このページの本文へ

ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第750回

Meteor LakeことCore Ultraの性能と消費電力が判明 インテル CPUロードマップ

2023年12月18日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

GPU性能はRaptor Lake世代の約2倍
Ryzen 7 7840UとCore Ultra 7 155Hがほぼ同等

 次がGPU性能である。Meteor LakeのGPU性能はRaptor Lake世代(≒Alder Lake世代)と比較して2倍になるという話は連載741回で説明した。実際にAlder Lake世代のCore i7-1370PとCore Ultra 165Hを比較した結果が下の画像である。

GPU性能を2倍にすればフレームレートが2倍になるわけでもない。ちなみにこの16個のゲームのフレームレートの場合で比較すると相乗平均で51.1%ほどの向上ということになるが、ちょっと上がりすぎの気もする

 Apex Legendsは軽いゲームなのでフレームレートが上がりにくいのはわかるが、そこまで軽いわけでもないGrand Theft Auto Vが意外に上がらない印象がある。逆にFar Cry 6やBorderlands 3などはこれまでAlder LakeではGPUがアップアップしている印象だったので、ここまで性能が伸びたというのはそれなりに性能改善効果があったということだろうか。

 ただこのあたりは向上率ではなく実フレームレートを示して欲しかったところだ(Performance Indexの方を見ても、実際のフレームレートは掲載されていない)。

 ちなみに競合との比較として示されたのが下の画像だ。一概には言いにくいのだが、Ryzen 7 7840UとCore Ultra 7 155Hがほぼ同等、Core Ultra 165Hがそこから5%増しのフレームレートだとしている。

競合との比較。これが事実なら、統合GPUとしては十分な性能になる

 やや気になるのはCore Ultra 165Hのみ16インチのノート(実際Zenbook 14やThinkPad T16と比較すると一回り大きい)なことで、それだけ冷却能力にゆとりがあるように思えるのだが、これがどの程度フレームレートに関係してくるかははっきり断言できない。

 とはいえ、Zenbook 14とThinkpad T16ではほぼ同クラスなので、XeコアベースのGPUはRDNAと同等のところまで性能を引き上げてきた「ように見える」のは大きい。なぜ「ように見える」と書くかと言えば、自分で試したわけではなく、あくまでもインテルの発表だからである。

 そのGPU関連では、今回XeSSを改めて前面に出す形でアピールした。

さすがに縦横2倍のスーパーサンプリングはAIを使ってもクオリティ的にけっこう厳しいと思うのだが。せめて縦横50%アップくらいに留めておく方が無難だろう

 実際にXeSSの有無でどこまで性能が向上するか、というのが下の画像だ。Like a Dragon:Gaidenでは倍以上になってるのはなにか違う気がする。これが事実だとすれば、相当クオリティを犠牲に性能を引き上げているように見える。

XeSSの有無でどこまで性能が向上するか。XeSSででどの設定(Quality~Performanceまで何段階かある)を使っているかは公開されていない

 これでeスポーツをやるのは無茶にしても、自分で遊ぶだけであればShadow of the Tomb Raiderくらいまではなんとかプレイできる範疇に入る結果になっているのは相応に大きい。

 ただこれはRyzen 7 7840Uにも言えることだが、やはり統合GPUとしての足枷(主にメモリー帯域と消費電力)の壁は大きく、がんばってもこの程度が現在の上限ということも示している。それでも、例えばGhost Runner IIではCore i7-1370P比で最大3倍のフレームレートが実現できるというのは、これまで遊べなかったゲームが遊べるようになるという点で大きな進歩だろう。

2023年10月にリリースされたばかりのGhost Runner II。ゲーム内にベンチマークテストがないので筆者は試したことがない

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン