遊びクリエイター・あんさん/高校の教員を退職して考えた、自分なりの社会貢献

文●伊藤美咲

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 人生100年時代といわれる昨今、自分らしい働き方や暮らし方を模索する女性たちが増えている。そんな女性たちに役立つ情報を発信するムック『brand new ME! ブランニューミー 40代・50代から選ぶ新しい生き方BOOK vol.1』(KADOKAWA刊)から抜粋してお届けするインタビューシリーズ。今回は、「遊びクリエイター」としてSNSや著書を通じて子育てや手づくりおもちゃについて発信するあんさんにお聞きした“ライフシフト体験談”をお届けする。

今の自分にできることを模索し、子育てや手作りおもちゃに関することを発信し始めたあんさん。「子どもから社会を良くしていく」ことがライフワークの軸になっているという。

出産、退職で考えた自分なりの社会貢献

  あんさんは大学卒業後、高校で英語教師として働いていた。約5年勤めた後、第1子を出産し、育休に入る。その後は子育てをするにあたり、膨大な育児書を読んだのだと言う。

「子どもが敏感でよく泣く子だったこともあり、育児書は200冊くらい読みました。初めての子育てに苦労していましたが、本をたくさん読んで子どものことを理解したら気持ちが楽になったんです。幼児期の子の発達についても学んだことでアプローチも適切なものに変わり、手づくり教材も作るようになりました。その頃から『幼児教育って面白いな』と感じ始めたんです」

 第2子の出産をきっかけに退職すると、「自分が社会に貢献できることはないのかな」というモヤモヤした思いが生まれた。 「あるときから『せっかく仕事を辞めたのだから子育てをプロのようにやっていこう』と思うようになりました。本格的に幼児教育を学び、ママ友に手づくり教材やおもちゃを配っているうちに『どうやって作ったの?』ときかれることも増え、需要があると感じました。試しに教材を印刷してフリマアプリで販売したところ、すごく売れて。2020年からは無料でデータをシェアしようと思い、Instagramでの活動を始めたんです」

子どもの発達に合わせながら、大人も気に入る手作りおもちゃを

 今の自分にできることを模索し、子育てや手作りおもちゃに関することを発信し始めたあんさん。その後はメインの発信を画像からショート動画に移行、YouTubeなどでも投稿するように。2021年にはSNS の総フォロワー数が50万人を突破し、自分のコンテンツを仕事にするという目標が達成できた。そんなあんさんが考える、ベストなおもちゃとはどんなものなのか。

「子どもにとって一番良いおもちゃとは、その子の発達に合っているおもちゃ。そのためには子どもを観察し、何をしたがっているかを考えることが大事です。ティッシュをたくさん取ったり、床を触ったり、時にはいたずらに見えることも手触りを楽しんでいる場合もある。そういう時は手触りが楽しめるおもちゃを与えるなど、子どもに『やっていいよ』と言える環境を、手作りおもちゃで提供してあげるイメージで誕生したものが多いです」

 キャリアチェンジをSNSで成功させたあんさんだが、「子どもに寄り添ったおもちゃを作りながら、同時にアプローチしたいのは大人」だと言います。

「私の掲げるライフワークの目的は『子どもから社会を良くしていく』こと。これは高校教師のときから変わっていません。子ども時代の大切な人との思い出は、子どもの心をずっと支えてくれます。幸せな思い出がある子どもは、社会を幸せにしてくれると思います。ですので、大人も『可愛い、作ってみたい!』と思えるような見た目にし、コミュニケーションのきっかけになればと願っています」

あんさんの最新刊『0~6歳まで一緒に作れる! もっと楽しく学べる手作りおもちゃ』 定価1,540円(税込)/KADOKAWA

Profile:あん

あん/遊びクリエイター。大学卒業後、高校教師に。多くの育児書を読んだことがきっかけでおもちゃを作り始める。現在は子育てや手づくりおもちゃについてSNS などで発信中。2児の母。

Instagramアカウント @n.annlee321

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