第338回 SORACOM公式ブログ
ソラコム公式ブログ
衛星通信「Starlink」をビジネス活用する方法や注意点は? ― SORACOM Starlink Businessキット セミナーレポート
本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「衛星通信「Starlink」をビジネス活用する方法や注意点は? ― SORACOM Starlink Businessキット セミナーレポート」を再編集したものです。
目次
「SORACOM Starlink Business キット」の特徴「SORACOM Starlink Business キット」のご購入方法
Q&A
Starlink に関するQ&A
ソラコムへの接続に関するQ&A
サービスや料金に関するQ&A
こんにちは、ソラコム ソリューションアーキテクトの渡邊(ニックネーム:dai)です。
本日は、2023年11月2日に開催された「SORACOM Starlink Businessキット セミナー」の開催レポートをご紹介します。大変ありがたいことに当日は多数のご質問を頂きましたが、お時間の都合ですべての回答ができませんでした。こちらでは改めて、頂いたご質問についての回答もさせて頂ければと思います!
「SORACOM Starlink Business キット」の特徴
本セミナーでは、はじめに SORACOM Starlink Business キットの特徴やKDDIのStarlink Businessとの違い、本家 Starlinkサービスとの違いについてご紹介しました。本家 StarlinkのStarlink For Businessesをベースに国内での販売を行っているのがKDDI の Starlink Businessであり、IoT用途向けに2つの特徴を加えたのが「SORACOM Starlink Business キット」です。
その「SORACOM Starlink Business キット」の2つの特徴というのがこちらになります。
- 産業用ルーター「Teltonika RUT241」
- セキュアリンクサービス「SORACOM Arc」
RUT241はセルラーアンテナを備え、衛星通信(Starlink接続)とセルラー通信とを併用したネットワークを構築することができます。また、SORACOM Arcをお使いいただくことで、Starlink回線であってもソラコムのIoTプラットフォームへ接続することが可能となります。
RUT241はデジタル入出力が備わっている点も、IoTのユースケースでは使いやすいです。
そして、これらを使ったIoTのユースケースとして2つをご紹介しました。
1つ目は、衛星通信とセルラー通信を同時に使ったネットワークの冗長構成です。2つ目は、SORACOM Arcを使ったソラコムの閉域網への接続です。
この他にもソラコムIoTプラットフォームに接続することで、クラウド連携のための認証管理やリモートアクセスなどの便利なSORACOMのサービスをご利用いただくことが可能です(それぞれSORACOMサービスの利用が必要です)。
また、セミナーの後半では、Starlinkセットアップの手順と実際のセットアップの様子についてもご紹介しました。はじめにStarlinkのセットアップを終えてから、RUT241をセットアップするのがポイントです。
詳しくはこちらのユーザードキュメントをご確認頂きながら手順通りに進めてください。
https://users.soracom.io/ja-jp/guides/devices/soracom-starlink-business-kit/
「SORACOM Starlink Business キット」のご購入方法
SORACOM Starlink BusinessキットはSORACOM IoTストアよりご購入が可能です。こちらのページからユーザーコンソールへログインしてお申し込みください。また、初期費用および月額費用についてもこちらのページでご確認ください。
Q&A
Starlink に関するQ&A
Q. 移設プランと固定プランの違いを教えてください
A. 移設プラン→日本国内どこに設置してもOK、固定プラン→申請した場所以外では利用できない、といった違いがあります。また、それぞれのプランで提供されるデータ容量やご利用料金も異なります。後述の「サービスや料金に関するQ&A」をご確認ください。なお、Starlink Businessの移動体(自動車)向けサービスであるLand Mobilityは、日本では現時点では提供されておりません。
Q. 海上では利用できますか? 海外では利用できますか?
A. ソラコムでは海上プランを現在ご提供しておりません。海上プランにつきましてはKDDIへお尋ねください。また、移設プランであっても海外へ持ち出してご利用頂くことは出来ません。
Q. 遮蔽物の材質などでどの程度の影響がありますか? また、積雪や降雨の影響はありますか?
A. 遮蔽物の材質や降雪・降雨などによる減衰の影響は具体的に公表されておりませんが、通信速度や通信の安定性に影響が出る可能性がございます。アンテナ表面の積雪に関してはStarlinkの融雪機能により回避できる可能性もございますが、雪が積もらない場所にStarlinkを設置することをお勧めします。
Q. 事務所から離れた遠隔地(倉庫など)に設置を考えているのですが、アンテナの向きを度々調整する必要はありますか? また、アンテナの温度条件がわかれば教えてください。
A. Starlink のアンテナにはモーターが内蔵されており、通信状況に合わせて自動で向きが変わります。そのため、都度調整をする必要はありません。アンテナの温度範囲は-30°C to 50°C(-22°F to 122°F)です。
Q. 電波法や航空法を考慮する必要はありますか?
A. Starlink の標準Wi-Fiルーターを屋外で使う場合には、5GHz帯の屋外利用のための許可が必要となります。屋外でWi-Fiをご利用される場合は、RUT241をお勧めいたします。また、アンテナの設置は航空法による高さの制限内で行ってください。
ソラコムへの接続に関するQ&A
Q. パーソナルプランでも、ソラコム閉域網には接続できますか?
A. はい。別途、産業用 LTE ルーター Teltonika RUT241など WireGuard 対応機器をご購入頂き、SORACOM Arcのセットアップをして頂くことでSORACOMプラットフォームへの接続が可能です。
Q. Teltonika RUT241以外で SORACOM Arcを使用できるものはありますか?
A. FutureNet MA-S120/LやRaspberry Piなどがありますが、ネットワークの冗長構成を組む場合にはMultiwanの設定が可能なRUT241がおすすめです。SORACOM Arcの詳細は、SORACOM Arcの接続に使っているWireGuardについての記事もご確認ください。
Q. Starlink回線と携帯電話網の切り替えロジックについて教えてください。また、ユーザーが自由に両回線の使い分けを設定することは可能でしょうか?
A. 切り替えロジックはセミナー内でもご紹介しましたTeltonika RUT241のMultiwanの設定に依存します。設定によってユーザーが自由に両回線を使い分けることが可能です。こちらのページを参考にしてください。
サービスや料金に関するQ&A
Q. 必要となる費用について教えてください
A. SORACOM Starlink Businessキットのご購入には、初期費用と月額費用が必要です。詳しくはこちらのページをご確認ください。
Q. ソラコムとは別にKDDIとの契約が必要になりますか。また請求はソラコムとKDDIで別々になりますか。
A. Starlink回線の契約初期費用および月額費用はKDDIとの契約が必要です。請求は別々になります。
Q. 契約の通信容量を超えた場合、超過料金は幾らで、どのように課金されるのでしょうか?
A. 契約容量を超えた場合であっても超過料金は発生しませんが、通信速度が制限されます。詳しくはこちらのページをご確認ください。
Q. 複数利用する場合でもKDDIサポートパックは一口でよいですか?
A. 1つの回線契約ごとにKDDIサポートパックの費用が発生します。詳しくはこちらのページをご確認ください。
Starlink は低軌道衛星を使った画期的なサービスです。「SORACOM Starlink Business キット」を使って、IoTの分野でもぜひご活用頂ければと思います!
― ソラコム渡邊(dai)
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