独自の「PlayStation Link」による
ロスレス、低遅延伝送に対応
もうひとつの特徴的な技術が、専用のUSBトランスミッターによるロスレス・低遅延伝送を実現する「PlayStation Link」です。
この技術の効果によって、入力操作に対するサウンドのシビアなレスポンスが求められる音楽ゲームの得点アップにつながります。楽器アプリで弾いた音も遅れることなく聴こえてきます。
また、PULSE Eliteは汎用性の高いBluetoothオーディオにも対応しています。SIEがPlayStationシリーズのワイヤレスヘッドホンとして2020年に発売した「PULSE 3D」は、PlayStation LinkとBluetoothオーディオには非対応でした。
なお、SIE独自の立体音響技術「Tempest 3Dオーディオ」に対応するゲームをPS5でプレイすると、包み込まれるような立体サウンドが楽しめる技術はPULSE Eliteでも搭載しています。
PlayStation Linkの低遅延伝送技術の効果は、入力操作に対するサウンドのシビアなレスポンスが求められる音楽ゲームの得点アップにつながります。楽器アプリで弾いた音も遅れることなく聴こえてきます。
専用のUSBトランスミッターは変換アダプタを使えばiPhoneやiPad、AndroidスマホにMacBookなどのデバイスにも挿せます。集音性能が高く、AIノイズリジェクション機能を搭載するマイクも内蔵しているので、Macでビデオ会議に参加する時にもPULSE Eliteが役に立ちました。
付属のケーブルによる有線リスニングもできます。筆者はサイレントギターを練習するときのモニターヘッドホンとしても活用しています。ただし、有線ケーブルによる使用の場合もヘッドホンの電源投入は必要です。内蔵バッテリーによる連続駆動は最大30時間です。
購入前に実機でのフィッティングテストをオススメ
筆者がPULSE Eliteに対して一点注文を付けたい箇所は、ヘッドバンドが短くて装着状態が安定しないことです。筆者の頭が大きすぎるのかもしれませんが、イヤーカップでギリギリ耳を覆える寸法感なので、イヤーパッドの上部で眼鏡のフレームを押さえつけられるような感覚も気になりました。これからPULSE Eliteの購入を検討する方は、実機を試着してから決める方が良いと思います。
フィッティングが安定すれば、PULSE Eliteはイヤークッションが柔らかく、長時間着けていても負担が少ないヘッドホンだと思います。質量は約347g。ソニーのヘッドホン「MDR-Z7M2」(約340g)に近い重さです。
PULSE Eliteは外観もユニークなワイヤレスヘッドホンですが、サウンドや操作方法は奇をてらわず、誰でも使いやすいようにシンプルにまとめられています。ソニーストアの販売価格が1万8981円と比較的手頃なので、平面型ヘッドホンを持っていない方は本機をコレクションに加える価値があると思います。
主なスペック | |
---|---|
製品ジャンル | ワイヤレスイヤホン |
ブランド | ソニー |
製品名 | PULSE Elite ワイヤレスヘッドセット |
直販価格 | 1万8981円(2月21日発売予定) |
ドライバー | プレーナーマグネティックドライバー |
ワイヤレス | デジタル無線2.4GHz帯、Bluetooth AAC/SBC |
連続再生時間 | 最大30時間 |
質量 | 約347g |
筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。
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