台湾の駅弁と言えば! のステンレス製弁当もあります
そのほか、台湾のトラディショナルなステンレス製弁当箱を使った「復古鋼盒-果香海味便當」(699NTD/約3500円)や、レトロなDR2303型をイメージした「鐵博特色便當(DR2203號)」(199NTD/約1000円)を販売。筆者はこの2つを購入しました。
「復古鋼盒-果香海味便當」も約3500円と、駅弁としてはかなり高価ですが、ステンレス製の弁当箱だけでなく、専用のバッグや鉄製の箸とスプーン、そしてカトラリー入れも付属しているので、食べ終わったあとはお土産として使えます。
お弁当は2段になっていて、上段には魚のすり身やトビウオの卵などが詰まったイカの詰め物にアワビ。下段は昆布だしで炊いたご飯に白菜やキクラゲなどが乗っています。
イカの詰め物は、イカの風味が口の中に広がり、噛むとトビウオの卵がプチプチとした食感が楽しい。またご飯は炊き込み、フルーティーな味わいで非常に美味しいです。
「鐵博特色便當(DR2203號)」はメインに大きな鶏のもも肉が入っており、紹興酒、赤ワイン、クコの実、アンゼリカに一晩漬け込んだものを調理しているとのこと。こちらは同宿の人に食べてもらいましたが、台湾らしい味付けで、海外の駅弁として十分に楽しめたとのことです。
駅弁がどれもほんのり温かいのには理由がある
台湾の駅弁は、日本の駅弁とは違い、ほんのり温かいのもポイント。実は台湾では食事は温かいものが好まれます。もちろんや冷菜や涼麺、かき氷といった冷たい料理も人気ですが、中国医学では、冷たい料理や飲み物はカラダに悪いという考えもあり、敬遠されがち。
今でこそ台湾のコンビニでも日本と同じく冷たいおにぎりが販売されていますが、発売当初はかなり販売に苦戦したとのことです。街中には白湯を入れられるウォーターサーバーも良く見かけ、利用している人も多くいます。
日本からの出展も、日本の駅弁をそのままだすのではなく、ほとんどが保温庫を使って温かい状態で提供できる形式にしていました。日本の冷たい状態でも美味しい駅弁もいいですが、台湾式の温かい駅弁もなかなかに美味しい。
やはり温かいものは「料理を食べている」という気になり、満足感も高いです。現地での食体験は、その国の文化や気候にあった食べ方がいちばん美味しくいただけるのではないかと感じました。
筆者が唯一、失敗したなと感じたのは、購入した駅弁を宿に持ち帰って食べてしまったこと。せっかくなら列車に乗って車窓を楽しみながら駅弁を食べれば良かったと後悔しています。次は絶対に「台湾で鉄道旅をしながら駅弁を食べよう!」と、また台湾に来る目的ができました!
この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)
世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。
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