知る人ぞ知る対戦格闘がオンライン対応で復刻!『ザ・ランブルフィッシュ+』プレイレポ

2023年12月27日 13時00分更新

文● 馬波レイ 編集●ジサトラハッチ

ドット絵だけどヌルッと動くアニメーション

 ビジュアル面で目を引くのが、S.M.A.(スムースモデルアニメーション)システムを用いて描かれたキャラクターたち。S.M.A.とは、キャラクターの体の部位をパーツとして動かすことで、スムーズなアニメーションを可能としたもの。ほかの2D対戦格闘ゲームではあまり見られないヌルッとした動きは目にする価値ありだ。

 特定の部位にダメージが蓄積すると“パーツクラッシュ”となりコスチュームなどが破壊されるといった仕組みもあり、見た目の特徴となっている。

コスチュームの破壊が描写されるパーツクラッシュ。肌があらわなセクシーな姿に!

個性豊かなキャラクターが9人登場!

 登場キャラクターは全部で9人。いまどきの対戦格闘ゲームと比べると少なさは否めないが、それでも技や容姿は個性的(というかクセ強め?)で、好きな人はとことん好きになれるのではないだろうか。

【ゼン】TRFシリーズの主人公らしく飛び道具。前後の移動は遅いが、無敵対空、突進技とひと通りの技が揃っている。必殺技を強化できる技・禍魂法をいかに使いこなすかがカギ

【ヒカリ】睦月流古舞術の使い手。攻め手として使いやすい技は少ないが、相手の上・下段攻撃を受け流して投げ飛ばす朧蝶(おぼろてふ)を持つ。大会に参戦しているカヤとは双子の姉妹

【タイフォン】天厳流拳法の使い手の少年で気功を使いこなす。リーチは短いが動きは素早く、三角跳びなどの素早くトリッキーな動きで相手を幻惑。さらに強力なコマンド投げまで有する

【ガーネット】ナースのようなコスチュームを纏い小悪魔敵な発言をする長身美女。その攻撃はすべて蹴り技で、パンチ技は一切ない。長いリーチを活かして相手の攻撃圏外から攻める

【オービル】巨漢でマッチョなプロレスラー。相手の一部打撃を防ぎながらのタックルや豊富なコマンド投げで一気にダメージを与えられる。反面、攻撃後のスキは大きいため空振りが致命傷に

【ボイド】飄々とした雰囲気を漂わせる小太りの中年男性だが、実はスゴ腕の暗殺者。移動やジャンプは鈍重でリーチは短いが、手数には優れる。一部の必殺技を当てていくとオフェンシブアーツのダメージが増加する

【ヴィレン】見た目からわかるように、裏社会に生きる悪党。隠された口元を見たものは誰もいない。衣服の下にスタンガンやチェーンといった武器を隠し持っていて、それらを使った必殺技は使い勝手にクセがある

【カヤ】ヒカリの双子の姉。ヒカリと同じ古舞術を使って戦うが、独自の修練から飛び道具などの異なる技を持つ。ヒカリよりも攻め手は多彩なものの、使いやすい無敵技に欠けるため防戦になると脆い一面も

【アラン】遊び人風のチャラさを感じさせるが、実はシスターに育てられた元ストリートチルドレン。通常技や必殺技にクセが少なく、初心者でも比較的使いやすい。ゲージの上昇率がほかに比べて低いのが弱点

2023年ならではの『ザ・ランブルフィッシュ』

 ゲーム全体のテイストとしては、硬派で噛みごたえのある本作。コマンド入力やゲージのシステムも複雑なので、それだけに上達するためにはしっかりと鍛錬する必要がある。

 その意味では、オンライン対戦が実装されたことはもっとも歓迎するべき点。この原稿は発売前に書いているため残念ながらオンライン対戦は未プレイではあるが、最近のオンライン格ゲーでは必須ともいえるロールバック・ネットコードを実装しているので、安定した対戦が楽しめることだろう。

強化されたトレーニングモードでの鍛錬も存分に味わえる

 「TRF」が稼働していた時代のタイトルをリアルタイムで楽しんでいたであろうゲーマーも年齢を重ね、仕事が忙しくなったり家庭を持ったりとみんなで集まって対戦を楽しむ時間は限られてきているだろう。

 対戦格闘ゲームはコミュニケーションがあってこそ成り立つジャンル。タイトルがメジャーであろうがマイナーであろうがそれを愛する“格ゲーおやじ”たちにとって、本作が福音であることを願ってまとめと代えさせていただく。

980円という低価格でしっかりとした作りの対戦格闘ゲームが楽しめるのはありがたい。余分な追加要素がないのも潔し!

【ゲーム情報】

『ザ・ランブルフィッシュ+』が本日配信!オンライン対戦で全国の猛者に挑戦しよう

タイトル:ザ・ランブルフィッシュ+
ジャンル:対戦格闘ゲーム
配信:3goo
開発:ディンプス
プラットフォーム:PlayStation 4/Nintendo Switch/Xbox One/PC(Steam)
配信日:
 PS4/Switch/Xbox One版:配信中(2023年12月21日)
 PC(Steam)版:2023年12月27日
価格:990円
プレイ人数:1人~2人
IARC:12+(12才以上)

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