バランスの良いサウンド、音もれを打ち消す音響機構を採用
最初に「音の聴こえ方」からチェックします。
FreeClipはイヤホン本体の前側、アコースティックボールと名付けた部位に10.8mm口径のデュアルマグネットで駆動するダイナミック型ドライバーを搭載しています。本体を装着すると音の出口がまっすぐ耳穴に相対するので、厚みのある力強いサウンドが楽しめます。ハンズフリー通話の声も明瞭で伸びやか。聞こえやすく、安定感があります。
アコースティックボールの後面、イヤホンを装着すると外向きの上下に細いスリットがあります。音楽などを再生すると、各スリットから再生音と逆位相の音が出て、もれ出る音を打ち消します。この逆音波システムと、イヤホンを耳に密着させて装着するデザインにより、通常程度の音量で音楽などを再生すると音もれが最小限に抑えられます。
前回レポートした「Bose Ultra Open Earbuds」と音もれの具合を比べてみました。どちらの製品も背面スリットから逆位相の音を出して漏れる音を打ち消します。
静かな場所で音楽を再生しながら比べてみると、ボーズのイヤホンの方が音もれが少なく抑えられていました。FreeClipも音量をやや控えめにすれば静かな場所で使えると思います。ボーズの製品も然りですが、いずれにせよ耳をふさがないワイヤレスイヤホンを周りに人がいる環境で使う場合、人との距離感や音量設定などは十分気にかけて使うべきです。
スマホにペアリングして音楽を再生してみます。ファーウェイのFreeClipは開放型イヤホンらしい、切れ味と広がりのある中高音域が特徴的です。ボーカルが透明感に富んでいたり、アコースティックギターの弦が震える様子など細部のリアリティに富んでいます。「HUAWEI AI Life」アプリには、FreeClipのサウンド効果をカスタマイズできるイコライザー機能があります。屋外で音楽を聴きたい時など、積極的に使うのもアリです。
ボーズ「Bose Ultra Open Earbuds」と比べながら聴くと、ボーズのイヤホンは耳をふさがないイヤホンの中では異質と言えるほど「低音に厚み」があります。ボーズは本格的に「オーディオライクなサウンド」を完成させているところが持ち味であるとすれば、対するFreeClipは通話など音声コミュニケーションも含めて、様々なイヤホンに求められる用途をそつなくこなす「バランスの良さ」が魅力です。
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