3月29日サービス開始の「心斎橋POP」内部を披露、コンテンツ事業者などをターゲットに展開
オプテージ、関西圏の“コネクティビティDC”需要を受けた新サービスを説明
2024年03月25日 09時00分更新
関西電力グループの通信事業者、オプテージ(OPTAGE)が、大阪市西区にある心斎橋データセンター(DC)で2024年3月29日からサービス提供を開始する「心斎橋POP」の内部をメディアに公開した。
心斎橋POPは、大阪都心でハイパースケーラー/IX/ISPのネットワーク集積地となっている堂島/心斎橋のデータセンターへ、異経路/冗長構成の自社光ファイバーネットワークで接続された接続拠点。2026年のサービス開始を目指して建設が進む「曽根崎データセンター(OC1)」と同等のコネクティビティ機能を先行して提供する“バーチャルOC1”と位置付けられている。
説明会には、オプテージのソリューション事業推進本部でデータセンター事業を担当する津田和佳氏が出席し、関西圏でこうした“コネクティビティデータセンター”の需要が高まっている背景や、心斎橋POP/曽根崎データセンターの特徴、ターゲット顧客などを説明した。また、心斎橋POPでDCI(DataCenter Interconnect)サービスを提供する豪Megaportもゲスト出席して、サービスを紹介した。
関西のネットワーク集積地と自社ファイバー網で直結
オプテージの心斎橋POPは、2007年から運用されている同社心斎橋データセンター(約350ラック規模)に設置されたネットワーク接続拠点(POP:Point Of Presence)。ケージエリアとしてセキュリティを強化した中に、40ラック規模で構成されている。
POP内にあるオプテージのラックには、NTTデータの「堂島データセンター」、エクイニクスの「OS1」データセンターと自社光ファイバーケーブルで冗長接続する装置(WDM装置)が設置されている。堂島データセンターとOS1は大阪都心におけるハイパースケーラー/IX/ISPのネットワーク集積地となっており、心斎橋POPはそこから3km圏内に位置するため、低レイテンシかつシームレスなアクセスが期待できる。
そして顧客向けラックと上述のオプテージラック、別途外部回線を引き込んでいるDCI向けラックのラック間は光ケーブルで配線済みであり、顧客ラックではパッチパネルでの接続作業ひとつで必要な外部回線を利用できるようになっている。そのため短期間で利用開始が可能だ。DCI事業者としては、Megaportをはじめとして複数社が心斎橋POPでサービス提供を行う予定。
オプテージでは、2026年1月のサービス運用開始を目標として、大阪市北区に「曽根崎データセンター」を建設中である。こちらも、メガクラウドやIX、海外データセンターとの高いコネクティビティを提供する“コネクティビティデータセンター”という位置づけで「OC1(Osaka Connectivity 1)」と名付けられており、現在、IX事業者や国内外通信キャリア、ISPの誘致交渉を進めているという。
この曽根崎データセンター(OC1)の計画を発表したところ、より早期にコネクティビティ機能を利用したいという顧客の声が多かったことから、先行して今回の心斎橋POPが用意されることになった。オプテージでは、OC1と同等の機能を提供する心斎橋POPを“バーチャルOC1”と表現している。