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AMD、大幅安のサーバー向けCPU「EPYC 4004」

2024年05月21日 22時00分更新

文● ASCII

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 AMDは5月21日、Zen 4アーキテクチャを採用した新たなサーバー向けCPU「EPYC 4004」シリーズを発表した。中小企業や小規模ビジネスにおける活用を想定しており、価格は149米ドルから。

「EPYC 4004」は、Zen 4コアを採用する第4世代EPYCとしては3シリーズ目。すでにリリース済みの「EPYC 9004」および「EPYC 8004」シリーズは、どちらもよりハイグレードな製品群だ

 現在AMDのZen 4アーキテクチャを採用するEPYCとしては、すでにクラウド・エンタープライズ向けの「EPYC 9004」、エッジコンピューティングやSMB向けの「EPYC 8004」がシリーズ展開されている。EPYC 4004は、それらのシリーズに比べ大幅に価格を落とすことで、よりエントリーに近いマーケットを狙う製品群という位置づけだ。

 EPYC 9004は最大96コア、EPYC 8004は最大64コアといかにもサーバー向けらしいモデルをラインアップしていたが、EPYC 4004は最大でも16コアと、1CPUあたりのコア数はかなり控えめとなっている。性能・価格的には、同社が2019年から展開していたSMB市場でのRyzen CPUの活用を促進する「Ryzen for Server」の活動を直接的に補完するものと言ってもいいだろう。

Zen 4採用でDDR5-5200 ECCメモリー対応、28レーンのPCIe Gen5サポートなど、中身はコンシューマー向けの「Ryzen 7000」シリーズと同等のスペックだ

 現時点では4コア/8スレッドの「EPYC 4124P」から、16コア/32スレッドの「EPYC 4564PX」まで計8SKUをラインアップ。2チャンネルのDDR5-5200 ECCメモリーを合計容量192GBまで搭載可能で、合計28レーンのPCIe Gen 5をサポートする。また、型番末尾に「X」のサフィックスが付くSKUは、L3キャッシュに「3D V-cache」を搭載したモデルとなる。

 プラットフォームは最新のRyzenシリーズにも採用されているSocket AM5で、デュアルソケットには非対応とのこと。ちなみに、コンシューマー向けのAM5マザーボードとの互換性が確保されているかどうかは確認できなかった。

現時点では8モデルをラインアップ。4コア製品を追加することで、サーバー向けCPUとしては安価な149米ドルから購入可能となっているのは1つのポイントだろう。なお、末尾に「X」が付くSKUが「3D V-cache」採用モデルだ

 価格・性能ともコンシューマー向け製品に近い印象のEPYC 4004シリーズだが、それもそのはず。リリースにはSKUごとの詳細な情報は記されていないものの、公開された製品スペックから推察するに、コンシューマー市場向けの「Ryzen 7000」シリーズをそのままベースにしたCPUである可能性が高い。4コアの「EPYC 4124P」のみRyzen 7000シリーズと対になるSKUが存在しないが、おそらく6コア/12スレッド製品である「EPYC 4244P」のCPUコアを2基無効化したモデルと思われる。

 この価格帯ではインテルの「Xeon E-2400」シリーズが直接の競合となるが、AMDによれば、16コア/32スレッドの上位製品「EPYC 4564P」を1基搭載したサーバーでは、インテルの8コア/16スレッドCPU「Xeon E-2488」と比較した場合、CPU1ドルあたりのパフォーマンスは1.8倍高くなるとのこと。安価なモデルも用意してはいるものの、価格あたりの性能の良さを強くアピールしている格好だ。

 

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