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西田宗千佳の「AIトレンドトラッキング」 最終回

“生成AI元年”が終わり、ビジネスへの実装段階になってきた

2024年04月04日 07時00分更新

文● 西田宗千佳 編集●ASCII

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アドビ 生成AI「Firefly」、同じレイアウトで複数の画像バリエーションを生成可能に(3月27日)

 筆者は3月26日(アメリカ時間)から、米・ラスベガスで開催されていた「Adobe Summit 2024」を現地取材していた。Adobe Fireflyの新機能もここで発表されている。

 Fireflyはちょうど1年前にスタート。以来65億枚以上の画像を生成しており、利用拡大は好調だ。

 とはいえ、マーケティングなどの素材に生成AIの画像をそのまますぐ使えるか……というとなかなか難しい。実際、生成AIを現在使っているのは、なにが起きても画像には頓着しないジャンクな広告か、「生成AIであること」自体をウリにした広告か、どちらかであることが多い。

 生成AIで効率を上げたいところは多いだろうが、「自社のルールに合った画像だけを生成させたい」「生成した画像の管理を楽にしたい」「使った結果を計測して効率を高めたい」という要望がセットで存在しており、そのためのツールも必須になる。

 アドビはFireflyの新機能だけでなく、「GenStudio」という管理機能を含むマーケティングツールも発表した。これはアドビのデジタルマーケティングツールの簡易版でもあり、個々のサービスに契約していなくても、管理・効果計測などの機能を持つ。その上でAdobe ExpressやFireflyと連動して、「生成AI時代らしいデジタルマーケティング」を提供するわけだ。

 画像を生成することから一歩踏み込み、ビジネス実装の段階に入っているところが「生成AI元年のあと」らしい流れと言える。

 

筆者紹介――西田 宗千佳

 1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。取材・解説記事を中心に、主要新聞・ウェブ媒体などに寄稿する他、書籍も多数執筆。テレビ番組の監修なども手がける。主な著書に「メタバース×ビジネス革命 物質と時間から解放された世界での生存戦略」(SBクリエイティブ)、「ネットフリックスの時代」(講談社)、「ソニー復興の劇薬」(KADOKAWA)などがある。

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