負担の少ない装着感。アプリ連携で多彩な機能が使える
FreeClipの装着感について、インプレッションを報告します。イヤホン本体は片側約5.6g。耳にクリップした時のプレッシャーは軽め。長い時間装着してみましたが、筆者はさほど負担を感じませんでした。
同社が「C-bridge」と名付ける、イヤホンの前後の筐体をつなぐバンドは耐久性の高いニッケルチタン形状記憶合金を素材としています。本当は数ヵ月単位で使い込んでみる必要もありますが、手に取る限りでは曲げ伸ばしにも強く、耳をはさむ力がすぐにヘタりそうな感じはありません。
はさみこむプレッシャーが控えめなぶん、耳の上の方に着けていたはずのイヤホンが、耳の下の方に少しずれることがありました。クリップしたイヤホンが不意に外れて紛失する心配はなさそうですが、使い勝手や音の聴こえ方はユーザーの耳の形によっても変わります。ほかのイヤホンと同様に、購入を真剣検討する際には実機の試着を欠かさずしましょう。
ハンズフリー通話時には独自のAIノイズ処理効果がかかり、内蔵するデュアルマイク+骨伝導VPUセンサーにより、話者のクリアな声を相手に伝えます。最大2台の送信側機器と同時にペアリングした状態を保てるマルチポイントや、左右の区別がないイヤホンをユーザーが耳に装着した時点で左右を割り振る「左右自動識別」、ほかにも「スマート装着検出」や「低オーディオ遅延」のようなハイテクな機能が充実しているところはBose Ultra Open Earbudsにない魅力です。
3万円以下で購入できる耳をふさがないイヤホンの中で、ファーウェイの「FreeClip」はバランスの良いサウンド、イヤーカフスタイルの斬新さも含めて、とてもコストパフォーマンスが充実している製品だと言えます。お気に入りのノイズキャンセリング機能付きのイヤホン、ヘッドホンのほかにもう1台、音楽リスニングやオンライン会議にも使いやすい「耳をふさがないワイヤレスイヤホン」が欲しい方に本機をおすすめします。
筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。
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