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「CES 2024」 レポート 第7回

Twitch連携機能やパワーアップしたG-SYNCも

GeForce RTX 4080 SUPER/4070 Ti SUPER/4070 SUPER登場!NVIDIA CES 2024発表まとめ

2024年01月09日 01時30分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

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「RTX 40 SUPER」シリーズに「G-SYNC PULSAR」発表
NVIDIAのCES 2024特別講演まとめ

 2024年1月9日、NVIDIAはCES 2024の特別講演において様々な発表を行った。本稿はこの講演の内容のうち、コンシューマーPC分野における重要な発表についてまとめたものである。なお、全ての情報は事前にプレス向けに共有された資料がベースになっている。

CESの発表といえば革ジャン(ジェンスン・ファン氏)ではなくジェフ・フィッシャー氏

一部モデルではVRAMも増量された
「RTX 40 SUPERシリーズ」発表

 特別講演では次世代GeForce(Blackwell)についてのアナウンスはなかったが、既存のGeForce RTX 40シリーズに新モデルが追加されることが確定した。以前から噂されていた「GeForce RTX 4070 SUPER」「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」「GeForce RTX 4080 SUPER」の3モデルとなる。発売日と価格は以下の通りだ。3モデル同時にリリースではなく、3段階のリリースにしてあるのは、レビュアーに対する配慮だろうか(多分違う)。

●GeForce RTX 4070 SUPER
1月17日23時発売解禁(日本時間、以下同様)
北米予想価格599ドル(国内予想価格8万6000円から)

 最初に販売が解禁されるRTX 4070 SUPERはRTX 4070をベースに、CUDAコアを約20%増やした「WQHDゲーミング向けGPU」となる。NVIDIA曰く「1600ドルで販売されていたRTX 3090より速いGPUが599ドルで手に入る」としている。

 RTX 4070のレビュー(https://ascii.jp/elem/000/004/132/4132616/)から分かる通り、RTX 4070の素の性能はRTX 3080に近い。RTX 3090より確実に速いと分かっているRTX 4070 TiはRTX 4070よりもCUDAコアが約30%多いという事実から、RTX 4070 SUPERのパフォーマンスはRTX 3090のやや下程度と考えられる。無論DLSS FG(Frame Generation)を含めるとRTX 3090に対しては確実に優位に立つが、その場合約1.5倍のパフォーマンスを出せるという。

RTX 4070 SUPERの北米予想価格は599ドルで、RTX 3090よりも高速だと謳う

RTX 4070 SUPERにはFE(Founders Edition)が存在する。全体のデザインはRTX 4070 FEと似ているが、ガンメタル+黒のツートンではなく黒+黒のモノトーンに変更された

●GeForce RTX 4070 Ti SUPER
1月24日23時発売解禁
北米予想価格799ドル(国内予想価格11万5800円から)

 2番目に投入されるのが同じくWQHDゲーミング向けのRTX 4070 Ti SUPERだ。RTX 4070 SUPERがRTX 4070のCUDAコア増量版なのに対し、RTX 4070 Ti SUPERはRTX 4080のサブセット版といえる。最大の魅力はVRAMがGDDR6Xで16GB搭載という点。RTX 4070 TiはVRAMが12GB、かつメモリーバス幅が192bitという設計だったが、RTX 4070 Ti SUPERはコアを上位に切り替えることで16GBかつ256bit幅に強化された。

 RTX 3070 Tiよりも1.6倍、DLSS FGを含めれば2.5倍のパフォーマンスが期待でき、RTX 3090のパフォーマンスを確実に上回る(VRAMはRTX 3090の方が多いが)ことが期待できる。AMDがRadeon RX 7800 XTをRTX 4070にぶつけてきたことに対する反撃とも言えるが、Radeonの持つ価格的なアドバンテージをどこまで突き崩せるかに注目したい。

