トライベック・ブランド戦略研究所は10月23日、「Web Equity 2023」の調査結果から、12業界246企業・ブランドについてデジタルメディア(公式サイト、SNS公式アカウント、公式アプリ)の事業活動への貢献度を算出し、ウェブサイト価値ランキング2023として発表した。
「ウェブサイト価値」はデジタルメディアが企業や商品の認知度やイメージ、好感度などのブランド醸成にどの程度貢献しているかを評価した「情報価値」と製品・サービスの売上にどの程度貢献しているかを評価した「売上価値」を合算したもの。
調査機関は6月1日~6月15日で、調査対象者は全国20~69歳の一般消費者となる。
ウェブサイト価値で1位は「全日本空輸(ANA)」で947億円だった。今回調査において、航空・レジャー業界は観光需要の急速な回復による売上価値の増加はもちろん、コロナ禍以降の新たな消費者ニーズを的確に捉えたデジタル戦略により、情報価値も向上傾向となったという。
全日本空輸(ANA)は、2022年5月にアプリ「ANA Smart Travel」を発表。同アプリでは、航空券の予約・購入からオンラインチェックイン、国内線の空港での空席待ち手続き、機内でのデジタル新聞・雑誌の購読など、顧客の旅体験をデジタルによって進化させている。
また、コロナ禍の旅行者激減を経て、新たなユーザー接点の模索を続けており、その足掛かりとしてもデジタルメディアを活用。2022年5月に公式サイトをリニューアルし、「ショッピング&ライフ」のメニューを設け、航空利用者はもとより「『ショッピング』を目的とするユーザー」をターゲットとして見据えていたとする。
2位は「日本航空(JAL)」(864億円)、3位「ユニクロ」(823億円)、4位「日本マクドナルド」(680億円)、5位「トヨタ自動車」(678億円)と続いた。
なお、今回の調査では、上位企業の多くに「情報価値」の向上が見られ、特にイオン(6位)やセブン‐イレブン(8位)など、スーパー、コンビニといった流通業界が躍進している。
流通業界においてデジタルメディアの利便性は、購買における顧客体験そのものとなりつつあり、「買い物」はキャッシュレス決済が広く受け入れられるようになるなど、「買い物」を取り巻くライフスタイルが急速に変化したという。
トライベック・ブランド戦略研究所は、企業の視点から見ると今後は、「まずはネットで」といった消費者行動に応える「ファーストタッチメディアとしてのデジタル活用」と、よりスムーズに「自分に合った情報を得たい」という要望に応える「CX(顧客体験)の統合」が、顧客体験価値の最大化に向け、重要なキーワードになるとまとめている。
全ランキングについてはこちらを参照のこと。