今回のひとこと
「弥生の役割は『会計ソフトの民主化』だけでいいのだろうか。いまこそ、会計のあるべき姿を実現する『会計の民主化』に取り組むべきという考えに至った。目指しているのは、経営の意思決定を支援するパートナーになること」
会計の民主化に向けて
「会計ソフトとして、本当の役割を提供できていなかったのではないか。いま、そう反省している」――。
会計ソフトでトップシェアを誇る弥生の前山貴弘社長は、新製品である「弥生Next」の発表会見で、こんな言葉を発した。
弥生は、1987年に、PCで利用できる会計ソフト「弥生シリーズ」を発売した。
それまでの会計ソフトは、オフコンを中心に利用され、100万円以上するシステムが必要だった。当時の「弥生シリーズ」は、8万円のパッケージ価格で市場投入され、大企業だけが使っていた会計ソフトを、中小企業や個人事業主でも利用できる環境へと広げる役割を果たした。
「会計ソフトを、誰もが使えるように、購入しやすい価格で提供し、使いやすいインターフェースを採用し、手厚いサポート体制を敷いて、この市場で一番を目指してやってきた。その結果、会計ソフトの利用は爆発的に増え、どんな規模の企業も、会計に関するリテラシーを引き上げることができた。弥生の歴史は、中小企業会計の歴史そのものであると自負している」と前山社長は語る。
そして、「弥生が、これまでの36年間でやってきたことは、『Democratization of Accounting Software』(会計ソフトの民主化)であった」と、自ら評価してみせる。
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