これが未来のペイントソフトの姿かも
こうしてKritaを触ると、未来の「ツール」としてのStable Diffusionがどう組み込まれていくのかがはっきりわかりますね。しかも、タダ! ただ、これをAdobeが放っておくわけがないので、同じような機能を同社のアプリに積んでくるのは十分、将来的にありうることではないでしょうか。これがクリスタに入ってくれたらいいのになあ……という感じもします。どこかのタイミングで入ってくることを期待しています。
Stable Diffusion登場以来、ずっと課題だったのは、いかに狙っていた絵を出力するために自由にコントロールできるかということだったんです。原理的にどうしても、ランダム性を含むために、毎回生成するごとに結果の揺れが大きくなるのですね。
そこに、ControlNetが出てきたことで構図は制御しやすくなりましたが、それでも細かいところは難しかった。そこに、LCMとそれを採用したペイントソフトが出てきたことで、いよいよコントロールが容易になった。ペイントソフトの後ろ側で画像生成AIが動き、人間の作業を支えるツールという可能性をはっきり見せてくれるところまで来たんじゃないかと感じます。今後広がっていかないと考える理由はありません。
今後、さらにいろんなテクニックが開拓されていき、「画像生成AIかアナログか」という境界線も、どんどんあいまいになっていくんじゃないでしょうか。いやあ、すごい時代になりそうです。
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