第16回
iPhone 15 Pro Maxでもやや不安定「Call of Duty: Warzone Mobile」のフレームレートを調査
美麗だが負荷も高い最新タイトル「Call of Duty: Warzone Mobile」
スマートフォンの性能が機種によって大きく異なるのは、周知の通り。性能の向上により、スマホでゲームを遊ぶする人も一昔前に比べればずいぶん増えた印象だが、新作スマホゲームは高品質化が著しく、リッチなタイトルを快適にプレイするにはそれなりのスペックが必要になる。一方、実際に最新スマートフォンでゲームをプレイした場合、どの程度のフレームレート(1秒あたりの画面描画回数。多ければ多いほど映像がなめらかになる)が出るか、よく分かっていないという人も多いのではないだろうか。どうせなら滑らかな画面で遊びたいところだ。
本連載「スマホゲームfps計測レビュー」では、実際にスマホゲームのプレイ時のフレームレートを計測し、最新スマートフォンにおける人気ゲームの快適さの度合いをチェックしていく。
今回は検証用に、日本での普及率も高いApple「iPhone」シリーズのハイエンド機「iPhone 15 Pro Max」を用意した。
検証するゲームは、3月21日にサービスを開始したばかりの「Call of Duty: Warzone Mobile」だ。基本プレイ無料のバトルロイヤルゲームである本作は、最大120人のプレイヤーが参戦可能な大規模戦闘が特徴で、オペレーターや武器はもちろん、乗り物やバリエーション豊かなマップが登場。ゲームエンジンはPC版で使用されたものをそのまま流用しており、モバイルゲームでも屈指のビジュアルの美しさも見どころだ。最新のiPhoneで、どれほど快適にプレイできるかは気になるだろう。
さっそく「iPhone 15 Pro Max」を使用し、モバイルゲームのフレームレート計測アプリ「GameBench」でゲームの動作を確認した。なお、計測時のゲームバージョンは3.3.4。ゲーム開始直後のチュートリアル時におけるフレームレートを計測している。
本作ではゲームの解像度やフレームレートなど、負荷に関わる設定を個別に変更できる。ここでは画質プリセットにもっとも高画質となる「最高」を選択し、パフォーマンスの最適化を「フレームレート」、最大フレームレートは「上限なし」とした。
画質プリセットは端末ごとに適用上限・下限がある程度決められているようで、iPhone 15 Pro Maxでは「高」あるいは「最高」のみ適用できるようになっていた。最高設定の適用には、現行機種の中でもかなり高性能なスマートフォンが必要になるようだ(PvPタイトルなので、画質を下げられないのもそれはそれで困るのだが……)。
さて、計測では平均フレームレートがおおむね60fpsに張り付いており、最高の画質設定でも快適な動作が可能であることが確認できた。フレームレートの安定性は73%とそれなりのブレが見られるが、ゲーム中は広いフィールドを動き回るうえ、キャラクターやオブジェクトの表示数もシーンごとにバラつきがあるなど、負荷が変わりやすい影響もあるだろう。CPU使用率は計測上164%前後、GPU使用率も77%前後と、特にCPUに対する負荷が大きいことが分かる。
本作はコンシューマー・PC版に迫るグラフィックスやゲームプレイ体験を堪能できる反面、画質プリセットが自動的に絞られる都合もあり、高い画質で存分にゲームを遊ぶためには相応のスマートフォンが必要になる。iPhone 15 Pro Maxに限って言えば、基本的には画面のカクつきはなく快適にプレイできるものの、負荷が高いシチュエーションではフレームレートが安定しない場合もあるなど、決してパフォーマンスに余裕があるわけではない。最新iPhoneのハイエンドモデルでもこの調子なので、本作の負荷は非常に高いと判断していいだろう。
iOS版の要件はiOS 16.0以降としか記されておらず、低画質~中画質でよければミドルスペック程度の端末でもゲームは可能だと思うが、比較的新しい端末、あるいはゲーミングスマートフォンなどを用意しておくに越したことはなさそうだ。
先に述べた通り、リッチなグラフィックスを採用したスマホゲームは年々増加している。現行端末ではゲームの動作が重い、もっと快適にゲームをプレイしたいという人は、一度自分のスマートフォンの状態を確認してみるのもいいのかもしれない。
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