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日本法人 三浦社長も国内の中長期ビジネス方針と直近の重点戦略を説明

レッドハットCEO「顧客がより速く進化できるプラットフォームを提供」

2023年10月12日 07時30分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 レッドハットは2023年10月11日、東京でのカンファレンスイベント「Red Hat Summit:Connect 2023」開催に伴って初来日した米レッドハット 社長兼CEOのマット・ヒックス氏、日本法人 社長の三浦美穂氏が出席する記者説明会を開催した。

 三浦氏は日本市場における中長期ビジネス方針と、直近の2023~2024年に取り組む重点戦略を説明した。またヒックス氏は、あらためてレッドハットの考えるプラットフォームのあり方や直近の注目発表について触れた。

米レッドハット 社長兼CEOのマット・ヒックス(Matt Hicks)氏、日本法人 代表取締役社長の三浦美穂氏

※おわびと訂正:初出時、三浦美穂氏の氏名に誤記がありました。おわびのうえ上記のとおり訂正させていただきます。(2023年10月12日 12:00 編集部)

プロダクトアウトではなく、伴走型で変革を支援していく企業に

 今年(2023年)7月からレッドハット日本法人の社長を務める三浦氏は、まず、前任の岡氏から引き継いだレッドハットのカルチャーを引き継ぎつつ、レッドハットが提唱する「オープンハイブリッドクラウド」のテクノロジーをさらに日本市場で浸透させ、日本企業のビジネスを支援していきたいと挨拶した。

 日本市場における中長期のビジネス戦略として、三浦氏が掲げたのは大きく3点だ。

 まずは「レッドハットのビジネスモデルを継承」。サブスクリプションベースのサービスとして提供することで、顧客企業がオープンソース(OSS)のテクノロジーを活用できるようにする、というビジネスモデルを引き続き展開していく。「これはレッドハットにとって“一丁目一番地”の大事な仕事であり、ここでの成長は盤石なものとして進めていく」(三浦氏)。

 次に掲げたのは「OSS業界への貢献(コントリビューション)と、高い技術力を正しく伝える」こと。特に後者については、日本市場ではまだレッドハットが持つ高度な技術のすべてを顧客企業やパートナーに伝え切れていないと感じており、「メディアやトレーニングプログラムなどを通じて、それを正しく伝えていきたい」と語る。

 最後が「対話による信頼関係の構築」。レッドハットは「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」「Red Hat OpenShift」「Red Hat Ansible Automation Platform」といった製品群を持つが、単にそれらを提供する「プロダクトアウト型の提案ではまったく意味がない」と三浦氏は強調する。

 「レッドハットが提唱するオープンハイブリッドクラウドも、“目的”ではなくお客様の変革を支えるための“技術手段”。お客様やパートナー様が必要としていること、困りごと、そして目指している変革とは何かをきちんとうかがって、そこに寄り添った提案を進められる会社になりたいと考えている」(三浦氏)

三浦氏が掲げた日本市場における中長期のビジネス戦略

 続いて、2023~2024年のより具体的な成長戦略についても説明した。

 まず大テーマとして掲げたのは、「提案の幅を広げ、より多くのお客様に価値を届けるプラットフォーマーに徹する」という言葉だ。

 「『提案の幅を広げ』というのは、レッドハットがまだまだお伝えしきれていない情報やソリューションを、パートナー様を通じてお客様にお届けしたいということ。また『プラットフォーマーに徹する』というのは、われわれはアプリケーションそのものを作る会社ではないので、お客様やパートナー様がアプリケーションを開発するために必要な、便利で堅牢なプラットフォームをきちんと提供する、という意味」(三浦氏)

 この「便利で堅牢なプラットフォーム」の具体的な姿が、レッドハットが提唱するオープンハイブリッドクラウドである。三浦氏は、日本市場におけるその浸透に向けた戦略ロードマップとして「コアビジネスの拡大」「クラウドサービスの確立」「エッジビジネスの基盤」という3つの注力ポイントを挙げる。エッジ関連ビジネスについては、日本市場でも2、3年後に活性化するとの見通しを述べた。

