エリアLOVEWalker総編集長・玉置泰紀のまち散歩 第1回

渋谷再開発・駅中心地区のラストピース、次世代型ランドマーク「渋谷サクラステージ」が 2023年11月30日竣工

文●玉置泰紀(一般社団法人メタ観光推進機構理事)

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 渋谷再開発、駅中心地区の「ラストピース」、次世代型ランドマーク「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」が 2023年11月30日の竣工を前に11月23日、プレス向けの記者会見、内覧会を実施し、筆者も新スポットに駆けつけた。渋谷駅周辺エリアでは、100年に1度とも言われる大規模再開発が進んでおり、五つの街区で構成される渋谷駅中心地区においては、渋谷ヒカリエ、渋谷ストリーム、渋谷フクラス、渋谷スクランブルスクエア第Ⅰ期(東棟)に続き、渋谷サクラステージが誕生する。

 11月30日の竣工以降は、順次開業していく。また、店舗などがおおむね開業する2024年7月26日に、まちびらきイベントが実施される予定だ。

 この事業は、東急不動産株式会社が参加組合員として参画し、渋谷駅桜丘口地区市街地再開発組合(理事長:岸上家幸)が推進する 「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業」として進められている。

 渋谷駅周辺の回遊性、スムーズな移動を可能にするラストピースは、先行する開発の軸になるピースだ。渋谷駅中心地区で唯一の住宅を整備し、「働・遊・住」を兼ね備えた大規模複合施設として、まち全体の新しい魅力向上が期待される。

 また、交通インフラで重要なのは、他街区との回遊性強化、地形の高低差および鉄道と国道246号による桜丘エリアの分断を解消するために、歩行者ネットワークの整備を強化して、「まちの分断」とともに、渋谷の特徴でもある「谷地形」の解決を目指している点。都市計画道路(補助線街路第18号線)横断のための歩行者デッキの整備に加え、周辺地区と連携した縦軸動線「アーバン・コア」を導入、11月30日の竣工以降は、3階の渋谷ストリーム側からの北自由通路と2階の渋谷駅西口歩道橋デッキが開通し、2024年秋には、渋谷駅南口新改札口が開通する予定だ。駅周辺全体の回遊性が向上し、代官山・恵比寿方面への接続もスムーズとなり、多層の歩行者ネットワークとして渋谷の街が変わっていく。

渋谷サクラステージ

公式素材より全体イメージ図

渋谷サクラステージ

SHIBUYAタワー38階の企業支援施設manomaにて、筆者

渋谷サクラステージ

記者会見より

渋谷サクラステージ

公式素材より夜の「にぎわいSTAGE」。SHIBUYAサイドとSAKURAサイドをつなぐ横断デッキをはさみ、まちの中⼼となる

渋谷サクラステージ

すでに出来上がっている外観

渋谷サクラステージ
渋谷サクラステージ

公式素材より

1998年10月に旧再開発準備組合を設立し、約25年の歳月を経て竣工の日を迎え、2024年7月26日にまちびらきの予定

 桜丘のまちの中で、このプロジェクトの計画地は南北に長く、谷地を特色とする起伏に富んだ地形を持つ。JR線に加えて、1964年に開催された東京オリンピックの際に拡幅された国道246号により、渋谷駅と分断されて周辺地域との連続性が弱かった。大規模な街区再編とあわせて都市としての防災性の向上の実現を目指し、都市再開発法に基づく第一種市街地再開発事業を開始した。

 1998年10月に旧再開発準備組合を設立し、約25年の歳月を経て、450人を超える借家人や約120人もの地権者といった多くの権利者らが、2008年に再開発準備組合を設立し、2014年6月に都市計画が決定され、2015年9月に市街地再開発組合の設立が認可された。そして、2018年10月の権利変換計画認可を経て、2019年5月より新築工事を開始した。

 「Shibuya Sakura Stage」を 渋谷の新たな玄関口として、渋谷駅南西部に広がる約2.6haの広大な敷地を一体的に整備することで、都市再生特別措置法に基づく都市再生特別地区として指定されており、交通基盤の拡充、様々な機能の導入による拠点性向上および防災機能の強化を整備方針としている。店舗等がおおむね開業する2024年7月26日に、まちびらきイベントを実施する予定。

