メルカリの金融関連サービスを担当する子会社メルコインは5月30日、メルカリのビットコイン取引サービスの口座数が220万件を超え、過去1年間の新規口座開設数で業界トップになったと発表した。
不安を解消して初心者層の支持を獲得
メルカリのビットコイン取引サービスは2023年3月にスタートした比較的新しいサービス。あらかじめ銀行等から送金した現金だけでなく、フリマ機能で得た売上金やポイントを使って仮想通貨を購入できることが、一般的な仮想通貨取引所とは異なる部分だ。
同社によると、メルコインの仮想通貨取引口座の開設数は、サービス開始から約7ヵ月で100万口座、約1年で200万口座を超え、2024年5月16日現在は220万口座に到達。仮想通貨取引の最初の一歩として利用されることが多く、利用者の83%は仮想通貨取引未経験の初心者層で占められているという。
ビットコイン購入者の世代別の比率は、業界全体では40代以上が全体の約7割を占めるのに対し、メルカリでは全世代がほぼ同じ比率で分布。見方を変えると、ほかのサービスよりも20代や30代の支持が強いことがわかる。
メルコインの中村奎太CEOは本件について、「暗号資産は、何となく怖い、難しそう、損しそうという印象を持つ方も多く、「メルカリ」のビットコイン取引サービスは、その不安を解消するために、とにかくかんたんでわかりやすいUI/UXをコンセプトに設計し、まずは持ってみる方を増やしてきました」と発言。当初から初心者層を狙いサービスを設計していたと考えれば、利用者の8割以上が仮想通貨取引未経験というデータも、同社としては狙い通りの結果といえそうだ。
また、中村CEOによると、メルカリの売上金やポイントをビットコインに交換するユーザーも多いとのこと。売上金でビットコインを購入できるというメルカリ最大の特徴も、ユーザーから着実に支持されていることがわかる。
メルカリの仮想通貨事業では2024年2月、ビットコインを使ってメルカリ内で買い物ができるサービスをスタート。5月には仮想通貨「イーサリアム」の取り扱いも開始している。