「JAPANNEXT 上総中川駅」誕生の経緯をいすみ鉄道の社長にインタビュー
ディスプレー会社が駅名に!? JAPANNEXT×いすみ鉄道の異色コラボはなぜ実現したのか
提供: 株式会社JAPANNEXT
千葉県の房総半島を東西に結ぶ、いすみ鉄道をご存じでしょうか。JR外房線の大原駅から、上総中野駅までを繋ぐローカル鉄道です。その歴史は明治までさかのぼり、日本国有鉄道(国鉄)の木原線時代を経て、現在は第三セクターの鉄道として運営しています。
本線には、JAPANNEXT本社の「上総中川駅」があり、過去の本社取材記事(参考記事:山を開墾する案も!? ディスプレー会社JAPANNEXTは、なぜ田舎の廃校を本社にしたのか)にてチラっと紹介させていただきました。
そんなわけで、JAPANNEXTとも浅からぬ縁のある鉄道である、という認識はあったのですが、この度その両社の間で驚きの施策が実施されました。JAPANNEXTが上総中川駅のネーミングライツを取得し、「JAPANNEXT 上総中川駅」としてリネームしたのです。
のどかな沿線の駅名に、突如として登場する“JAPANNEXT”という文字はなかなかのインパクトです。JAPANNEXTによれば、国内の液晶ディスプレー製造メーカーとしては鉄道駅のネーミングライツを取得したのは初めてだそうです。まあ、聞いたことはないですよね。
さらに、今回の施策を記念したJAPANNEXTラッピングトレインも運行しているとのこと。そんな珍しい取り組み、両社の間でいったいどんなやり取りがあったのでしょうか? いすみ鉄道の代表取締役である古竹 孝一氏に、今回の施策を行なった経緯についてお聞きしました。
都心から2時間、大原駅のいすみ鉄道乗り場へ
東京から、電車に揺られることおよそ2時間。JR線といすみ鉄道の交わる大原駅に到着。大原駅は無人改札ですが、売店などを備える雰囲気のある駅です。
いすみ鉄道は、JR線を降りて異なるホームから乗ります。今回インタビューはこのホームで受けることになりました。というわけで、自動券売機から切符を買ってホームに向かうと目にしたのは……。
熱心にいすみ鉄道の看板を掃除する古竹氏の姿でした。社長自ら少しでも駅を美しくしようとする姿勢、感服いたしました。そんな古竹氏に、今回の施策を実施した経緯をお聞きします。
――本日はよろしくお願いします。今回、JAPANNEXTさんが上総中川駅のネーミングライツを取得された経緯についてお聞かせください。
古竹氏:まず、JAPANNEXTさんと最初にご挨拶させていただいたのは、廃校を購入して本社を移転された際に、「何か手伝えることはありますか?」とお声がけいただいた時でした。そこで、沿線の菜の花の保全活動をお手伝いいただき、その時にネーミングライツのお話をしてJAPANNEXTさんのほうでも盛り上がっていただいて……という流れでした。
――最初の取り組みから、すでにネーミングライツのお話をされていたのですね。
古竹氏:そうですね。いすみ鉄道はローカル線なので、他社さんとの取り組みをする時はこちらからお声がけさせていただく場合が多いのですが、JAPANNEXTさんの場合は向こうからご提案いただけるのが嬉しいですね。
――JAPANNEXTさんのほうからお声がけされたのですね。
古竹氏:なかなか新しい企業さんが入ってくることが少ない地域なので、地元の企業さんが盛り上げてくださるような施策というのも必要なんじゃないかと思っています。そうした中で、JAPANNEXTさんのように積極的に盛り上げてくださる姿勢というのはありがたいですね。
――最初、廃校を購入された企業というお話をお聞きした際は率直にどのような印象を持たれたのでしょうか?
古竹氏:JAPANNEXTさんの入られている校舎は最寄駅がいすみ鉄道の駅で、何か一緒にできたらいいなとは思っていたので、お声がけいただいた時は嬉しかったですね。やっぱり離れた地域の企業さんと組んで何かやるというのも、人の行き来がしづらくて連携がとりにくかったりするので……。
――ラッピングトレインのお話も、駅のネーミングライツと同じタイミングで相談されていたのでしょうか?
古竹氏:そうですね。あれこれと相談させていただいて、できそうなことはどんどんやっていこうという姿勢でやっています。
――それだけ積極的に施策を展開されるのには、何か理由があるのでしょうか?
古竹氏:やっぱり鉄道というと、ちょっと近寄りがたいというか、ハードルが高いイメージがあると思うのですが、今回のJAPANNEXTさんとの取り組みを通じて、「こういうこともできるんだ」というイメージが広まればと思っています。企業さん側にもメリットがあるというのを実証できれば、他の企業さんにとっても入りやすいので。
――実際に、どんなメリットがあるとお考えですか?
古竹氏:都心の駅で何かコラボ企画とかをしようと思うと、結構お金もかかってしまうと思うのですが、うちであれば比較的リーズナブルにそういった企画ができるというところですね。それで、PR面でお互いにメリットがあるようにできればと思っています。
――地方の鉄道を盛り上げる施策において、様々な手法を模索していらっしゃるのですね。
古竹氏:そうですね。うちは第三セクターの鉄道なので、あまり羽目を外した企画というのはやりにくいところもあるのですが、PRになる施策を、企業さんのメリットにもなる形で実現できればと思っています。
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