 【渋谷サクラステージのポイント】 は以下の5点。

・駅や周辺地区を結ぶ多層の歩行者ネットワーク整備によりまちの回遊性を向上
・渋谷駅周辺再開発において最大級の賃貸面積(約100,000㎡)を誇るオフィス
・渋谷駅中心地区で唯一整備される住宅(ブランズ渋谷桜丘)
・低層階に約15,200㎡の店舗面積(100店舗超)を有する商業施設 ・ワーカー、居住者向けサポート機能の導入(国際医療施設、サービスアパートメント、子育て支援施設)
・世界初となるまちづくりへのIOWNサービスの第一弾として、APN IOWN1.0を2023年12月11日導入予定(当社所有区画)

渋谷サクラステージ

公式素材より施設概要図

渋谷サクラステージのコンセプト「めぐり歩いて楽しいまち」は多様な人々の拠点となり、代官山・恵比寿との接続も実現する

 渋谷サクラステージのコンセプトは、「めぐり歩いて楽しいまち」。桜丘は、飲食店、音楽・⽂化施設、住宅などがひろがり、多様な人々が集まることで、独自の⽂化をはぐくんできたエリアで、今回の開発にあたり、かつて渋谷の中心の一つであった渋谷駅桜丘口(駅 の改札口)を復活させた。働く人、暮らす人、訪れる人といった様々な人の拠点づくりを進め、代官⼭や恵比寿といった後背地への接続も実現する。周辺地区とのつながりの回復やグローバル化に対応した機能・仕組みの充実により多様な人々を受け入れていく。子どもが遊べる水スペースや緑あふれる広場に菜園を整備し、広場の演出や継続的なイベントの実施を通じてにぎわいを創出していく。

【各スペース・施設概要】

●起業支援施設「manoma」(SHIBUYAタワー・38階)

 イートクリエーターと東急不動産が開設した「⽇本⾷品総合研究所」が運営する新たな起業⽀援施設(2024年2⽉運営開始)。広域渋⾕圏を舞台に活躍するクリエイティブな産業に関わる企業や⼈、スタートアップの交流促進の場を⽬指す。渋⾕の街との⼀体感を感じるパノラマ眺望や開放的で洗練されたデザインが魅⼒。イベント開催の機能として180インチスクリーンや⾳響設備を充実させ、併設するレストランやラウンジバーと連携しながら、カンファレンスやパーティー、トークイベントや商品発表や展⽰会等の幅広いシーンで利⽤出来る。⾷領域の「企画」や「体験」づくり、コミュニティを通じてデザイン、ファッション、アート、⾳楽、シネマ、トラベル、SDGs等の様々なカルチャーとかけあわせながら、交流促進を図っていく。

渋谷サクラステージ
渋谷サクラステージ
渋谷サクラステージ
渋谷サクラステージ

●にぎわいSTAGE

 SHIBUYAサイドとSAKURAサイドをつなぐ横断デッキをはさみ、昼夜ににぎわい溢れるまちの中⼼となる「にぎわいSTAGE」。気象情報や⼈流などのデータを読み込んだ演出によって365⽇異なる景⾊を彩る。空間演出の為に独⾃に開発した⼩型照明約970台を空間意匠に沿って⽴体的に配置し、照明と⾳響を連動させることで、にぎわいSTAGEを⼀体として演出する。

渋谷サクラステージ
渋谷サクラステージ

●しぶS(エス)

 渋谷桜丘(Shibuya Sakuragaoka)のイニシャル「S」をイメージした新名所「しぶS」。東京・渋谷の新名所として、季節や、昼夜の光加減、周りの環境、人の動きで絶えず変化する光や映り込みを表現し、映り込む行き交う人やまちをピンクの鏡面曲面に発見して、写真や映像で発信する楽しみを提供する。

渋谷サクラステージ
渋谷サクラステージ
渋谷サクラステージ

●はぐくみSTAGE

 JR渋⾕駅の近くにありながら、ホンモノの⼟や⽣い茂る緑、果樹と菜園に出会える。シンボルツリーは、⼤きな⼭桜。リラクゼーションイベントなど、健康的な⼼の余⽩をはぐくむ屋外広場。

渋谷サクラステージ
渋谷サクラステージ

●アーバン・コア

 メイン動線の階段・エスカレーター・エレベーターで各階をつなぐ⽴体広場である「アーバン・コア」が⼈々を迎える。そこからさまざまな⽅向へ誘う路地のような軽い階段で⼈の動きが可視化されて、まちをめぐり歩き、探索したくなる構造を意識している。

