このページの本文へ

スマホとiPadではじめるラクラク動画制作術 第16回

動画制作では色調整が不可欠!

「LumaFusion」で映像の明るさや色味を補正して動画全体の質を高めよう

2023年12月07日 09時00分更新

文● 岩渕 茂 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

●彩度を調整する

 最後に、彩度を調整していこう。この作業では、色の鮮やかさを調整する。彩度を高めると色が鮮明に、低くすると色が薄くなってモノクロに近づく。カラコレの段階では、より自然な見た目に補正することが目標だ。例えば、人の肌の色は違和感が出やすいので、彩度を調整して自然に見えるように調整しよう。

 彩度の調整は、編集メニューの「彩度」「自然な彩度」を利用する。この2つの違いは、「彩度」は色相や元の彩度にかかわらず、全体の色味を均等に調整するものだ。例えば、彩度のスライダーを強めれば、すべての色の鮮やかさが均等に上がる。

 一方、「自然な彩度」は、もともと彩度の高い部分はあまり適用せず、彩度の低い部分を中心に色味を調整する。全体的になじませつつ彩度を上げるには、こちらのほうが効果的だ。ほかの工程と同様に、プレビューで確認しながら彩度を調整し、最も好みな状態に調整していこう。

彩度調整用レイヤーの編集メニューを開き、「彩度」「自然な彩度」のスライダーで調整する。

 彩度を調整していると、目視だけでは色の濃さを判断しづらくなってくる。この場合は、ベクトルスコープを使うのがおすすめだ。

 ベクトルスコープは映像内の色相と彩度を測定・表示するもの。彩度が濃いほどチャートが外側に向かって表示される。つまり、ベクトルスコープの内側にあるボックスを囲み、その範囲に収まっていれば彩度は適正といえる。もし、囲んだラインを超えている場合は、ラインを超えないように調整し直したほうがいいだろう。

グラフのメニューで「ベクトルスコープ」を選択。左側のようにチャートが内側のボックスからはみ出ている場合は色が濃い状態。右側のようにチャートが内側のボックスに収まるように調整すればいい。

●カラコレをする前の映像と比較する

 カラコレを続けていると目が慣れてしまい、何が正しかったのかがわからなくなってしまう。そのため、ひととおりの作業が終わったら、元の映像と比較して適切に調整されているか確認しよう。

 レイヤーの右側にある目の形をしたアイコンをタップすると、そのレイヤーで設定した内容が非表示になる。まずは、すべてのレイヤーをオフにし、元の映像を確認。次に、レイヤーを1つずつオンにして調整後の状態を確認する。このようにすれば、問題のある部分が見つけやすい。あとは、同じ手順で微調整を繰り返し、仕上げていけばいい。

調整用レイヤーの右側にある目の形をしたアイコンをタップすると、アイコンに斜線が引かれて非表示の状態となる。すべて非表示にすると元の映像になるので、違いを確認して微調整を繰り返していく。

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII.jp RSS2.0 配信中