 なお、NVIDIAによればRTX 4070 Ti SUPERはRTX 4070 Ti同様にAICパートナーカードのみが提供されるという。

RTX 3070 Tiユーザーであれば、DLSS FGを使わなくても1.6倍程度のパフォーマンス向上が期待できるRTX 4070 Ti SUPER。VRAM周りの仕様はRTX 4080相当となった。これは筆者の予想に過ぎないが、将来的にはRTX 4080を置換する存在になるだろう

RTX 4070 Ti SUPERにはFEがないため、AICパートナーカードのみが供給される(どのみち日本にはFE版の正規流通ルートはないが)。こちらの製品例から察せられる通り、基本トリプルファン&肉厚の大型カードが主力となる。補助電源は16ピンだ(12VHPWRか12V-2x6かは不明)

●GeForce RTX 4080 SUPER
1月31日23時発売解禁
北米予想価格999ドル(国内予想価格14万8000円から)

 最後に登場するのがRTX 4080 SUPER。これは4Kゲーミングも視野にいれたモデルとなる。RTX 4080 SUPERはRTX 4090のサブセットか……と期待していた人には残念だが、RTX 4080 SUPERはRTX 4080のCUDAコア増量版だ。

 ゆえにVRAM容量は16GBだが、RTX 4080 SUPERのGDDR6Xはより高クロック(正式発表はないが、22.4Gbps品であると噂される)ものが採用されている。RTX 3080 Ti(RTX 3090のサブセット版)より素の性能で1.4倍、DLSS FGを含めれば2倍のパフォーマンスが期待できるという。

RTX 4080 SUPERは4K+フルレイトレーシングでのゲーミングや生成系AIを狙ったGPUだ。RTX 3080 Tiに対しては1.4倍、DLSS FGを含めれば2倍のパフォーマンスが期待できそうだ

RTX 4080 SUPERはFE版が存在する。こちらもRTX 4070 SUPER同様に黒一色のデザインとなっている(ように見える)

 ちなみに、各GPUの説明画像にある「AI TOPS」指標は、AI処理におけるパフォーマンスの指標として近年使われ始めた“Tera Operations/second”、即ち“1秒あたり何兆回の計算をしているか”を示したものである。RTX 4080 SUPERなら836 AI TOPSなので毎秒836兆回の演算をしていることになる。

OBS+GeForceの組み合わせで
Twitchへ最大5ストリームの配信が可能に

 ゲームをTwitchやYouTubeにストリーミングしてオーディエンスと共にゲームを楽しむ、という遊び方がすっかり定着したが、ここで問題になるのが画質(解像度)の設定だ。スマホ向けならば低解像度で良いしギガ(データ量)にも優しいが、PCで見るには粗い。逆に解像度をPC側に合わせた場合、スマホではオーディエンスに余計なデータ量を負担させるというジレンマがある。

 そこでNVIDIAは「Twitch Enhanced Broadcasting」を発表した。これはGeForce RTXシリーズを搭載したPCから「OBS Studio」を利用してTwitchに配信を行う場合、解像度やフレームレートの異なるストリームを最大5つまで同時に送信できるというもの。スマホ向けには480p/30fpsの軽いデータで、PC向けには4K/60fpsの高画質データでストリーミングするということが行える。Twitch標準のダウンスケーラーでは解像度の変更はできてもフレームレートの制限まではできない。NVIDIAはここに踏み込んだものと思われる。

 この5ストリーム配信を行うにはTwitchのβ版機能にアクセスする必要がある(https://twitch.tv/broadcast)らしいが、OBS Studioのバージョンなど不明な点も多い。続報を待ちたいところだ。

