ASUSはCES 2024でゲーミングスマートフォンの最新モデル「ROG Phone 8」シリーズを発表した。前モデルは2023年4月の発表だったが、今年は3ヵ月繰り上げての新製品発表となった。
◆背面の表現力を高めたスリムなゲーミングモデル
ROG Phone 8シリーズは上位モデルの「ROG Phone 8 Pro」と「ROG Phone 8」の2モデル展開となる。ゲームプレイを快適にするゲーミングパッド「ROG Tessen Mobile Controller」と、本体の発熱を速やかに放熱する外付けクーラー「AeroActive Cooler X」も発売する。
ROG Phone 8/8 Proともに基本スペックは同等だ。チップセットはクアルコムのSnapdragon 8 Gen 3を搭載、メモリーはROG Phone 8 Proが最大で24GB+1TBのストレージとなる。ディスプレーは6.78型でリフレッシュレートは165Hzに対応。外観上の大きな違いは背面で、ROG Phone 8 Proは341個のLEDライトを使って文字やグラフィックを表示できる「AniMe Vision」を搭載。ROG Phone 8はゲームプレイや通知によって色の変わる「Aura RGB」を搭載している。本体の防水防塵機能はIP68と大幅に高められた。
本体サイズは約76.8×163.8×8.9mm、重さは225g。前モデルより1mm以上薄くなり、10g以上軽くなった。実際手に持ってみると、より持ちやすくなった印象を受ける。また、本体の右側面にはゲーム操作に使える「AirTrigger」を搭載し、本体を横に持った時によりゲーム操作がしやすくなっている。
本体底面には3.5mmヘッドフォン端子も備えている。ゲーミング向けなど市販されている多数のヘッドフォンをそのまま装着できるのは便利だ。また、USB Type-C端子はゲーム中にUSBケーブルを接続してもプレイの邪魔にならないように、片側に寄せた位置に配置されている。本体下部のほか右側面にもType-C端子は搭載されており、AeroActive Cooler Xの装着時に給電を行なう。バッテリー容量は5500mAhで、65Wの急速充電に対応、39分で満充電が可能だ。
カメラはメインがソニー製のIMX890、5000万画素を搭載、Zenfone 10ゆずりの6軸ハイブリッドジンバルスタビライザーにより強力な手振れ補正も可能となっている。また超広角は1300万画素、そして望遠は3200万画素3倍だ。カメラ性能が高まったこともROG Phone 8シリーズの特徴であり、ゲーミング用途以外にも高性能なスマートフォンとして使うことができるのだ。
ゲーム時の本体設定などはプリインストールアプリ「Armoury Crate」で行なう。ROG Phone 8 Pro背面のAniMe Visionもここからカスタマイズが可能だ。ROG Phone 7シリーズまでの上位モデルは、背面にモノカラーディスプレー「ROG Vision」を搭載し、写真やグラフィックを表示できるなど表現力は高かったが、視認性はあまり良くはなかった。
AniMe Visionはドットによるパターン表示ながら見やすく明るい表示になったことで、背面を使った表現力が高まっている。たとえば時計を表示したり、ビデオ撮影中はカメラのアイコンを表示、さらには自分の名前など好きな文字を横スクロールさせて表示できる。
なお、展示モデルはグローバル向けのようで、技適表示はなかった。しかし歴代モデルが日本で発売されていることから、ROG Phone 8/8 Proの日本投入にも期待できるだろう。
◆クーラーやゲームパッドでゲーム体験を向上
気になるパンチホールは?
ROG Phoneシリーズ用の周辺機器は、以前のモデルより使い勝手が改良されている。
ゲームコントローラーのROG Tessen Mobile Controllerは、ROG Phone 8の左右にゲームパッドを装着できる。左右のパッドは背面側で折りたたみ式のヒンジでつながっており、使わないときはコンパクトにたたんでポケットに入れて持ち運びも楽にできる。本体とはUSB Type-C端子で接続する。
コントローラーの各キーやジョイスティックの押し具合は良好だ。ROG Phone 8本体はコントローラーより若干上側に装着されるので画面も見やすい。また、背面の「AniMe Vision」「Aura RGB」の表示が隠れないような設計になっている。
外付けクーラーのAeroActive Cooler Xは前モデルよりサイズが大幅に小型化された。ROG Phone 7のクーラーと比較すると大きさは29%、重量は10%軽減されている。一方で熱伝導チップは2.6倍のサイズとなり、空冷ファンの回転速度を1.1倍にしたことで熱効率性は1.3倍高まった。本体内部の冷却機構と合わせることで、背面温度を最大36度下げることが可能だという。
AeroActive Cooler Xの背面にはLEDライトが内蔵され、効果的なライティングでゲームを盛り上げてくれる。スタンド内蔵なので動画を見るときなど本体を立てることも可能だ。そしてこのサイズにも関わらず、デュアルトリガーボタンを内蔵しているのでゲームコントローラーとしても使える。
ゲームをプレイしていて1つだけ気になったことがあった。ROG Phone 8シリーズのディスプレーは前モデルと同じ3200万画素のフロントカメラを搭載しているが、ベゼル部分ではなくディスプレー上部中央に内蔵されるパンチホール型となった。そのためディスプレーの一部に小さな黒点があり、ゲームの進行によってはここが気になってしまうのだ。
そのためROG Phone 8シリーズはディスプレーの設定でパンチホールカメラ部分を非表示エリアにすることができる。
◆ゲーム用途以外にも使えるASUSのフラッグシップスマホ
ROG Phone 8/8 Proはゲームに最適な製品であることはもちろんだが、普段使いするスマートフォンとしても申し分のない性能を誇る。他社のハイエンドモデルよりも強力なジンバル内蔵のカメラや、スリムで軽量になったことで持ちやすく使いやすい製品に仕上がっている。ROG Phone 8 ProならAniMe Visionを使った外観のカスタマイズも自在だ。
クーラーやゲームパッドを使った合体ギミックも楽しめるなど、ROG Phone 8シリーズはあらゆるニーズにこたえるスマートフォンと言えそうだ。
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