渋谷サクラステージ
渋谷サクラステージ
渋谷サクラステージ

●大型LEDビジョン

 様々な場所に新しいコンセプトの演出が可能な⼤型LEDビジョンが設置されている。ときめきSTAGEの吹き抜けを飾る⼤型LEDビジョンは、公共空間におけるデジタルアートの新たなプラットフォーム。また、施設外壁には、100mを超える⻑さのLEDビジョンが。リアルとヴァーチャルを横断する総合的なクリエイティブ⼒をベースにしたデザインコレクティブであるFlowplateaux「フロウプラトウ」を空間演出プランナーとして採⽤している。

渋谷サクラステージ
渋谷サクラステージ
渋谷サクラステージ

●404 NOT FOUND

 2024年7⽉より利⽤開始となる。Shibuya Sakura Stage4階の中⼼に位置する。2023年6⽉に設⽴した⼀般社団法⼈渋⾕あそびば制作委員会により、世代や国・ジャンルを越境し、多種多様な次世代のクリエイターが集うグローバル・クリエイション拠点。この拠点では、世界初となるインディーゲームクリエイターのコンテンツ制作・パブリシティ活動・国際交流・海外展開⽀援等を⼀気通貫で実現するエコシステムの構築を推進する。インディーゲームクリエイターを軸に様々な分野で活躍するクリエイターとこれから才能を開花させる次 世代クリエイターが国内外から集う“渋⾕のあそびば”はこれまでにない繋がりを創出し、新たなカルチャーを⽣み出すクリエイションの実験場になる。

渋谷サクラステージ
渋谷サクラステージ
渋谷サクラステージ

【渋谷桜丘エリアにおける今後のイベント情報】

●カンヌ 監督週間 in Tokioレセプション(2023年12月8日)

 ソフィア・コッポラ、スパイク・リー、ジム・ジャ-ムッシュ、グザヴィエ・ドラン、大島渚、北野武、黒沢清、三池崇史、西川美和…名監督をいち早く見いだしてきた「監督週間」が日本初上陸。特定非営利活動法人映像産業振興機構(略称:VIPO[ヴィーポ])が主催となり、「カンヌ国際映画祭」の独立部門である「監督週間(Quinzaine des Cinéastes/Directors' Fortnight)」とのコラボレーションの一環として、「カンヌ監督週間 in Tokio」のレセプションパーティを開催。

●SHIBUYA SAKURA GARAGE vol.1(2023年12月10日)

 音楽/ゲーム/アートなどさまざまな分野のクリエイターをサポートしながらコミュニティを育み、渋谷の新しいカルチャーを創出するプロジェクト「SHIBUYA SAKURA GARAGE」の第一弾として、メイクアップアーティスト/動画クリエイター(VJ)/ダンスパフォーマーをかけあわせたイベントを開催。青山ビューティ学院高等部、デジタルハリウッド大学、EXPG STUDIO YOKOHAMAのそれぞれのクリエイターが共通のテーマにもとづきパフォーマンスをプロデュース、共同制作で作品を発表。

https://shibuya-sakura-garage.com/

●バーチャルマーケット2023リアルinシブハラ(2023年12月16日~12月17日)

 株式会社HIKKYがプロデュースするギネス世界記録を取得した世界最大級のVRイベント『バーチャルマーケット』のリアルイベントとして2回目となる『バーチャルマーケット2023リアルinシブハラ』(通称Vketリアル)。前回4万人の来場を博した秋葉原での実施から、メタバースカルチャーとシブハラカルチャーを融合させた新しいカタチのリアルメタバースイベントを渋谷・原宿で開催。

●ディズニープラス 特別展示(2023年12月18日~2024年1月8日)

 <実写>と<アニメ>で2つの世界を描く映像表現を取り入れ、これまで誰も観たことのない全く新しい物語を日本から世界へ発信する、日本発のオリジナルファンタジー・アドベンチャー超大作『ワンダーハッチ - 空飛ぶ竜の島 - 』がディズニーの公式動画配信サービス ディズニープラス「スター」にて12月20日(水)より独占配信開始。本イベントでは、『ワンダーハッチ - 空飛ぶ竜の島 - 』の世界観を堪能できる特別展示を実施予定。

【施設概要】

●住所
東京都渋谷区桜丘町1番1号ほか

●アクセス
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン、東急東横線・田園都市線東京メトロ銀座線・半蔵門線・副都心線、京王井の頭線「渋谷」駅利用可能(JR「渋谷」駅・新改札口から徒歩1分)

●公式サイト
https://www.shibuya-sakura-stage.com/

渋谷サクラステージ

公式サイトから

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