IoTプラットフォームSORACOMの契約回線数が600万を突破
株式会社ソラコム
短期間での開発と効率的な運用を支えるプラットフォームで、IoTシステムの内製化も支援
株式会社ソラコム(本社:東京都港区、代表取締役社長 玉川憲)は、データ通信サービス「SORACOM Air」の 契約回線数(*1 が、600万回線を突破したことをお知らせします。
(*1 海外法人からの提供を含む SORACOM Air の総回線数。SORACOM Air for セルラー、Sigfox、LoRaWANを含む。
IoTプラットフォームSORACOMは、IoT向けのデータ通信を軸に、IoTを活用した製品やサービスの開発を加速させ、効率的な運用を支援するグローバルプラットフォームです。製造、エネルギー、金融などの産業DXから、イノベーティブなスタートアップ、農業や防災など持続可能な地域社会を支える取り組みに至るまで、さまざまな業界・規模のお客さまにご利用いただいています。
社会のインフラにもなりつつあるIoTにおけるソラコムの取り組みをご紹介します。
■世界180の国と地域で、マルチキャリアでつながる、SORACOM Air for セルラー
「SORACOM Air for セルラー」は、1枚のSIMで世界中の通信事業者のセルラーネットワークが利用できるデータ通信サービスです。SORACOM Air for セルラーで利用するSORACOM IoT SIMは、使うエリアや用途にあわせて購入後もOTA(Over the Air:無線経由での更新)によりサブスクリプション(通信契約)を追加できます。
現在、日本を含め、世界180を超える国と地域でご利用いただけます。あわせて、1つの国でも複数の通信事業者の回線が利用可能となるマルチキャリアを推進しています。例えば、日本国内で使える「planX1」はKDDI、SoftBank、NTTドコモの3キャリアに対応し、グローバルで使える「plan01s」は160を超える国と地域、330キャリアをカバーします。マルチキャリアは、回線を冗長化する方法としても有効です。
各国で利用可能な通信事業者名は、サイトでご確認いただけます。
https://soracom.jp/services/air/cellular/
小型のウェアラブル端末や、振動を伴う車載デバイスでは、基板に直接取り付けられるチップ型eSIM(Embedded SIM)が最適です。SORACOM Air for セルラーでもeSIMを提供しており、契約回線の50%を占めます。
■製造・エネルギーで堅調に進む業界DX
サービス開発・運用の内製化を支えるSORACOMのサービス
製造・エネルギー業界では、定期点検の自動化、遠隔からの機器の稼働チェックや異常検知、リモートメンテナンスなどで堅調にIoT活用が進み、クラウドに蓄積したデータを分析し予知保全を実施する事例も増えています。
ダイキン工業株式会社 淀川製作所では、目視で実施していた分電盤の定期点検をIoT化し、高頻度で温度の変化を把握して、安全上の問題が発生する前に必要な対策を講じています。SORACOMのクラウド連携サービスを利用し、開発の手間を省きながらシステムの安全性も向上させ、デバイス増加時も効率的に導入・運用できるようにしています。
北海道ガスグループは、提供する中小規模施設向けエネルギーマネジメントシステム「Mys³(ミース)」において吸収式温水機遠隔省エネサービスを開発するにあたり、SORACOMの遠隔アクセスやクラウド連携サービスを活用。プロジェクト開始から5ヶ月で実証実験を実施し、短期間での新サービスの市場投入に成功しています。
象印マホービン株式会社は、ポットの利用から生活状況を把握する高齢者見守りサービス「みまもりほっとライン」のリニューアルを機に、SORACOMのクラウド連携サービスを活用しクラウド基盤にデータを収集。サービスの提供機能を拡充し、今後もデータ分析や新サービスの提供を視野に入れています。
いずれも「短期間で開発でき、効率的に運用できている」との声をいただいています。クラウド連携、閉域網接続、遠隔アクセスなどのSORACOMのサービスと、デバイス・クラウド・通信を含む専門知識と培った知見で、高度なIoTシステム構築を支援します。
SORACOM IoT USE CASE https://iot-usecase.com/
なお、IoTシステム開発チームの立ち上げをソラコムのコンサルタントが外部CTOの立場で伴走し、アーキテクチャ設計をサポートする「プロフェッショナルサービス」も提供しています。
SORACOM プロフェッショナルサービス https://soracom.jp/professional_services/
■IoT開発者のセルフラーニングを支援
70以上の無料のIoT開発手順書「IoT DIYレシピ」を公開
ソラコムでは、IoT技術に関する知見やノウハウを公開し、IoT開発者の学習を支援しています。
「IoT DIY レシピ」は、IoTシステムの開発を解説する手順書で、現在70以上のレシピを無料公開しています。「換気促進」「リモートアクセス」「予知保全」「PLCの遠隔メンテナンス」といった業務に導入できる仕組みを、必要な機材と難易度、ステップごとに手順を解説します。利用しているセンサー、カメラなどのデバイスは、通販サイト「SORACOM IoT ストア」で購入できます。
SORACOM IoT DIY レシピ https://soracom.jp/iot-recipes/
SORACOM IoT ストア https://soracom.jp/store/
また、パートナープログラムであるSORACOM パートナースペース(以下、SPS)には、業界や技術分野に専門性をもつ企業が参画しています。開発せずにIoTを活用したい方には、すでに導入実績のあるSPSパートナー企業のIoTソリューションをご紹介しています。
■先進技術への取り組み
次世代SIM「iSIM」、衛星通信、生成AI
SIMの次世代技術である「iSIM」について、2021年にSony Semiconductor Israel Ltd.とセルラーIoTデバイス向けにセキュアな認証情報を提供する「Kigen(R)」提供元のKigen社とソラコムの3社でiSIMに関する実証実験を実施しました。2023年度中にiSIM対応モジュールの商用提供を予定しています。
「あらゆるモノがつながる」社会では、セルラーやLPWA、有線LAN、Wi-Fiなどの通信規格を組み合わせて使う混成ネットワーク環境が想定されます。ソラコムでは、通信規格やデバイスの違いをSORACOMのプラットフォームで吸収・統合できるようサービス開発を進めています。
有線LAN、Wi-Fiでつながるデバイスに仮想SIMを発行し、セルラーでつながるデバイスと同様に管理できるサービス「SORACOM Arc」は、Wi-Fiとセルラーを両用するケースで利用されています。
セキュアリンクサービス「SORACOM Arc」 https://soracom.jp/services/arc/
さらに、衛星通信もSORACOMに統合できます。2023年7月にIoT向け衛星通信サービスである米・Skylo Technologiesとの協業を発表、さらに9月には衛星ブロードバンド Starlink の法人向けプラン「Starlink Business」を組み合わせてご利用いただけるキットの販売を開始しました。
生成AI、LLMという新しい分野にも取り組んでおり、膨大なIoTデータの仕分け、分析などの活用を見据えています。2023年7月には、蓄積したデータについて「AIに聞く」ことができる「SORACOM Harvest Data Intelligence」を提供開始したほか、株式会社松尾研究所と「IoT x GenAI Lab」を設立し、IoT分野におけるLLMの 活用を研究・推進しています。
ソラコムは、引き続きIoTテクノロジーの民主化に取り組み、SORACOMプラットフォームを通じて、お客さま、パートナー企業とともに社会やビジネスのイノベーションに貢献していきます。