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NTTデータ顧客への提案強化、CX領域で3年後に500億円の売上拡大目指す

NTTデータとテラスカイが資本業務提携、Salesforce技術者で国内最大規模に

2024年04月15日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 NTTデータとテラスカイは2024年4月12日、資本業務提携を発表した。NTTデータがテラスカイ株式の20.12%を取得するとともに、Salesforceに関する事業で協業する。これにより、Salesforceの国内パートナー企業として、エンジニア数とライセンス再販規模においてナンバーワンのグループになる。

 NTTデータはCX(Customer Experience)領域において、3年後に500億円の事業規模の拡大を目指す一方、テラスカイグループ全体で、3年間合計で170億円以上の売上高創出を目指す。

NTTデータ 取締役常務執行役員 テクノロジーコンサルティング&ソリューション分野担当の冨安寛氏(右)、テラスカイ 代表取締役社長の佐藤秀哉氏(左)

両社協業の概要。CX領域で3年後に500億円の売上拡大を目指す

 NTTデータ 取締役常務執行役員 テクノロジーコンサルティング&ソリューション分野担当の冨安寛氏は、提携の狙いについて、「Salesforceの認定資格保有数は、NTTデータは国内6位、テラスカイは国内2位。両社が協業することで、日本で一番となる4670個の資格数を持つことになる。協業を通じて国内ナンバーワンのSalesforceエンジニアグループを目指す」と抱負を述べた。

 また、テラスカイ 代表取締役社長の佐藤秀哉氏は、「国内外のNTTデータの顧客に対して、Salesforceの導入を加速するほか、顧客のDX戦略をエンドトゥエンドでサポート。さらに、相互のブランド力や人材育成システムをベースに、デジタル人材の獲得、拡大を加速する。また、APACを中心にしたグローバルマーケットの展開を拡大したい。今回の資本業務提携は、両社にとってプラスになると、固く信じている」などと期待を語った。

3年間で5倍の増益目指す、資本提携の概要

 今回の資本提携においては、NTTデータが、NTTテクノクロスが保有するテラスカイ株式10.76%を、東京証券取引所の立会外取引により譲受。加えて、市場買付により5.21%の株式を取得し、合計で15.97%を取得する。ここでの取得金額は30~40億円を想定している。

 これに加え、NTTデータは条件付きで新株予約権を行使して、20.12%にまで取得比率を高める。この条件とは、テラスカイが、2025年2月期~2027年2月期のいずれかの事業年度において、営業利益が一度でも25億円を超過した場合に行使できるというもの。25億円に到達しない場合は、新株予約権の行使は“白紙”となる。

今回の資本提携の流れ

 テラスカイの最新年度(2024年2月期)の営業利益は5億2200万円であり、今後3年間のうちにおよそ5倍に増益する必要がある。こうした条件を付けた理由について、テラスカイの佐藤氏は「成果が出ないまま提携をするのではなく、結果を出したうえで持分法適用会社になる。このスキームとしたのは、緊張感を持って提携を行っていくことが狙い。3年間で25億円まで持っていくことが私の責務だ」と説明した。

 また、NTTデータの冨安氏は「利益だけを伸ばしてもらうのではなく、売上高も伸びないと、NTTデータのSalesforceの業績が伸びない。テラスカイの事業方針は変わらないということを認識したうえで今回の提携につながっている」と述べた。なお、テラスカイでは今後、NTTデータから非常勤取締役1名を受け入れる。

NTTデータの顧客基盤に対するSalesforce提案強化

 NTTデータでは、2024年度から「5つの変革テーマ」を掲げて事業を推進しており、そのひとつがCX領域の変革だ。今回の業務提携は、その動きに基づくものとなる。

 「CX領域はSalesforce CRMの利用がデファクト化しており、Salesforceの提案体制を強化しなければ、日本をはじめどのリージョンでも勝つことはできない。NTTデータは、4年連続でSalesforceのPartner Innovation Awardを受賞しており、日本でも国内ナンバーワンのリセールパートナー。27カ国で4000人のエンジニアを擁しており、日本でも多くの導入実績を持つが、これをさらに伸ばしていきたい」(NTTデータ 冨安氏)

 一方のテラスカイも、幅広い業種や業態、企業規模で1万8000件以上のSalesforceプロジェクト実績を持っており、Salesforceの技術系最上位資格者の在籍数は国内1位、Salesfoce MVPが3名、認定テクニカルアーキテクトは国内認定者18名中の5名が在籍するなど、優秀なエンジニア集団を構成している。NTTデータでも、テラスカイの高い技術力を評価しているという。

 「NTTデータは、公共、金融、法人分野に多くの顧客基盤がある。そこに対して、Salesforceを提案するほか、NTT独自の生成AI(LLM)であるtsuzumiの活用提案も進める。また、テラスカイが持つSalesforce専業事業者としての実績をNTTデータ社内に反映してもらうことで、Salesforceでは実績が少ないという市場の声を払拭したり、技術者レベルの引き上げを行ったりしたい」(NTTデータ 冨安氏)

NTTデータのグローバルでのSalesforceビジネスの実績

NTTデータ、テラスカイそれぞれの国内Salesforceビジネスにおける実績

 両社では、金融、ユーティリティ、交通などの特定インダストリーに絞った共同サービスを企画。まずは金融分野から手掛ける考えを示した。また、生成AIを活用した新たなサービス企画の提供、国内Salesforce人材の獲得と育成、APACを中心としたグローバル展開を進める。

 「Salesforceは、データクラウドとAIを重点戦略にしている。また、Einsteinは、Salesforceに蓄積したデータをAIで解析し、CRMやSFAを効果的に活用できるようにしている。この戦略に則りながら、tsuzumiやOpen AIの適用により、日本向けのサービスをテラスカイとともに作っていく」(NTTデータ 冨安氏)

両社協業で実現できるテクノロジー領域

 またテラスカイの佐藤氏は、両社がSalesforceの提案や開発において補完関係を構築できることを説明した。

 「テラスカイは、大手企業の(システムの)フロント部分が得意であるのに対して、NTTデータは基幹システムを担っており、補完できる関係にある。テラスカイの認知度はまだ低いが、技術力では役に立つことができると考えており、国内外のNTTデータの顧客に対して、Salesforceの導入を加速していきたい。また、Salesforceの運用支援やSoEの構築、開発内製化支援などでも貢献できる。Salesforceの高度な利用提案や、NTTデータの人員だけではニーズに応えられないようなところを手伝っていきたい」(テラスカイ 佐藤氏)

 たとえば金融分野において、SalesforceのFinancial Services CloudおよびExperience Cloudと、CRM Analyticsを組み合わせることで、地域金融マーケット、行員・職員ポータル、顧客データの分析を通じたDX化支援を進めることができると述べた。

 そのほか、テラスカイが持つグループウェア「mitoco」の販売強化に加えて、タイやマレーシア、インドネシアなどを中心にしたグローバル展開、Salesforceに対応した海外でのサポートセンターを開設する計画も明らかにした。

両社協業で狙うビジネステーマ

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