこれらを活用するわけですが、乗車前に目的地を伝えるのと、料金交渉がめんどうです。ほかの国でも多いですが、最近はこういった移動にはライドシェアが一般的。バングラデシュのダッカでもUberが使え、クルマだけでなくCNGリキシャも呼べます。
それならUberを使えばいいじゃないか、となりそうですが、バングラデシュのUberはクセが強い。一般的なライドシェアの場合、アプリから「出発地点」と「目的地」を設定すればクルマがそこにやってきてくれて、目的地を口頭で告げなくても、ドライバーはアプリを見て目的地まで連れて行ってくれます。
ところがバングラデシュのダッカでは、かならずアプリから通話がかかってきます。そして「本当に予約したかどうか」と、「出発地点」と「目的地」を訪ねられました。それがめんどうだからライドシェアを使っているのに……。
しかも、ahamoのローミングで利用していたためか、アプリでの通話は音声がまともに通りません。何度も何度もドライバーから通話があり、全然聴き取れない中、とりあえず出発地点を連呼していたら、なんとか来てくれました。
2回目に頼んだときは、合流できたもののドライバーが目的地を知らないということで、ドライバー都合でキャンセルに……。アプリの通りに目的地まで行ってくれればいいだけなのに。ライドシェアの良さがまったく活かされていません。
さらにおもしろいのが、Uberなのに支払いは現金なんです。クレジットカード払いは選べず、到着時にアプリに表示された金額を現金で支払うシステム。現地通貨を用意したくないからライドシェアを使っているのに……。(そもそも、Uberアプリはドライバーからどうやって手数料を徴収しているんだろう、と不思議になります。)
というわけで、Uberは使えるものの、上記の理由から結局1回しか使わず、CNGリキシャに乗るときの料金目安として使うだけにしました。CNGリキシャや人力リキシャは何度か使うと慣れてきて、以下のような流れでスムーズに利用できました。
1. 目的地のエリア名をGoogleマップで確認して伝える
2. あらかじめUberで料金の目安をチェックして料金交渉
3. 折り合いがついたら乗車して目的に向かう
4. 目的地のエリアに着いたら、指さしでさらに細かくナビをする
5. 目的地付近に着いたら止めてもらい、お金を払って降りる
外国語での交渉は意外と大変そうですが、実はバングラデシュ人の国民性というか性格で、そこまでハードルは高くありません。そのあたりのレポートは次回に続きます!
この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)
世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。
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