ディスクリートDAC搭載に進化、デスクサイズの単品USB DAC
ティアックはデスクトップにも置けるほどコンパクトな「Reference 500」シリーズの最新モデル「UD-507」を参考出品。USB DACやヘッドホンアンプ機能を備えた単品コンポ。実売30万円弱で、夏ごろの発売を目指して開発中だという。
ポイントはブランド最上位機「UD-701N」と同様、オリジナル開発のDACを採用していること。従来は旭化成エレクトロニクス(AKM)製のチップを使用してきたが、音にこだわれる独自開発のディスクリートDACに変更している。構成は基本的にUD-701Nと同じで、抵抗を小さくしたり、共用部品を使用するなどしてフットプリントを小さくしているという。音場の奥行きや高さ、リニアリティの良さ、階調表現などにこだわりがあるとのこと。回路としては同じでも、電源やシャーシの規模感が音のスケールに関係するというが、このサイズの機種としてはかなり本格的なものと言える。
なお、以前のイベントでも展示されてきた「HA-507」との組み合わせも楽しめた。アナログヘッドホンアンプで、UD-507内蔵のアンプで聞くとダイレクト感が強いが、HA-507を通すとサウンドステージがより広く、高域から低域までのつながり感がよくなる。ワンランク上のサウンドが楽しめるという感想だ。クロックジェネレーターなども追加してシステムアップしていく楽しさもあるだろう。HA-507の発売も夏ごろを予定しており、価格的にも30万円弱と同程度になるそうだ。
Ferrumはデスクトップサイズで比類ない高機能を提供
Ferrum Audioの「WANDLA Golden Sound Edition」は、海外のレビューサイト・ゴールデンサウンドのキャメロン・オートリー氏とコラボした、WANDLAのバリエーションモデル。内蔵する「SERCE」の計算能力を活用して、複数の新機能を盛り込んだフラッグシップDACだ。海外価格は3295ドル。
基本機能は踏襲しているのだが、ソフトウェア処理で他社が取り組んでいるものを含む、最先端の機能を利用できるのが特徴。例えば、デジタル・ヘッドルーム処理機能は、フル出力に近いレベルの信号を扱う際にサンプル間のピークが0dBを超えてしまうことによってパススルー時に歪みが生じることを避ける機能。Benchmarkなどの製品も近い機能を搭載している。また、偶数の高次高調波を追加することで真空管アンプの特性に近い音にするチューブモードなども搭載している。
ほかにも従来の欠点を回避しつつ、サウンドステージを拡大し、音楽要素間の分離を明瞭にする独自技術スペーシャル・エンハンスメントをヘッドホンとスピーカー、それぞれの動作モードで利用できる。カスタマイズされた2バンドEQで、低音を強調するだけでなく、さらなる躍動感と雄大さを提供するインパクトプラス機能、10Vrms弱の出力から4Vrms弱の出力に切り替える新たな電圧調整機能を搭載し、専用のハードウェア分圧器によってデジタルボリュームコントロールや信号経路上のアナログボリュームコントロール部を使用せず、他のアンプと互換性を確保した音量調節が可能になることも特徴だ。
人気のZEN DACの新製品
USB DACでは、iFi audioのZENシリーズ第3世代「ZEN DAC 3」が発売後好調な売れ行きとのこと。実売価格は4万円台前半。USB DAC機能を持つヘッドホンアンプでDSD512やPCM768kHz、MQAのフルデコードにも対応する。USBバスパワーで動作するが、より高品位なオーディオ再生を実現するために、DC入力も持つ。外部電源を用いた高音質化も可能だ。
また、Lotoo LTTP Transmitter WT-1(仮)は、Lotoo製のプレーヤーとスマホやPCなどのソース機をロスレスの無線でつなぐための周辺機器だ。現時点では写真の「Mjolnir」のみが対応している。専用方式とすることで、高精度なクロック管理、最大96kHz/24ビットのハイレゾ伝送、最大48kHz/24ビットのロスレス伝送が可能とのこと。
この連載の記事
-
第5回
AV
ASMRってどう作られる? リアル声優さんの演技を目の前で見ながらイヤモニで聴くイベント -
第3回
AV
もう対応? LC3plusで接続できるAKGの新製品「N5 HYBRID」と「N9 HYBRID」 -
第2回
AV
春のヘッドフォン祭 2024を歩く、予想外の新製品で人がにぎわう -
第1回
AV
春のヘッドフォン祭 2024開幕、魅力的なポータブル新製品が続々登場!! - この連載の一覧へ