2023~2024年の日本国内における成長戦略

 これら3つの注力ポイントを下支えするものとして「本格的なアジャイルを提供するプロバイダー」への転換も掲げた。これは、アジャイル開発を実現するプロダクトやサービス、技術を提供することにとどまらず、顧客企業内のカルチャーや組織体制、評価方法などを含めた包括的な“アジャイルへの変革”を、伴走型のコンサルティングサービスで支援することを意味しているという。

 そして三浦氏は、こうした成長戦略はレッドハット一社では実現できず、パートナーであるSIerやISVとの協力体制も欠かせないと語った。特に、今後のビジネス拡大のためのターゲットと考える中堅企業層においては、レッドハットの製品やサービスを直接提案するかたちだけでなく、ISVが開発するソリューションに組み込んだかたちでの提案と提供も必要であるとの認識を示している。

 最後に三浦氏は、レッドハットの支援によってビジネス変革を実現した2社の事例を紹介した。関西電力グループのオプテージでは、OpenShiftを採用してコンテナ基盤を導入。顧客ニーズへの柔軟な対応力を高めたという。また第一生命では、大規模なシステム基盤構築作業を自動化する目的でAnsibleを採用し、構築作業の所要時間を80%削減したと発表している。

製品/サービスの提供にとどまらず、顧客企業の“アジャイルな文化への変革”も伴走型で支援していく方針を示した

「顧客がより速く進化できる」プラットフォームを提供していく

 昨年(2022年)7月から米レッドハットCEOを務めるヒックス氏は、エンタープライズ向けにオープンソーステクノロジーを提供するレッドハットのビジネスモデル、現在のコアプラットフォームを構成する3製品(RHEL、OpenShift、Ansible)について簡単に紹介した。

 最近の大きな発表としてはOpenShiftベースのMLOps基盤「OpenShift AI」がある。モデルの開発からAPI提供/モニタリング、GPU環境構築まで、AIアプリケーションのライフサイクル全体をサポートするというものだ。

 「(5月の)Red Hat Summitで発表したOpenShift AIは、これまで数年をかけて取り組んで来たものだ。『ChatGPT』のパワーを体験したユーザーが、自社データを使って同じことをどう実現するのか、レベルアップへの関心がちょうど盛り上がったタイミング(で発表できた)」(ヒックス氏)

5月に発表した「OpenShift AI」の概要(画像は6月の日本法人説明会より)

 OpenShift AIに限らず、レッドハットではエンタープライズ顧客が「より速く進むことができる(進化ができる)」プラットフォームを提供していると、ヒックス氏は強調した。そのうえで、オープンハイブリッドクラウドというビジョンの狙いを次のように説明する。

 「われわれのプラットフォームのゴールは、データセンターでも、パブリッククラウドでも、エッジでも、どこでも同じようにアプリケーションが動く環境を提供することだ。開発者は、このプラットフォームを選択し学ぶことで、圧倒的な選択肢を得ることができ、数多くのユースケースに適用できる。さらには安定した稼働、将来性のある投資といったメリットも持つ」(ヒックス氏)

* * *

 なおヒックス氏は、グローバルな観点から見て、日本を含むアジア太平洋地域には「さまざまな業界で、かなりのオポチュニティ(成長可能性)がある」と述べた。たとえばテレコム業界における5Gネットワーク構築のためのエッジへの投資、自動車業界における車載ソフトウェアやEV、自動運転車までへの投資、さらに製造業では生産プロセスのモダナイズへの投資など、いずれも大きな投資分野になっていると話した。

 「こうしたさまざまな分野において、レッドハットのオープンハイブリッドクラウドというアプローチが非常に大きなインパクトをもたらすと考えている」(ヒックス氏)

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