イマジネーションあふれる指示方法、ただ曖昧だからいいという面も
プレイリストの具体的な作成方法を見ていこう。
まずアプリの右上にある「+」ボタンをタップして「AI Playlist」を選択する。そうすると、プリセットされたプロンプトを選択したり、自分でプロンプトを入力したりできる。プロンプトを送ると、多少の待ち時間があって、完成したプレイリストが提示される。このプレイリストは手動での編集(曲の取捨選択)も可能だが、「もっとポップに」とか「アップビートを抑えて」など、指示内容をブラッシュアップしていくことで、自分に合ったものに変えていくこともできる。
使い方の動画を見ると、「an indie folk playlist to give my brain a big warm hug」(私の脳を暖かくハグしてくれるインディー・フォークのプレイリスト)といったフレーズではなく、文頭に「Make me」(作ってください)といった言葉を付け、「Make me an indie folk……」といったAIに話しかけるような自然な体裁の文章になっている。詳しくは分からないが、自然言語を理解できるAIエンジンが搭載されているようだ。
最初にあげた例などをみても分かるように、創造的で自由な文章を入力できるのが面白い。とはいえ、生成AIには誤った答えを返す幻覚問題がある。100%正確な答えを要求するよりも、正解のない創造的な使い方をする方が、現時点のAIの使い方としては向いているとも考えられる。
Spotifyは、今後数ヵ月をかけて、機能の改良を続けていく意向だ。日本語のプロンプトが使用できるようになるかは不明だが、期待できる新機能だと言えるだろう。また、競合となる「Apple Music」などのサービスが同様の機能を出してくるのかどうかも注目したいところだ。
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