前月比1.75倍、直近5ヵ月間の最多件数に!
詐欺師が本気を出してきた!?
フィッシング対策協議会に寄せられる報告をまとめた2024年3月分の「フィッシング報告状況」によれば、「報告件数」は前月より4万1661件増えて9万7163件となりました。
旧正月に伴う謎の減少傾向から一転、約75.1%も増加しました。報告数全体の約31.8%を占めたのは東京電力とAmazonを騙るフィッシングで、ほかにイオンカード、三井住友カード、メルカリ、ETC利用照会サービスを騙るフィッシングと合わせて全体の約66.7%に達しているとのこと。また、1000件以上の報告があった15ブランドで全体の約90.5%を占めています。
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直近5ヵ月間で最も報告件数が多い月となりました。前月、急減から右肩上がりで増え続けた2023年上半期の状況を紹介しつつ、「油断は禁物」と書きましたが、実際油断ならない増え方をしています。
分野別では、クレジット・信販系が約34.7%、EC系が約25.6%、電力系は約15.9%、オンラインサービス系約7.8%などで、前月と比べるとEC系および電力系の割合が急増しています。これはそのままAmazonと東京電力を騙ったものと思われます。
誘導先のURL件数がほぼ倍にまで急増!
一方、フィッシングメール/SMSからの誘導先(偽Webサイト)にあたる「URL件数」も、前月から2万240件増えて4万4228件にまで急増。たった1ヵ月でほぼ倍(約84.4%増)になってしまいました。なお、フィッシングに悪用された「ブランド件数」は、前月より17ブランド増加して87件に。これも2023年4月以来の大幅増です。
春は引越しなど生活に大きな変化が訪れる季節です。そしてこのタイミングは悪意ある人たちにとって絶好の機会でもあります。
新しい環境への適応や各種手続きに追われるなかで、“電気料金が未払いです”“引越しの手続きが済んでおりません”“●●サービスへのご登録、ありがとうございます”などといったメールやSMSを目にした瞬間、背中がヒヤリとする人は多いでしょう。思わず文中リンクをタップしたくなる気持ちもわかります。
とは言え、東京電力を騙ったフィッシング詐欺が急増していることからもわかる通り、3~4月は新生活にまつわる公共料金や各種行政を騙る詐欺が急増します。あらゆるメール・SMSはまず疑うことから始めましょう。文中リンクのタップは避けて、自力で検索した公式サイトから問い合わせることが(忙しい時期に面倒かもしれませんが)対策になります。
今後も怪しいメールやSMSを受け取ったら、可能ならばフィッシング対策協議会に報告すると良いでしょう。