Intel第14世代Coreと最新自作PCのトレンドに合わせて進化
ゲーミングマザーボードは高効率、低発熱のVRM、大型のVRMヒートシンクを基準に選ぼう。「MAG B760M MORTAR WIFI II」レビュー
2.5GbEにWi-Fi 6E、USB 3.2 Gen2x2 Type-Cもあり充実のインターフェース
そのほかバックパネルやボード上のチップ、インターフェースを見ていこう。まずバックパネルは、本体イメージカラーに合わせたシルバーで、光の加減によってはほぼホワイトに見える。ホワイトのPCケースにもマッチするし、机の下の暗がりの中でも端子を見分けやすいだろう。インターフェースでポイントとなるのは、まずUSB 2.0が4ポート用意されているところ。基本的には低速デバイス向けだが、機器によっては高速USB端子に挿すと安定性が低下するといった問題も出るので、こうしたUSB 2.0ポートがあると便利。また、Type-C端子は20GbpsのUSB 3.2 Gen2x2に対応している。ほか2.5GbEやWi-Fi 6Eも確認できる。
ネットワークは、有線LANがRealtekの「RTL8125BG」チップ、無線LANはIntel「Wi-Fi 6E AX211」が用いられていた。
USBポート数は標準的で追加チップとしてはUSB 3.1 Gen2ハブのGenesys Logic「GL3590」が搭載されていたあたりが目立ったところ。
オーディオチップはRealtek「ALC897」。定番のチップで、左右チャンネルの層を分けた設計や、4基のオーディオグレードコンデンサを組み合わせているが、基本的には質実剛健。ゲーミングにおいて、より高音質を求めるなら外部DACを用意するのがよいだろう。
実用性が向上。ゲーミングの安定感も担保されたMAG B760M MORTAR WIFI II
MAG B760M MORTAR WIFI IIは、まずPCI Expressスロットを減らし、M.2スロットを増やしたところがポイント。メインストリームゲーマー向けのmicroATXマザーボードなのでビデオカードを搭載することが想定されるが、現在の(ゲーミング向け)ビデオカードを見渡すと、それらの多くは3スロットあるいはそれ以上専有する厚みがある。microATXマザーボードにビデオカード以外の拡張カードを挿せるとしたら、最下段しか残されていない。Iの3スロットからIIの2スロットへという変更は実用性的にもおかしくはない。
また、Wi-Fiアンテナが別体式になったところも実用性が向上している。有線LANが引けないなど、Wi-Fiに頼らざるを得ない場合もあると思われるが、その場合、強い電波をつかめることが速度だけでなく安定性でも重要だ。そしてヒートシンクがひとつ追加され、シルバー部分の面積が増えたところは、ホワイトPCを組みたいニーズにマッチする。
MAG B760M MORTAR WIFI IIの価格は、Intel B760マザーボードとして見ると決して安くはない3万5000円前後だ。より安価なIntel B760マザーボード、なんならより安価なIntel Z790マザーボードもあるが、大きな違いはVRMと機能。長時間負荷をかけるゲーミング用途では、高効率、低発熱のVRM、大型のVRMヒートシンクを基準に選んだほうがよい。少し高くても、そこは不安要素を減らすため。キッチリ組めば高い安定性、microATXでも機能は高めを狙いたいミドルレンジゲーマー向きの1枚だ。
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