日鉄発のスタートアップ「KAMAMESHI」、中小企業の部品調達を支援
KAMAMESHIは4月1日、中小製造業向けの設備部品管理・マッチングプラットフォーム「Kamameshi(カマメシ)」の有償版を正式リリースしたことを発表した。
同社は、日本製鉄の社内起業制度を活用して起業した会社。日本の製造業における“設備の老朽化”を重要課題としてとらえ、製造業の業界を横串しでつなぐ仕組みをつくることで、リソースを補完し合いながら課題を解決していくことを目指している。
Kamameshiは、社内で保有する部品管理システムと、会員間の予備品の売買取引を仲介するプラットフォームを提供するサービス。さらに、各社のニーズに合わせた設備保全コンサルティング業務も請け負い、設備の老朽化という日本の中小製造業が抱える重要課題の解決を目指す。
在庫管理システムでは、QRコードで部品を紐づけ、個社専用のウェブページで在庫状況を一覧表示。タブレットなどですぐに在庫部品を検索でき、スムーズに現物の棚卸しや入出庫管理ができる。また、各工場施設に散らばった在庫情報の把握など拠点間の連携も容易になるという。
会員制の部品売買プラットフォームでは、身元が明確な登録企業間にて、必要な部品を安価かつ迅速に融通し合える場を提供。売り手側は、自社で不要になった部品を出品することで、過剰在庫を減らし現金化できる。買い手側は、設備の故障やメンテナンス時に、廃版品含めた必要な部品を必要な量だけ素早く調達できる。購入部品が自社設備と合わなかった場合は提供元に返却が可能。
設備保全の人的サポートとして、長年鉄鋼メーカーの設備を支えてきた設備技術人材を派遣し、保全指導や点検整備のアドバイス、機械保全技能士の資格取得講座の実施なども対応する。
料金は、初期費用が5万5000円、システム利用料が月額3万3000円から。2拠点目以降は、拠点追加毎に月額1万1000円がかかる。設備保全の人的サポートは、上記の金額には含まれず別途見積りとなる。初期導入キャンペーンとして、5月中に有料会員に申し込んだ場合、初期費用5万5000円が無料になる。
すでに五十鈴や藤田金屬などがKamameshiを導入しており、年内に100社への導入を目指すとしている。