ASUSは4月26日から、同社のPCパーツにおける新シリーズである「Back-To-the-Future(BTF)」シリーズの国内発売を開始した。
本シリーズは、いわゆる“背面コネクター”を採用したマザーボードと、それとセットで運用することを想定したビデオカード、PCケースのラインアップとなっている。背面コネクターとはその名の通り、マザーボードの背面側に各種コネクターを搭載するもので、昨今一部のメーカーで採用され始めている。
背面にコネクターを搭載すると、PCケースの裏配線スペースから直接ケーブルを接続できる。これにより、表面から見えるケーブルが少なくなり見た目がすっきりするだけでなく、わざわざ表側にケーブルを引き出す必要がないので、配線も楽になるというわけだ。
ASUSのBTFシリーズとして登場した製品は下記の通り。TUF GamingとROGからそれぞれ登場している。
製品名 | 分類 |
---|---|
TUF GAMING Z790-BTF WIFI | マザーボード |
TUF GAMING B760M-BTF WIFI | マザーボード |
TUF GAMING B760M-BTF WIFI D4 | マザーボード |
ROG MAXIMUS Z790 HERO BTF | マザーボード |
TUF Gaming GeForce RTX 4070 Ti SUPER BTF White OC Edition 16GB GDDR6X | ビデオカード |
ROG Strix GeForce RTX 4090 BTF OC Edition 24GB GDDR6X | ビデオカード |
TUF Gaming GT302 ARGB | PCケース |
ROG Hyperion GR701 BTF Edition | PCケース |
製品の概要としては、すでに掲出されているBTFシリーズの発表会記事(https://ascii.jp/elem/000/004/194/4194931/)にて紹介しているが、今回その中からTUF Gamingの製品を借りることができた。
それぞれの製品を紹介するとともに、実際に組んでみてどうなのか、チェックしていきたい。
白さ際立つTUF Gamingのマザーボード
新時代の機能に要注目!
●TUF GAMING Z790-BTF WIFI
実売価格:4万4000円前後
BTFシリーズのマザーボードは4製品あり、TUF Gamingから3製品、ROGから1製品登場している。そのうち、今回はインテルZ790チップセットを搭載した「TUF GAMING Z790-BTF WIFI」を使用した。
Z790チップセットの製品は「ROG MAXIMUS Z790 HERO BTF」と本製品の2つ。どちらもフォームファクターはATXとなる。ROG MAXIMUS Z790 HERO BTFはよりハイエンド構成向けのモデル、TUF GAMING Z790-BTF WIFIはメインストリーム向けのモデルといえる。なお、他の2製品はインテルB760チップセットを搭載するMicro-ATXモデルだ。
TUF GAMING Z790-BTF WIFIの外観は、昨今のトレンドを反映したホワイトカラーのデザイン。通常、表側にコネクターがある場合は外縁部に配置されるものだが、本製品の場合はその部分も白いカバーで覆っている。
基本的なスペックとしては、パワーステージが16+1+1基、メモリーは最大DDR5-7200に対応する。PCIeスロットは、PCIe 5.0 x16スロット×1、PCIe 4.0 x16スロット×1、PCIe 4.0 x4スロット×1。M.2スロットは4基搭載しており、最大でPCIe 4.0 x4動作となる。無線はWi-Fi 7/Bluetooth 5.4をサポートしている。。
そして、TUF GAMING Z790-BTF WIFIの目玉といえば、やはり背面コネクターだ。ATXの24ピンやCPU補助電源、LEDヘッダーやUSB、SATAなどのコネクターを基板の裏側に配置。CPU補助電源が上部にあったり、24ピンがフロント側の側面にあったりと、主要なコネクターの大まかな位置は従来の表側の位置からそのまま背面に移動しているような感じだ。ちなみに、CPUファン/ケースファン用のヘッダーは表側にも1基搭載されている。これはケーブルが届かない場合のためだ。
注目したいのが、PCIe用の補助電源コネクターがマザーボードに搭載されているところ。8ピン×3と、12V-2x6が搭載されている。
これは、今回のBTFシリーズのマザーボードで新採用された「Advanced BTFデザイン」のためのものだ。TUF GAMING Z790-BTF WIFIは、対応したビデオカードと組み合わせることで、補助電源ケーブルを繋げなくてもマザーボードから直接、最大600Wの電力を供給できる。
電力は、最上段のPCIeスロットの横に配置された端子に、後述する対応ビデオカードを挿しこむことで供給される。なお、対応ビデオカードでなくても、普通に補助電源ケーブルをつなぐ従来通りの使い方は可能だ。
また、ASUSのマザーボードでは以前から「PCIe Q-Release」という機構を採用しており、ビデオカードのロックを簡単に外せるようにしていたが、本製品ではこちらにもアップデートがある。
以前はプッシュボタン式のものが基本だったが、TUF GAMING Z790-BTF WIFIの場合は幅広なストッパーを押し倒す形になっている。押せる範囲が広いので、無駄な力を使わずに取り外せるのが嬉しい。