スポーツウォッチの画面でも意外と便利なマップ機能
地図のインストールにパソコンを使ったちょっとした作業が必要になるが、データをインストールしておけばオフラインで地図を使えるし、ルートプランナー「komoot」のナビゲーションも使うことができる。
コンパクトながら高精細、かつ非常に明るくコントラストの高いディスプレーのおかげで地図も見やすい。ハードウェアボタンで簡単に拡大、縮小ができるので操作も間違いなく、素早くできる。自分の位置も、デュアルバンドGPSのおかげで非常に正確に計測されている。
ターンバイターンのナビゲーションも可能だし、万が一の時のためにスタート地点に戻るナビゲーションも可能。トレイルランニングをする人にとっては、こうしたナビゲーション機能が非常に役に立ちそうだ。
データを取得した「その先」に、ノウハウの豊富さが光る
実際に、10日間ほど試用して、日々朝のウォーキングと、夜のランニングに使ってみた。といっても、健康維持のためのランニングなのでペースはゆるゆるだが……。毎日朝は2kmのウォーキング、夜は30分のランニングをした。
そもそも、日々1日のアクティビティ目標が表示されているので、100%を達成したければ走るしかない。脂肪を燃焼させたいので、心拍は最大心拍の60~70%のゾーン2になるように心がけていたが、調子がよければもっとハイペースで走った日もある。
仕事が立て込んでいると睡眠不足になる日もあるが、そんな日はコンディションが良くないということをVantage V3が教えてくれるので、無理をせずすむし、そもそも気持ちよく走れるようにしっかり睡眠を取ろうという意識も高まっていく。そんなに無理はしていないから疲労は溜まっていなかったが、疲労が蓄積している場合、それも教えてくれるので、しっかりと休息を取ることもできる。
トレーニングに熱中してくると、ついオーバーワークになりがちだが、休息すべき日を教えてくれるのも非常に素晴らしい。
走っている途中にタイムやペースなどの表示が見やすいのもいい。必死で走っていると、細かい文字を見るのがツライ時もあるからだ。また、一時停止や、地図の表示、ラップの記録などの操作が、すべてハードウェアボタンに割り当てられているのもいい。さすが実際に使用する中で開発されているだけのことはある。走りながらタッチパネルを操作するのは難しいのだ。
筆者は家の近所を走るので、道は知り尽くしているから地図が必要になることはないが、走っている行程のどこに位置しているのか分かるのは便利だった。休日ゆっくりロングランする時などに、位置情報を確認できるのは便利だと思う。
また、データの保管などに関する考え方も特徴的だ。Vantage V3で計測したデータは、パソコン経由で同期しても、スマホ経由で同期してもクラウドに同期される(なお、一部データはスマホからのみ同期可能)。クラウドのアカウントに集積されていくので、万が一の紛失などのトラブル時にも安心だし、複数のポラール製品を使い分けることもできる。
また、「起立試験」「脚力回復度テスト」「SpO2(血中酸素レベル)」「ウォーキングテスト」「ランニングテスト」「サイクリングテスト」などの各種テスト機能が備えられているのがユニーク。たとえば、「起立試験」であれば、座った状態から立った時の心拍の復帰の早さから身体の回復度やトレーニングへの反応を確認する。「脚力回復度テスト」では、スクワット状態からジャンプして高さを計測し、トレーニングによりどのぐらい疲労しているか、回復しているかを確認できる。