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「ビジネスモデル」「テクノロジー」「組織/人材」という3つの観点で説明

NECがDX事業の新たな価値創造モデルとする「BluStellar」とは

2024年06月05日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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テクノロジー:「生成AI」「セキュリティ」をキーテクノロジーに掲げる

 2つめの「テクノロジー」では、生成AIやセキュリティの先端テクノロジーに、NECが培ってきたハードウェア/ソフトウェア/ネットワークの技術を組み合わせて実現する「AI & Security」を打ち出している。

 たとえば、NECが開発する生成AIのcotomiでは、業種/業務特化モデルを用意して業務効率化を支援しているほか、秘匿性の高いデータを扱うユーザーを対象にオンプレミス配置が可能な「cotomi Appliance Server」を提供するなど、選択肢を広げている。またセキュリティ領域では、NEC独自の脅威データベースと生成AIを組み合わせることで、高精度な脅威インテリジェンスを従来の半分の時間で生成し、防御力を高めていると説明した。

 なお、サイバーセキュリティ事業を担うNECセキュリティの社長として、警察庁やインターポールといった経歴を持つ中谷昇氏を招へいしており、中谷氏はNECのCSOにも就任した。今後はグループ全体で、高度なセキュリティ知見を持つ専門エンジニア集団を形成することを目指す。

 加えて、NEC社内のR&D部門とビジネス部門のシームレスな連携体制を構築して、先端技術の市場投入を加速させる方針だ。吉崎氏は、R&D部門の要素技術を商品化/サービス化するサイクルを生成AIによって短縮できたこと、今後はさらにそのスピードを速める方針であることを説明した。

NECセキュリティの専門家体制強化、R&D部門が持つ先端技術の市場投入の加速

 デジタルトラスト領域にも注力する。法律専門家やグローバル渉外専門家、レギュレーション専門家などによるデジタルトラスト専門組織を80人体制で構築した。これにより、AIという新たな技術を推進するうえでもガバナンスを効かせて「デジタルエシックス(デジタル倫理)」を強化していくとする。

 生成AIのリスク評価においては、Robust Intelligenceとの連携を発表している。BluStellarを通じて包括的な生成AIサービスを提供する際には、あらかじめリスク評価を受けたモデルを提供するという。すでに先行12社と、リスク評価済み業種特化型生成AIの提供に向けた検討を開始しているほか、NEC社内でもリスク評価をクリアしたAIモデルを3万人の社員が利用しているという。

 Robust Intelligence 共同創業者の大柴行人氏は、同社ではMITREやNISTをはじめとする各国の機関と連携して、AIリスクの研究と標準策定に取り組み、最新の技術や制度に対応したリスク評価を可能にする独自のツールやノウハウを提供していると紹介した。「cotomiへの貢献を通して、パートナーとしてBluStellarを支えていく」(大柴氏)。

Robust Intelligence社と連携し、リスク評価済みの生成AIモデルを提供していく

組織/人材:オープンなエコシステムを通じた共創を推進

 3つめの「組織/人材」では、オープンなエコシステムによる共創を推進する「Collaboration & Co-Creation」を特徴に挙げている。

 ここではまず、AWSやマイクロソフト、オラクル、SAPといったグローバルハイパースケーラーとの戦略的協業を強化する。NECではAWS、SAPをはじめとして多くの専門人材を擁しており、この戦略協業を通じてBluStellarのビジネス拡大を狙う。

 また、BluStellarの関連ビジネスを共創する約400社のパートナー体制を構築。共創プログラムを用意し、NECが持つ顔認証ソリューション、エッジプラットフォーム、ハイブリッドクラウドなどの展開を進めるパートナーコミュニティの拡充も図る。

 NEC社内のデジタル人材育成については、「2025年度に1万人」を目標としていたが、すでに2023年度で1万376人に到達。あらためて、2024年度中に1万2000人を目指すという目標を掲げた。

 さらに、NECが確立した教育体系「NECアカデミー for DX」をおよそ420社に提供し、約3万2500人のデジタル人材を育成したことも紹介した。NECアカデミー for DXは、基礎スキルの獲得と実践力強化を目指す内容になっており、今後もコンテンツのアップデートと拡充を進めると説明した。

グローバルハイパースケーラーとの戦略協業強化、デジタル人材育成

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