レノボは米テキサス州オースティンで年次イベント「Lenovo Tech World 2023」を開催。そこで披露したのは、ディスプレイを折り曲げられる“Adaptive Display Device”。一見すると長方形型の端末だが、折り曲げて腕に巻き付ける様子を見せた。新しいウェラブルの形となるのだろうか? 実機の動画も含めてお届けする。
画面を曲げて腕に巻き付けるスマホ
レノボはスマートフォン、PC、そしてサーバー、ストレージなどシステムまで幅広く展開するベンダーだ。そのため、1日のイベントの基調講演は2時間超という長丁場。集中力が切れた後半に突然披露したのが、モトローラによるAdaptive display deviceだ。
といっても、あくまでコンセプトとして披露したもので、名称などはない。またスペックもほとんど明かされていない。わかっていることは、ディスプレーは6.9型FHD+のプラスチックOLED。折り曲げた状態で4.6型のスタンドモード、テントのように立てかけて使ったり、腕に巻きつけることができる。レノボはちょうど1年前に披露した巻取り式スマホなどの延長線上に位置づけている。
レノボ(モトローラ)は1年前にもコンセプトモデルを公表
モトローラが「Lenovo Tech World 2022」で公表した巻き取りスマホは、ディスプレーが伸び縮みするように変化する。
ステージに立ったイノベーションリサーチ・リードのLexi Valasek氏は、AIを利用して洋服の色に合わせて端末のバックグラウンドを自動で変えるなどの機能も紹介した。デバイス上で(ローカルで)動く生成AIモデルにより実現している。
披露したものを見ると、Androidが動いているスマホに見えるが、展示会場でも触れることはできなかった。製品化の予定についてもノーコメント。だが5年以内に何らかの形で登場するであろうという予想を出している。
スマートウォッチの代替……は難しそうだが、
スマホの新たな形であることは間違いない
Adaptive displayを搭載したデバイスが製品化されるならば、状況によってはスマートウォッチの一部用途をカバーしてくれるかもしれない。
デモエリアのスタッフは用途として、「ハンズフリー」という点を紹介していた。買い物時にスマホを手にしてショッピングリストを見るのではなく、腕に巻き付けることで両手が使えるというもの。同じ要領で、地図やナビ、決済、通知のチェックなどのちょっとした操作で使えそうだ。
だが、巻きつけたデバイスが腕の激しい動きにどのぐらい耐えられるのかはわからない。ユーザーの腕のサイズによってはフィット感が異なるだろうし、端末が重いと腕が疲れるだろう。言うまでもなく、フィットネス用途のスマートウォッチの代替にはなりそうにない。
疑問はたくさんあるが、デバイスの新しい可能性を感じる。
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