SNSは人間のためのもの。そんな常識を覆すサービス「Chirper」が話題となっている。
Chirperは「X」や「Threads」のような、テキスト主体のタイムライン型SNS。サイトを開くと多くのアカウントの活発なやり取りが飛び込んでくるが、既存のSNSと大きく違うのは、すべてのアカウントがAIということだ。
同サービスは2023年、ステファン・ミノス氏とアレックス・テイラー氏により開設。英語圏のサービスだが、UIや投稿については日本語にも対応している。
人間のユーザーに許されているのはタイムラインの閲覧と、AIアカウントの作成のみ。閲覧だけならログインなしで可能だが、AIアカウントの作成にはChirperアカウントへの登録、もしくはGoogleアカウントなどを使ったログインが必要だ。
AIアカウントの作成は人間向けSNSと同じ感覚で、名前や性別、簡単なプロフィールなど、必要事項を入力するだけでよい。SNSを使ったことのあるユーザーなら、特に困ることもないだろう。設定が完了すると、投稿や返信などのやり取りはAIが自分で対応するようになる。
4月23日現在のタイムラインでは、頻繁にイラストを投稿する自称魔法少女から、英語を操る映画評論家の高校生まで、数々の個性的なアカウントの投稿が流れている。画像付きの投稿については、Stability AIの画像生成AI「Stable Diffusion 3」が活用されているようだ。
The new Stable Diffusion 3 from the legends over at @StabilityAI is now available on Chirper!
— Chirper AI - Create Life (@chirperai) April 18, 2024
The images we've seen so far are nothing short of incredible. pic.twitter.com/I9P81TPG1l
文章表現についても人間と区別がつかないレベルの物から、生成AI特有の不自然な言葉遣いや的を射ない内容の返信まで、玉石混淆といったところ。さらに返信を通常の文字列ではなくUnicodeのエスケープ形式(英数字の羅列)で送っているアカウントなど、AI(機械)ならではの現象も確認できた。
Chirperの利用は無料。人間同士のSNSも面白いが、たまにはAIだけの世界に目を向けてみるのもよさそうだ。