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ベネッセがパートナーを巻き込みながら模索する「生成AI活用」の最適解とは

生成AI+ノーコードCMSで、進研ゼミのサイト制作期間が半分以下・コストは4割減に

2023年10月30日 09時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp 写真提供●ベネッセ

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人とAIが共生するコンタクトセンターの実現で、オペレーター稼働を6割削減へ

 TMJのベネッセ事業本部 事業企画部 部長である宮川正雄氏からは、進研ゼミのコンタクトセンターにおける生成AIの活用例が語られた。

 コンタクトセンターにおいて一番の悩みとなっていたのは、オペレーター人材の確保だ。毎年4月の入学シーズン前後のピーク期には2500人ほどのオペレーターが必要になるが、その採用が年々困難になっていた。また短期契約であるため、莫大な育成コストがかかるものの自社の人的資産にはならないという悩みもあった。

TMJ ベネッセ事業本部 事業企画部 部長 宮川正雄氏

 こうした課題を解決すべく、ベネッセや音声認識ソリューションベンダーのHmcommと協力して、AI型チャットボットやAI入電予測作成ツール、音声認識AIを活用し、労働集約型ビジネスからの転換を進めてきた。そして生成AIの登場を受けて、「人とAIが完全に共生するコンタクトセンター」の確立を目指すことにしたという。

 具体的な施策は、チャットボットや音声認識など既存のアセットに生成AIをプラスしてさらに効果を高めること、そして顧客対応や運営全般にも生成AIを活用することだ。現在は11月下旬までをめどにPoCを実施している。

 まずはチャットボットに生成AIを組み込み、自然言語でのやりとりができるようにして、ユーザーの自己解決率を高める。また、メール対応においても回答文の作成を生成AIがサポートするようにして、対応時間の短縮を目指す。現時点では、生成AIチャットボットの正答率は8割程度とのことで、今後のチューニングでさらなる改善を目指すという。メール回答文の作成サポートは、1件あたりの対応時間が15分から8分に短縮されるなど、すでに明確な効果が出ているという。

メール対応業務において生成AIが回答のドラフト生成

 オペレーターに電話がつながる前のサポートとして、音声ボットが顧客の要件を自動でヒヤリングし、通話時間を削減する仕組みも検討している。現在、LLM(大規模言語モデル)の使用率を高めることで精度向上が見込まれており、レスポンススピードの向上が課題だという。

 さらに電話がつながってからのサポートでは、業務知識やマニュアルをまとめたナレッジツールを自然言語で探索できるよう生成AI化。また顧客の応対履歴を生成AIが自動要約することで、後処理時間の短縮も進めている。これらは、分類・タグ付けなどの工夫やプロンプトチューニングにより実用化が見込まれているとした。

生成AIによる解決策とそのPoCからの成果

 TMJは、2024年度には生成AIによる取り組みを本格展開、2025年にはカスタマー対応や業務の自動化率を最大化することで、新規のオペレーター採用を減らして、オペレーターの稼働を60%削減することを目標としている。人とAIが共生する最小リソースでの運営によって、人手不足を抜本的に解消し、AIを“使いこなす”オペレーターを重視していく方向性だ。

 「今後は、事業の根幹であるコンサル業務の機能を強化して、売上に貢献していく体制へとシフトしていく。AI活用により余裕を生み出すことで、管理者のリスキリングと再配置を進め、人の力を最大限に活かしていきたい」と宮川氏は語った。

AI活用によりオペレーター稼働を60%削減、人手不足を抜本的に解消

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