GeForce RTXシリーズ搭載PC+OBS Studio構成のPCから、Twitchへ最大5ストリームの配信が同時に実行できるようになる

360Hzで1440Hz相当の明瞭度を実現する
「G-SYNC PULSAR」

 GPUがいくらパワフルになっても、映像を出力するディスプレーがダメなら意味がない。特にゲーミング向けディスプレーでは高リフレッシュレートかつ低遅延であることが何より重要だが、画面内で素早く動き回る物体をもっと見やすくするためにはどうすれば良いか? これに対するNVIDIAの答えが新しいG-SYNC「G-SYNC PULSAR」だ。

 G-SYNCについては大原氏が詳しく解説(https://ascii.jp/elem/000/001/684/1684708/)しているので割愛するが、今回のG-SYNC PULSARは、映像のゴースティングを大幅に抑制しつつも、G-SYNCの滑らかさを両立させ、動く物体の見やすさ(鮮明さ)を従来の4倍に引き上げるための技術だ。

 詳細な技術的背景については資料がないが、昨年発表されたG-Sync Ultra Low Motion Blur 2(ULMB2)と関連がある。液晶のバックライトをピクセルの変化が変わった所で一瞬光らせるバックライトストロボ技術が初代ULMB。初代ULMBの欠点であった高リフレッシュレート時は輝度が犠牲になる問題を解消させたものがULMB2となる。

 単にリフレッシュレート(fps)を上げただけでは輪郭がぼやけてしまうが、ULMB2を利用すれば、4分の1のリフレッシュレートでもより明瞭な表示が可能となる。逆に言えば360HzでULMBを使えば1440Hz相当の表示が得られるということになる。

ULMB2のNVIDIAによる解説記事(https://www.nvidia.com/en-us/geforce/news/g-sync-ultra-low-motion-blur-2/)からの引用。ULMB2のない480Hz表示では液晶表示の特性上輪郭がぼやけてしまう状況でも、ULMB2を使えば120Hzのリフレッシュレートでもその4倍、つまり480Hz相当のモーションの明瞭度が得られる

 ただ、ULMB2はG-SYNCと併用できないという大きな欠点があった。G-SYNC PULSARはG-SYNC(可変リフレッシュレート技術)とULMB2相当のゴースティング軽減を同時に使用するための機能だ。ULMB2発表時のように既存モデルがファームウェア更新でG-SYNC PULSAR対応になるのかまでは不明だが、最高のディスプレーでeスポーツに挑みたいなら、G-SYNC PULSARは要注目だ。

 ちなみに、NVIDIAが提供する「GeForce NOW」も遂にG-SYNC対応となる点も付記しておきたい。ストリーミングプレイにおいても、ゲーム側のフレームレートとディスプレーのリフレッシュレートが同期するようになるのだ。

他にも気になるゲーム関連技術が

 ここまで筆者的には大~中ネタだと感じたネタをまとめてみたが、それ以外にもスルーするには惜しい小ネタがある。簡単に列挙していこう。

NVIDIA ACE(Avatar Cloud Engine)
 ゲームに登場するNPCの挙動にAIを深く組み込むためのフレームワーク。プレイヤーのテキスト入力をAIで評価し、それに対する自然な反応をNPCの表情やセリフ(音声)として出力することで、よりインタラクティブな会話が可能になる。UBIやmiHoYo、Tencent等のデベロッパーがACEを採用している。

RTX Remix
 古いゲームをRTXテクノロジー(レイトレーシングやDLSS等)を使って最新のグラフィックで蘇らせるためのツール。1月22日よりβ開始予定。

 なお、講演全体のアーカイブは、下記から視聴できる。

 以上が自作er的視点から見たCES 2024のNVIDIAまとめだ。ハードウェア的な進化、あるいはライバルAMDのAMD Fluid Motion Frames(AFMF)に類似するフレーム生成機能といったパンチのある発表がなかったのは残念だが、RTX 4070 Ti SUPERのように既存モデルの弱点をカバーするような製品が出た点は素直に喜びたい。

 ひとまずはRTX 4070 SUPERの登場を待ちたい。然るべき時が来れば、レビューをお届けすることができるだろう。お楽しみに。

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