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IBM「Granite」OSS化や「InstructLab」「RHEL AI」「OpenShift AI」など、Red Hat Summit 2024で

レッドハット、生成AI時代のコミュニティ貢献と製品アップデートを発表

2024年06月10日 16時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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OpenShift:LightSpeed発表、VMware環境移行先としてのアピールも

 OpenShiftの製品アップデートについてはまず、前述したOpenShift LightSpeedの機能詳細を説明した。この生成AI機能は、OpenShiftのOperatorとしてインストールすることができ、バックエンドで利用するLLMも選択が可能だ。OpenShift LightSpeed は、2024年後半にテックプレビューが提供される予定。

 また、オープンソースの分散学習フレームワーク(「Ray」「CodeFlare」など)の活用、LLMの推論高速化ライブラリ「vLLM」サポート、マルチベンダー対応のハードウェアアクセラレーション、ニアエッジ環境でのAI実行などの新機能も発表されている。

OpenShiftの利用を生成AIがサポートする「OpenShift LightSpeed」

OpenShift AIではAIアプリケーションの構築/実行環境としての機能も強化

 また、OpenShiftのコンテナ環境に仮想マシン環境を統合する「OpenShift Virtualization」についても、Red Hat Summit 2024では、ユーザー事例の紹介や移行ツールのデモンストレーションが行われたという。レッドハット ソリューションアーキテクトの小野佑大氏は、「以前から搭載されていた機能だが、昨今の仮想化基盤関連企業の買収騒動(BroadcomによるVMware買収)もあり、その移行先としてあらためて注目を集めている」と説明する。国内でも、同製品による仮想マシン基盤移行のPoCを開始した企業が出ていると述べた。

コンテナ環境と仮想環境を統合運用できる「OpenShift Virtualization」への注目が高まっているという

 なお今回は「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」上でのOpenShiftサポートを拡張し、ベアメタルインスタンスである「OCI Compute VM」におけるOpenShift対応を正式公開している。

Ansibleは「ミッションクリティカルな自動化」を宣言、新版を発表

 そのほかの主要製品についてもアップデートが行われた。

 Red Hat Ansibleでは、会期中に併催された「AnsibleFest 2024」において「Mission-Critical Automation(ミッションクリティカルな自動化)」という新たなメッセージが打ち出され、より包括的な自動化環境を提供する方針が示された。

 最新バージョンとして発表されたAnsible Automation Platform 2.5(ベータ版を7月にリリース予定)では、統合UIやコンテナインストーラーの提供、高可用性対応、YAML形式のポリシーが環境に準拠していることを自動監査する「Policy as Code」、Ansible Lightspeedのさらなる機能拡張などを発表している。なお、これまで半年ごとに行われていたメジャーアップデートのサイクルが、1年ごとに変更されることも発表している。

Ansible Automation Platformの最新アップデート概要

ポリシー監査の「Policy as Code」、Ansible Lightspeedのさらなる機能拡張などが発表された

 エッジコンピューティング領域では協業発表を行っている。「Red Hat Device Edge」およびOpenShiftが、ABBの産業向けSaaS「ABB Ability Edgenius」に採用され、大規模なサーバー配置やネットワーク接続などに制約がある場所でのソリューション提供に寄与している。またCodesysとの協業では、産業ロボットを制御するPLCをコンテナ化した「Virtual PLC」を発表している。PLCのリアルタイム性能を維持しながら、リードタイムやダウンタイムの短縮を実現するという。

 「エッジ領域では、OpenShift、Ansible Automation Platform、Red Hat Device Edgeを軸に展開。産業オートメーション分野を中心に、ソフトウェアファーストによる製品提供が行えるようにモダナイゼーションを支援している」(小野氏)

 車載分野への取り組みも発表し“Software Defined Vehicle(SDV)”に関するエコシステムを強化している。これまで車載Linux「Red Hat In-Vehicle OS (RHIVOS)」の開発を推進してきたレッドハットだが、今回はデロイトとの連携により、SDVの開発、システムエンジニアリング、テスト、運用を包括的にサポートするソリューションの提供を発表した。さらに、ルネサスのR-CarソリューションにおけるRHIVOSの採用、RHIVOSで実行する事前統合プラットフォームの実証/提供におけるクアルコムとの技術協業も発表されている。

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