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6会場を結んだハイブリッドイベントで感じた一体感

ハンズオンで手を動かし、コミュニティLTを楽しんだ今年のSORACOM UG Explorer

大谷イビサ 編集●ASCII

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Maxがソラコムの歩みを整理 そして3人の貢献者が発表

 続いて「こんにちは SORACOMです」のタイトルで登壇したのは、Maxことソラコム テクノロジー エバンジェリストの松下享平さん。まずは初めての方へということで、「IoTとSORACOM」について改めて説明した。

まずはソラコムからの感謝の気持ちでスタート

 松下さんはMIXIが提供する子ども向けGPS「みてねみまもりGPS」を例に出し、現場をデジタル化するデバイス、データを活用するクラウド、そして現場とクラウドをつなげるネットワークの3つによってIoTが構成されると解説。その上で、IoTの目的を「モノやコトのデジタル化」と述べ、今後は「デジタル社会のインフラ」になると説明した。

 SORACOMはこのうち「IoTのつなぐを簡単にする」という役割を持っている。2015年9月30日、IoTプラットフォームとして生まれたSORACOMには、SORACOM Airというデータ通信サービスだけでなく、データ転送サービスのSORACOM Beamが含まれていた。その後、サービス名の頭文字をアルファベット順にしたサービスが「R」までリリースされ、今ではIoTイノベーションを加速させる多種多様なサービスが用意されている。

クラウドとインターネットを逆転させたSORACOMのパラダイムシフト

 アップデートも頻繁で、今年だけでもすでに100以上の新機能やアップデートが行なわれている。顧客のフィードバックはどんどんプラットフォームに反映されていく予定で、「今後のフィードバックはぜひソラコムサンタでポストしてほしい。公式のフォームもある」と松下さんは年末に向けてアピールした。

 IoTとSORACOM、そしてSORACOMの今年の歩みとこれからについて説明した松下氏は、SORACOM MVC(Most Valuable Contributor)の発表を行なった。SORACOM MVCとは、コミュニティ活動の貢献に対して、ソラコムから感謝を表す制度。今回は昨年の8月から7月までの1年間で「SORACOM UGの立ち上げや継続的な開催を通じてSORACOMコミュニティの拡大に貢献」「積極的な情報発信を通じて、SORACOMの認知度向上に貢献」という2つの点において、優れた貢献者に送られるという。

 一人目は2回目の受賞となるオルターブース クラウドソリューション部 副部長の木村健一郎さん。JAWS-UG福岡を中心に古くからコミュニティ活動を手がける木村さんは、コロナ渦の2021年から隔週のオンライン勉強会である「もくもく会」を継続開催。その他、各地域での企画支援や開催を行なったり、ブログも数多く執筆している。

 二人目のSORACOM UG東京 大口聡さんは、初心者向け支部「ビギナーズ」で開催された年4回のうち3回でリードや支援を行なった点が大きかった。kintone CafeやLINE DCとの共催イベントでも支援や発表を行なっており、SORACOM UGをアピールし、新しい参加者との出会いに貢献したという。

SORACOM MVCを受賞した三人のメガネのおじさんたち(笑)

 三人目はソフトビレッジ代表の片岡幸人さん。四国を中心にコミュニティ活動を続ける片岡さんは、SORACOM UG 四国 in 高知の開催を中心に、岡山や東京といった他地域にも率先して、参加・支援を行なっている。kintoneコミュニティでの活動歴も長く、SORACOM×kintone連携イベントの礎を作った点もポイントとなったという。みなさま、おめでとうございます。

NERVES.JP、Tech-on、kintone CafeなどのLTから恒例のあのイベントへ

 コミュニティLTの後半は、NERVES.JPの衣川さんから。Nervesは関数型言語ElixirによるIoT開発フレームワーク。「ArudinoやESP32よりもリソースが欲しい」「でもRPIやBBBのLinuxでまとめて管理するのは大変」と考えている開発者にお勧めで、ファームウェアサイズは100MB以下で、パッケージ管理も簡単。ファームウェアのSSH転送やOTAもサポートしているという。Elixirを使ってデバイスからサーバーまで完結するのも魅力だという。衣川さんは、Nerves開発者の本をみんなで読んでNervesで作ったウェザーステーションについて説明し、オンラインコミュニティNERVES.JPへの参加をアピールした。

Nervesで作ったウェザーステーション

 続いて東京会場で登壇したのはTech-Onの須田さん。Tech-OnはKDDIアジャイル開発センターが手がける技術勉強会で、新しい技術や手法(ハイプ)を取り入れ、変化に対応できる組織、文化を醸成するのが目的。学びたい技術を都度取り上げながら、すでに19回の勉強会を開催。テーマも「リモートワーク」「データ分析」「マルチクラウド」などさまざまで、SORACOM UGとのコラボ会も開催したという。

 最後、kintone Cafeについて紹介したのは釧路から接続したアクアビットの長井さんだ。kintone Cafeは、文字通りkintoneのコミュニティで、これまで開催された勉強会はすでに400回を超えており、海外でも行なわれている。kintone CafeとSORACOM UGとのコラボは高知が発端で、2022年の6月にkintoneとソラコムボタンをつなぐハンズオンを初開催。その後、神奈川のお寺や福岡のkintone Cafe、なんとメタバース上でもコラボイベントを開催し、MAXも登壇。毎度、kintoneユーザーとして、SORACOMの可能性に感動しているという。長井氏は「やってて面白い」「自主的な運営」「オープンな雰囲気」などが両コミュニティの共通点だとまとめた。

kintone CafeとSORACOM UGの共催はお寺が会場!

 SORACOM UG Explorer 2023の最後は、グループに分かれて来年発表されるかもしれない「S」で始まるサービスを妄想する毎年恒例のコーナー。単にサービス名やユーザーの要望だけでなく、市場動向、ソラコムが解決すべき課題などをシンキングタイムで考え、最後に8チームが発表。私も参加したが、ハンズオンと違う脳みそを使う感じで楽しかった。これを参加者がMentimeterで投票し、次のサービスに期待を拡げた。答え合わせは来年のDiscovery 2024となる。

 ということで、イベント終了後は各自夜の町へ消えていくことに。質問しやすい、会話しやすい、アットホームな雰囲気の中、ハンズオンというキラーコンテンツでがっつりSORACOMを初体験した人たちが、次に登壇してくれるのが楽しみだ。

6会場+αで記念撮影(ソラコム提供)

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