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有機EL搭載&真のプロ仕様になったiPad Proに、Apple PencilもProに進化! 春のiPad祭り特集 第18回

【レビュー】絵を描く人にお勧め「iPad Air 13インチ」気になるiPad Proとの差が1カ所……!

2024年06月02日 12時00分更新

文● 村上 タクタ 編集●飯島恵里子/ASCII

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フルラミネーションディスプレイを採用するiPad Air(M2)は、表示面にペン先がついて見える

絵を描くなら、フルラミネーション対応が重要ポイント

 そうした絵師さん、マンガ家さん、イラストレーターさん、画家の方々の目線で今回の新製品を見た場合、非常に魅力的なのが今回のiPad Air(M2)、特に新設された13インチモデルだろう。

 絵を描く人にとって、まず大切なのは「思い通りの線が描ける」感覚が得られることだ。その中で非常に重要になるのが、ペン先と実際に描かれる線のズレがないこと。

 一番廉価のiPad(第10世代)だと、液晶の描画面とガラスの上面の間にわずかな距離がある。

 液晶タブレットのディスプレイというのは、表側からガラス、タッチセンサー、液晶の表示面……という順番に部品が並んでいるので、どうしてもここに厚みを感じることになる。その厚みの分、微妙に思ったところに線が引けないことがある。

 拡大して作業をすれば、若干は問題が解決するが、拡大縮小を繰り返すのは手間だし、一筆で長いストロークを描くようなことができなくなる。

 しかし、(これは従来モデルからだが)iPad Air以上のモデルには、この問題を解消するフルラミネーションディスプレイという技術が導入されている。フルラミネーションディスプレイは、ガラス、タッチセンサー、液晶の表示面が一体化する技術で、液晶表示面がガラスにとても近くなるので、思い通りに線を引きやすい。

 絵を描くのがiPadの利用目的なら、少なくともiPad Air以上を選んで欲しい理由はここにある。

絵を描く人にとってうれしい13インチモデルが登場

 それだけではない。11インチで2360×1640ピクセル、13インチで2732×2048ピクセル、264ppiという高い解像度も、P3色域という広い色域も絵を描くために非常に重要だ。つまり、LEDのドットが見えないぐらいの高い解像度があり、彩度の高い鮮やかな色合いも表現できる液晶を備えているということだ。この部分も、最も廉価なiPad(第10世代)だと、解像度こそ近いものの色域はsRGBまでしかカバーされておらず、十分に鮮やかな赤や緑を表現することができない。

 人間の目というのは不思議なもので、sRGB色域までしか表現できないディスプレイを使っていても、それなりに慣れて、その範囲内で鮮やかさを感じるようになるものだが、やはり、クリエイティブを仕事にするならP3色域をカバーするディスプレイを見ながら作業した方がいい。

iPad Air(M2)なら、sRBGより広いP3色域で、色彩を表現できる

 また、絵を描くなら可能な限り広い作業領域を確保したいもの。筆者が今回のiPad Airを推すのはこの点で、今回のモデルチェンジでは、新たに13インチモデルが用意されている。

 絵を描く時には、全体を見ながら部分を見ることが必要だ。iPadの場合、キャンバスのような巨大な製品は存在しないのだから、基本的には拡大縮小を繰り返しながら絵を描くことになる。とはいえ、なるべく拡大縮小の頻度が少ない方がいいはずで、絵を描くならiPadは大きい方がいい。従来は、iPad Proにしか13インチのディスプレイがなかったので、必然的に絵師さんはiPad Pro一択だったのだが、今回からはiPad Airという選択肢も出てきたというわけだ。

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