本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「クラウド型カメラの新たな使い方を提案!ソラカメの新機能「ライブ視聴見放題」ご紹介」を再編集したものです。
こんにちは!クラウド型カメラサービス「ソラカメ」のセールス/事業開発リードを担当しております高見(ニックネーム:yuu)です。
ソラカメは2022年5月のリリース以降、一貫して「映像をクラウドへ蓄積、そのデータをスマホアプリやAPIを通じて利活用する」という使い方を提案してきました。現在では「クラウド常時録画」そして、映像の大きな変化があった時に記録をする「クラウドモーション検知 “無制限” 録画」という2つのライセンス=使い方を提供しています。
これらに共通しているのが、クラウドに蓄積したデータの視聴(ダウンロード)可能時間です。カメラ1台あたり月間で72時間(=3日)分が視聴でき、また、追加の費用をお支払いいただくことで、さらに視聴時間を長くすることができます。
ソラカメの利用シーンが増えたことで、さらなるご要望をいただきました。具体的には「現場のライブ映像を、時間の制限を気にせず視聴したい」といったものです。そこで、ライブ視聴に特化した機能として2023年12月にリリースしたのが「ライブ視聴見放題」です。
これまでのクラウドへの常時録画とは趣が異なり、新たな使い方としてご提案できる機能であるため、改めてこの記事でご紹介したいと思います。
ライブ視聴見放題とは?
ライブ視聴見放題とは、ソラカメの新しいメニューです。ソラカメ対応カメラに付与いただくことで、そのカメラで「ライブ視聴見放題」機能が使えるようになります。
ライブ視聴見放題には、クラウドへの録画の時のような視聴時間の制限はありません。文字通り “見放題” です。金額はカメラ1台につき月額990円(税込)となります。
導入方法は2つです。
1つ目が、すでにクラウドのライセンスが付与されているソラカメへ「ライブ視聴見放題」を追加いただく方法です。これで「クラウド録画」と「ライブ視聴見放題」の両方が使えるソラカメになります。
2つ目が、「ライブ視聴見放題」 “だけ” を付与いただく方法です。この使い方は、ソラカメをライブカメラとして使いたい方には、お得に導入いただけるパターンでしょう。
ライブ視聴見放題の技術解説
ライブ映像は、MPEG-DASHのストリーミング動画とJPEG形式の静止画で取得いただけます。ストリーミング動画の視聴環境はSORACOM ユーザーコンソール上の他、dash.js といった再生ライブラリでご利用いただけます。JPEG形式の静止画は、現在のところAPI経由でのみご提供です。
より詳細な仕様や制限については、こちらでご確認ください。
ライブ視聴見放題のユースケースや利点
ライブ視聴見放題の利点は以下の通りです。
- ストリーミング動画、及び、静止画が無制限に利用できる
- 録画をせずカメラから直接データを取得するため、タイムラグが少ない
- 視聴中のみ通信するため、通信回線の圧迫が少ない
ライブ視聴見放題が適しているユースケースには、以下のようなものが考えられます。
- カメラの映像を”特定の時間”、ラグの少ないライブ映像でモニタリングしたい。
- 定期的に静止画を取得し、生成AIなどで画像解析することでデータ収集・活用につなげたい。
SORACOMユーザーコンソールでの操作
SORACOMユーザーコンソールで利用できる「ライブ視聴見放題」の主要な操作は、以下の通りです。
- カメラ1台のライブ映像を視聴する
- カメラがATOM Cam Swingの場合、カメラの首振り(パン、チルト)制御ができる
- 複数台カメラのライブ映像を視聴できる
複数台を同時に表示する場合、通信回線もその分同時に利用することになるため、ネットワークの帯域にはご留意ください。
ご利用開始までの手順をご紹介
ライブ視聴見放題は2024年4月現在 Limited Preview でのご提供サービスです。ご利用に際して目的や使い方などを申請をいただき、当社からのご案内で利用いただけるようになります。
ここでは、その手順をご紹介いたします。
- Limited Preview 申請ページ(こちら)より申請する。(まだSORACOMアカウントをお持ちでない場合、アカウントの作成のご案内が表示されますので、アカウント作成をお願い致します)
- ソラコムより承諾事項を記載したメールが届く
- お客様より内容確認の上、同意する旨メールでご返信頂く
- ソラコムにてお客様アカウントにて「ライブ視聴見放題」を利用できるよう設定変更を実施し、メールにて作業完了のご連絡をする。この際に、APIご利用ガイドをお渡しします。
- お客様にてSORACOMユーザーコンソールまたはから各カメラに有効化設定をし、ご利用開始頂く。(各カメラに有効化申請しご利用されますと自動的に月額990円(税込)/台の課金が発生致します)
※ SORACOMユーザーコンソールでの利用方法はこちら。
FAQ
最後によくあるご質問についても回答をご紹介させて頂きます。
- 質問1: ライブ視聴見放題はずっと再生できますか。
- 回答1: いいえ、できません。1時間に1度、SORACOMユーザーコンソールから操作またはAPIをコールし直して頂く必要がございます。利用時間は無制限です。
- 質問2: SORACOMユーザーコンソールで表示するカメラの台数に制限はありますか?
- 回答2: 仕様上の台数制限はありません。ただし、ライブ映像を利用するためには通信帯域(最大上り4Mbps/台)、通信遅延が安定していることが必須です。参考までにWi-Fiの場合、同一のWi-Fiアクセスポイント配下にカメラを設置する場合、1~2台程度を目安にお考え下さい。カメラがバラバラに様々な拠点に設置している場合は、ネットワークへの負荷も分散するため、閲覧端末(PC等)が接続している通信環境が安定していればそれ以上閲覧することも可能です。
- 質問3: フレームレートやビットレートを制御できますか?
- 回答3: フレームレートについては制御できません。ビットレートについてはカメラの画質設定をSORACOMユーザーコンソールまたはAPIから変更することで間接的に落とすことは可能ですが、直接ビットレートを指定して制御することはできません。画質は、Full HD(High), SD(Medium), 360p(Low)の3段階あります。なお、どの画質を選択しても画素数は1920×1080で固定となっています。
- 質問4: ライブ映像のタイムラグはどの程度ですか?
- 回答4: ネットワーク状態に依存するため、一概にお答えすることができません。目安として、通常は数秒〜10秒程度とお考え下さい。ただし、それ以上のラグが発生することもございます。予めご了承下さい。
- 質問5: ライブ映像の音声をOFFにすることはできますか?
- 回答5: いいえ、できません。音声OFFにしたい場合は、クラウド常時録画ライセンスをご利用下さい。ATOMアプリにて録音設定をOFFにすることで、録画映像の音声をOFFにすることが可能です。そこから録画映像のストリーミング再生をSORACOMユーザーコンソールまたはAPIからご利用下さい。
いかがでしたでしょうか?
これまでソラカメは、常時録画サービスがメインのサービスであると認識されていた方も多かったのではないでしょうか?今回ご紹介した「ライブ視聴見放題」の活用で、ライブで映像をWEBやAPI連携で確認したかった方、より手軽にカメラ x AIの活用を行いたい等、さらにソラカメがお役に立てるシーンがグーンと広がったと思います。
これからもクラウド型カメラサービス「ソラカメ」は、日々新機能リリースや既存機能の改善を実施して参りますので、今後とも何卒宜しくお願い致します!!
― ソラコム 高見 (yuu)
投稿 クラウド型カメラの新たな使い方を提案!ソラカメの新機能「ライブ視聴見放題」ご紹介 は SORACOM公式ブログ に最初に表示されました。
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